父親と娘の関係は非常にデリケート。小さい頃は懐いてくれていたのに、成長とともに話をしなくなったり、避けられるようになったり…。そこで今回は、思春期に近づく前に、父親と娘がどのように信頼関係を築いておけばいいのか、日頃から心掛けたいことをご紹介します。
父親と娘の関係は、昔と今で変わった?
昔の父親像といえば、「厳格で怖い」というイメージですよね。良くも悪くも娘に対して厳しく接し、女性として人として、社会のルールを教え込もうとする父親が比較的多く見られた時代がありました。
しかし現在では、娘に優しくて甘えさせる父親も増えてきているようです。どちらも一長一短あるように思えますが、具体的にはどういった状態が、父親と娘のよい関係なのでしょうか。
父親と娘のよい関係とは?
九州大学の研究論文では、父親と娘の関係として最も大事なことを「一定の距離を保ちつつ、しかし信頼し見守り続ける眼を持つこと」としています(※1)。
何も言わない放任よりも、愛情をかけている姿を見せることが大切です。ただし娘の行動を厳しく制限することは、相手のことを思っての行動だとしても、信頼が伝わらない場合があるので避けたほうがベター。
過干渉にならないよう、少し離れたところで見守り、娘が困った時は必ず助けるようにしましょう。
このような行動を続けることで、父親は「娘を信じて見守れた」、娘は「父親から愛情を注いでもらった」「困ったら信頼できる相手だ」、とお互いに信頼するという調査結果が出ています。
父親と娘の関係が悪いとどんな影響がある?
子供のころに父親との関係があまり良くなかった娘は、自己肯定感が低く、成長してから仕事の面や経済的な面で、苦労を重ねる傾向があると考えられています。
ほかにも、理想の男性像がわからない、男性から女性がどう見られているかわからないという不安により、性的な非行に走ってしまうなど、問題行為に発展するケースもあります。
父親と娘の信頼関係を生む5つの秘訣
父親と娘のよりよい関係として、程よい距離感を保って娘を見守ること、としましたが、具体的にどうすればいいか、正直迷ってしまいますよね。そこで、今から意識して行動できる、5つの秘訣をご紹介します。
1. 「社会のルール」をしっかり伝えよう
厳しく言えない父親が増えているとはいえ、今も昔も「してはいけないこと」「してあげたいこと」に変わりはありません。
例えば、誰かに暴力を振るってはいけないとか、困っている人をみたら助けようとか。叱ると娘に嫌われるのではないかと心配する父親も多いとは思いますが、娘の将来を考えたら、必要な行動ですよね。
2. ステキな男性像を見せてあげよう
娘は一番身近な父親から男性像を学びます。娘が選ぶ結婚相手に父親の存在はやはり無関係とは言い切れません。せっかくなら、父親も認める、かっこよくて、ステキな男性を選んで欲しいですよね。
娘に見られていると思って行動するだけでも、娘との関係は変わっていきますよ。
3. 父親と娘の関係は、母親の協力が大事
父親から母親が情緒的な支持を受けている、つまり、しっかり愛情表現されている家庭の娘は、父親を魅力的に感じるという研究結果が示されています。また、母親からの父親への評価にも娘は敏感です。娘との信頼関係を強めるためには、夫婦での信頼関係も重要ですね。
4. 娘に媚を売らない
父親がご機嫌取りとして何かしようものなら、敏感な娘はあっという間に気づいてしまいます。娘は特に子供扱いされることを嫌います。父親として正しいことをしたのであれば、娘がすねていても少し放っておきましょう。
でも、父親の愛情表現として、「近くで見ているよ」ということは示してあげるといいですね。
5. いろんな褒め方で娘を育てよう
最後に、娘に限らずですが、厳しい言葉でコントロールしようとするのではなく、背中を押す・困ったらサポートしてあげるという「見守る父親」になるためにも「褒め方のレパートリー」を増やしておきましょう。
娘が大きくなっても褒められるコミュニケーション力が、将来の父親と娘の関係にステキに働きますよ。
例えば、一時的に成績が悪くても「毎朝宿題をやっていたね。続けられて偉かったよ」とか、絵を見て「青の使い方が上手だね!」など、単純な評価ではなく、方向性を持った具体的な褒め方が娘を幸せにします。ぜひ取り組んでみてくださいね。
父親も成長!娘が小さい頃から関係づくりをしていこう
多くの場合、娘との関係がぎくしゃくし始めてから、父親は「どうしたらいいんだろう?」と考えます。しかし父親と娘の関係は、娘が小さいころからどういう風に関わってきたのかが大切です。
今から父親も成長するつもりで、娘との関係を楽しんでいきましょうね。