乳歯が抜けて永久歯が生える時期になると、「うちの子の歯がなかなか生え変わらない…」と、他の子と比べて心配になるママやパパは多いようです。体重や身長に個人差があるように、永久歯の生える時期にも違いがあります。そこで今回は、永久歯の種類をはじめ、生え変わる時期や本数、生えないケースについてご紹介します。
永久歯とは?
永久歯とは、乳歯から生え変わった「大人の歯」のことです。乳児から幼児、そして大人へと成長するにあたり、顔の骨格や顎が大きくなるのに合わせて徐々に生え変わっていきます。
乳歯が全部で20本だったのに対して、永久歯は28本で、親知らずを含めると32本になります(※1)。種類は全部で8種類あり、前歯である中切歯、側切歯、糸切り歯と呼ばれる犬歯、奥歯となる第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯、親知らずである第三大臼歯で構成されています(※2)。
乳歯に比べて歯の表面を覆うエナメル質や内側の象牙質が厚く、頑丈にできているのが特徴です。
永久歯の生える順番や時期は?
一般的に永久歯は6歳前後から生え始め、12歳くらいまでにある程度生え揃い、親知らずを含めると20歳くらいまでかかることもあります。
歯が生え変わる時期や順番は個人差が大きく、歯の研究者によっても意見がわかれます。一般的な時期は、あくまでも目安として考えてくださいね。
永久歯が生える順番としては、主に次の通りです(※2)。
永久歯が生える順番
1. 中切歯または第一大臼歯が生える
6歳前後で、下の前歯が乳中切歯から中切歯に生え変わります。そして、下の第二乳臼歯(乳歯の一番奥)の後ろに位置する部分に、永久歯の奥歯である第一大臼歯が新たに生えます。その後、上の第一大臼歯が生えてきます。
なお、下の中切歯が生え変わるのと、下の第一大臼歯が生えるのとどちらが早いかは人によって異なります。
2. 下の側切歯・上の中切歯(前歯)・上の側切歯が生える
永久歯の前歯である下の中切歯が生えてから1ヶ月後くらいに、下の中切歯の両サイドにある側切歯や上の中切歯(前歯)が生え変わり、数ヶ月後に上の側切歯が生え変わります。
3. 犬歯・第一小臼歯・第二小臼歯が生える
9~12歳くらいになると、乳歯の犬歯と、さらに奥にある第一乳臼歯、第二乳臼歯が、第一小臼歯、第二小臼歯に生え変わります。
4. 一番奥に位置する第二大臼歯が生える
第一大臼歯の奥に生える最後の奥歯、第二大臼歯が生えると、合計28本で永久歯が生え揃います。
5. 親知らずが生える場合も
永久歯28本が生え揃うと、20歳くらいまでの間に親知らずと呼ばれる第三大臼歯が生えます。ただし、親知らずは生えない人もいれば、姿を見せずに歯茎から出ていないだけで存在するケースもあります。
永久歯が生えないこともあるの?
子供の永久歯がなかなか生えてこないというケースは、実は珍しくありません。体質ということもありますが、昨今は昔よりも固いものを噛む機会が減少し、顎があまり発達しなくなったことも原因として考えられています(※4)。
乳歯がなかなか抜けない、乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこないといった状態が気になれば、以下のような可能性も含めて歯科医に相談してみてください。
埋伏歯
顎の骨や歯茎の下に歯が埋まったまま、なかなか永久歯が生えてこない状態です。完全に顎の骨に埋まっている場合と、一部だけが出ている場合があります。
必ずしも抜く必要はないですが、一部が出ている場合に虫歯になったり、完全に埋まっている状態で嚢胞や腫瘍ができたりした場合は処置が必要になります(※3)。
先天欠如
日本小児歯科学会の調査によると、生まれつき歯が欠如している「先天欠如」で永久歯が生えない場合があります(※4)。乳歯がそのまま生えていることもありますが、乳歯は虫歯になりやすいうえに、歯の根が短く、20歳前後に抜けてしまうことがほとんど。
なるべく乳歯を長持ちさせるようケアを徹底し、もし抜けてしまった場合には、矯正して歯並びを調整する方法があります(※5)。
永久歯がなかなか生えないときは様子をこまめに見てあげよう
永久歯に生え変わる時期は個人差がありますが、何か異変があれば早めに気づいてあげられるよう、こまめに見てあげましょう。「この前抜けた歯のところ、生えてきた?」と、日常会話の中で聞いたり、仕上げ磨きをするときに確認したりしてみてください。
また、乳歯が残っている状態で、永久歯が生えてきてしまうケースもあります。乳歯が揺れていたらそのまま経過を見ますが、いつまでも抜けない場合は抜歯が必要になることも。
永久歯が生え始める6歳前後は、歯にも様々な変化があります。歯の違和感は子供にとってストレスになることもあるので、ママやパパが分からないような状態であれば、歯科医に診てもらってくださいね。