これまでも制度上はパパも育休取得が可能でしたが、職場の環境や経済的事情から諦めていた家庭が多いのが事実。
そこで昨年成立した、誰もが働きながら育休を取りやすくするための改正育児・介護休業法がいよいよ今年から施行されます。
この改正により育休制度がどのように変わるのか、知っておきたい3つのポイントをご紹介します(※1)。
ポイント①
産後休業中に男性も育休が取得しやすくなる

出産日から8週間以内に4週間の育休を取得できる、「出生時育児休業」(産後パパ育休)が新たに作られました。
従来の制度でも男性の育休取得は可能でしたが、より柔軟な新制度の特徴は以下の3つです。
従来の制度は育休取得の申請期限が1ヶ月前ですが、新制度は原則2週間前。
出産予定日が早まった場合でも、産後すぐから育休に入りやすくなります。
2. 最大4週間の育休を2回に分割して取得可能
2回に分割して取得できるため、仕事の都合でまとめて4週間休めない場合でも、育休取得を諦めなくてよくなります。
ただし分割する場合は、1回目の取得の際に2回分まとめて申し出る必要があります。
3. 育休中も一定量働いてOK
従来の制度では原則就業NGですが、新制度では本人と会社との合意のうえで、定められた範囲内で仕事をして収入を得ることが認められます。
なお規定の範囲内の就業であれば、従来の育休制度と同じく賃金の67%が支給され、社会保険料も免除されます。
施行される時期
2022年10月1日から施行されます。
10月1日より前に出産した場合は?
施行日より前に子どもが生まれ、現行のパパ休暇または育休を取得している場合でも、生まれてから8週間以内であれば「出生時育児休業」を取得できます(※2)。
ただしパパ休暇と出生時育児休業で合計28日間までなので、たとえば9月1日に出産しパパが10日間のパパ休暇を取得していた場合、10月1日から取得できる出生時育児休業は18日間までとなります。
ポイント②
分割して2回まで育休取得が可能に

▲赤の矢印が新たにできるようになることです
これまで原則として、子どもが1歳になるまでの間に育休取得は1回のみでしたが、夫婦ともに分割して2回まで取得できるようになります。
出生時育児休業と従来の育休制度を両方利用する場合には、計4回に分割して取得可能です。
繁忙期を避けて取得期間を調整したり、夫婦で育休の時期をずらして交代できる回数が増えたりなど、仕事と両立しながら育休を取りやすくなります。
施行される時期
2022年10月1日から施行されます。
10月1日より前に出産した場合は?
施行日より前に子どもが生まれてパパ休暇を取得している場合、10月1日以降パパは育休を分割して2回取得できます。
すでに現行の育休を取得している場合、子どもが1歳以内であれば10月1日以降に再度申請することで2度目の育休取得が可能ですが、分割して取得はできません(※2)。
ポイント③
雇用形態に関わらず育休が取れるように
育休の取得条件から「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であるもの」という要件が削除されます。
この変更により、男女ともに契約社員やパートなど非正規雇用者も育休取得が可能になります。
ただし、労使協定により1年以上雇用されていることが引き続き条件となることもあるので、注意が必要です。
施行される時期
2022年4月1日から施行されます。
パパとママが一緒に子育てできるように

今回の改正では他にも、育休取得しやすい環境・制度の整備や、育休取得の意向を本人に確認することを企業に対して義務化。また社員数1,000人超の企業に対して、育休取得率の公表を義務付けました。
夫婦で子育てしやすい社会へ一歩進むこの機会に、ぜひパートナーと育休について話し合ってみてくださいね。