流産後の子作りはいつから?妊活の再開時期は?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。板橋中央総合病院、沖縄県立中部病院などを経て、現在は医療法人工藤医院院長。産婦人科専門医、周産期専門医として、産科・婦人科のいずれも幅広く診療を行って... 監修記事一覧へ

妊娠した女性が子供を産める確率は、残念ながら100%ではなく、現在の医療技術をもってしても助けられない命が数多くあります。流産をすると母体に様々な負担がかかることもあり、再び妊娠したい場合には、ある程度期間をおいてからの性行為が望ましいときもあります。それでは、流産を経験した後の子作りはいつからできるのでしょうか。今回は、流産後の子作り・妊活の再開時期についてご説明します。

流産後の子作りはいつから?

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流産後は、母体への負担が残っていたり、すぐに次の妊娠を考えられなかったりすることもあるかもしれません。一般的には約1ヶ月ほど心身の回復を見る必要があるとされています。

子作りをお休みする期間に厳密な制限があるわけではありません。夫婦生活を再開する時期については、それぞれの状況に合わせて医師から指示があるので、それに従って体を休めましょう。

ただし、生理(月経)が再開していないうちに次の妊娠をした場合、正確な妊娠週数や出産予定日がわからなくなることもあります。それを避けるためにも、流産後に生理がくるのを待ってから、子作りを再開することが望ましいでしょう。

体調などは個人差があるものなので、流産後の夫婦生活について医師から具体的な指示がなかった場合でも、きちんと質問をして相談することをおすすめします。

流産後すぐに妊活をしてもいいの?

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「流産したあとは、子宮の中が綺麗になるので妊娠しやすくなる」または、「流産したあとに妊娠すると、また流産する確率が高くなる」という話を耳にしたことがある人もいるかもしれません。

しかし、これらの情報を裏付ける統計的に有意なデータはありません。「いつから夫婦生活を再開すれば妊娠しやすい/流産しやすい」と一概には言えず、個人の体の具合によっても異なるので、主治医の指示に従いましょう。

流産した直後の子宮は、機能が完全に回復していない状態にあります。「早く赤ちゃんがほしい」と焦る人もいるかもしれませんが、まずは心身の回復を優先させることが大切です。流産後、少なくとも1~2回の生理を経てから妊活を再開しましょう。

なお、妊娠はするものの、流産や死産を繰り返す「不育症」の場合、自分やパートナーが何らかのリスク因子を持っている可能性もあります。かかりつけの産婦人科医に相談のうえ、詳しい検査を受けてみることをおすすめします。

流産後の子作りができないこともある?

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自然流産は、全妊娠のうち約15%の確率で起きています(※1)。流産の原因として考えられる異常が特になく、医師からの許可があれば、1〜2ヶ月後から子作りを再開できることが多くあります。

しかし、流産の原因が「胞状奇胎」などの病気だった場合、半年〜1年以上避妊して治療する必要性も出てきます。

胞状奇胎は、妊婦さんのうち約1,000人に1人の確率で起きる病気で、卵子と精子の受精の際に異常が起きることが原因だと考えられています(※1)。

胞状奇胎が見つかった場合、できるだけ早く子宮から掻き出す手術を行います。術後に胞状奇胎が残っていたり、子宮筋層にまで広がる「侵入奇胎」であることがわかったときには、hCGホルモンの経過を観察しながら薬による化学療法などを行うことになります。

化学療法と聞くと、将来的な妊娠・出産への影響が気になる人もいると思いますが、胞状奇胎が治り、最低でも半年ほど避妊したあとであれば、次の妊娠をすることは可能です。また、妊娠したときに赤ちゃんに悪影響を及ぼすことはないとされています(※2)。

これは一つの例ですが、流産の原因や心身の状態は人それぞれなので、流産後の子作り・妊活の再開タイミングについては担当医やパートナーとよく相談しましょう。

流産後の子作りは、心身が回復するまで焦らずに

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「流産したあと、いつから子作りを始めていいの?」と気になっている人も多いと思いますが、期間に関して厳密なルールがあるわけではありません。特に病気などがなければ、多くの場合、生理が再びきたあとは夫婦生活を再開することができます。

「できるだけ早く子供を授かりたい」と急ぐ気持ちもあるかもしれませんが、まずは自分の心と体にじっくり耳を傾け、家族や医師とも相談しながら、妊活を再開する時期を決めましょう。

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