【歯科医監修】子供の受け口はどう治す?費用など、気になることまとめ

監修医師 歯科医師 角田 智之
角田 智之 1992年に明海大学卒業後、日本大学医学部歯科口腔外科にて診療に従事。久留米大学医学部口腔外科などを経て、2008年に開業。現在は福岡市博多区にて診療を行う。予防歯科や心理的要因にて発症するといわれて... 監修記事一覧へ

乳歯が生えてくると、下の歯が上の歯よりも前に出ていてあごが前に突き出た「受け口」のような状態になることがあります。歯科で相談をした方がいいのか心配になるママやパパも多いかもしれませんね。

今回は子どもの受け口について、原因や治療法、その費用などをご紹介します。

子どもの受け口とは?1〜2歳でもなるの?

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受け口は、正式には「反対咬合(はんたいこうごう)」や「下顎前突(かがくぜんとつ)」と呼ばれ、下の前歯が上の前歯より前に出てしまい、噛み合わせが悪くなっている状態です。

1〜2歳頃の幼児でも受け口になることはあり、1歳半健診で受け口の可能性を指摘されるケースもあるようです。

受け口になると、しゃくれたような顔になり、口元がへの字になりやすいとされています。また、聞き取りにくい発音になったり、咀嚼がしにくくなる可能性があります。

しかし、体に重大な影響を及ぼすわけではなく、受け口でも健康に生活している人は多くいます。

子どもの受け口の原因は?遺伝?

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子どもの受け口になる原因は、遺伝的なものや環境的なものなどさまざまありますが、代表的なものとして以下のようなことがあげられます。

● 上の前歯が少し内側に傾斜して生えている
● 「上あごが小さい」「下あごが大きい」といった骨格に関する遺伝の影響
● 下あごを無意識に前に突き出したり、指しゃぶりをしたりする癖
● 口呼吸やほおづえ、うつぶせ寝などの生活習慣 など

子どもの受け口は治療が必要?いつから始めるべき?

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子どもの受け口は、乳歯の生え方が原因で起こることもあるため、永久歯に生えかわる段階で自然に治ることがあります。

一方で、小さいときに受け口がいったん治っても、成長するうちに下あごの骨が大きくなって、下の歯が再び前に出てくることもあります。

このように、子どもの受け口は成長と共に変化することがあるため、必ずしもすぐに治療をしなくてはいけないものではありません。

医師が「しばらく様子をみよう」と判断することもあれば「早めに治療を始めたほうが良い」と判断することもあります。

治療をする場合は、矯正装置で上と下の前歯を動かして正しい噛み合わせにします。開始時期は、6〜8歳頃が適しているとされています(※1)。

骨の成長具合や大きさによっては、下顎骨が過剰に発達するのを抑える、上顎骨の発達を促進するといった矯正をします。

子どもの受け口の治療費はどれくらい?

お金 計算機

子どもの受け口の治療にかかる費用は、子どもの症状や使われる矯正装置などによって異なります。

一般的な子どもの受け口の治療では、ワイヤーの矯正装置を歯に装着し、歯の傾きやねじれを矯正します。

費用の相場は、60~100万円ほどです。基本的に「顎変形症」などの病気と診断されない限り、健康保険は適用されません。

歯科によっても費用は異なるので、詳しくは医師に相談してみてくださいね。

子どもの受け口について悩んだら医師に相談しよう

受け口は、外見上の問題もあり、子どもが大きくなるにつれて本人が悩むこともあるかもしれません。治療するべきか悩んだときは、まずは歯科医師に相談してみましょう。

受け口の矯正のタイミングや治療方法は医師や歯科の方針によっても異なるので、複数の歯科を訪れてさまざまな意見を聞くのもおすすめです。医師や家族と相談しながら、納得できる治療方法を見つけていけるといいですね。

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