離乳食から幼児食に移行し、手づかみ食べで目・手・口の協調運動を経験しながら、最初の食具、スプーンを並行して練習します。
まずはスプーンに慣れ、「すくう」動作ができるように練習していきましょう。今回は、1歳からのスプーン食べの練習にぴったりな幼児食レシピをご紹介します。
スプーンの練習で「ひと口分」の量を知る
スプーンの練習は、食べ物を上手にすくうだけでなく、ひと口分を口に入れ、唇で押さえながら食べ物を引き抜く練習でもあります。
スプーンより先にフォークを使うと、ひと口分以上の量が口に入ったり、しっかり唇を使わずに食べてしまうので、注意が必要。
まずはスプーンに慣れてから、フォークですくったり刺したりする練習をしましょう。
スプーンで食べやすい調理の工夫を
まだスプーンですくうことに慣れていない時期には、スプーンで食べやすい調理の工夫をしましょう。
スプーンにのるサイズ
食材は、スプーンにのりやすいひと口大のコロコロとした形状に。
とろみですくいやすく
ヨーグルトやゼリーのように、汁物もとろみをつけるとすくいやすく、飲み込みやすい。
1歳からのスプーン食べの練習にぴったり!
ごはん&おかずのレシピ
ツナミルクピラフ
材料(作りやすい分量)
※子ども1人分は茶碗1杯程度です
- 1米はといでザルにあげて水をきり、鍋に入れて水を加え、30分浸す。
- 21に牛乳、塩、サラダ油、ツナ(汁ごと)を入れて混ぜ、凍ったままのミックスベジタブルをのせてふたをする。強火にかけ、沸騰したら弱火にして17分炊く。10分蒸らして混ぜる。
- 3茶碗に入れて形を作ってから皿にあけ、半分に切ったミニトマトを添える。
常備品を使って簡単にでき、栄養バランスもよい炊き込みごはん。立ち上がりのある皿に盛りつければ、スプーンで食べる練習におすすめです。
鶏と野菜のサイコロスープ
材料
- 1鶏もも肉、玉ねぎ、かぼちゃ、赤パプリカ、ズッキーニはすべて1cm角に切る。
- 2鍋に水、だし昆布を入れて火にかけ、沸騰したら1を入れてふたをし、やわらかくなるまで煮る。塩、しょうゆで薄味をつける。
- 鶏もも肉が食べにくい場合は取り出してさらに刻んでもよい。
具をスプーンにのせる大きさに切りそろえ、昆布だしで煮るだけの簡単スープ。麺やごはんを加えたり、みそで味を変えるなど、いろいろアレンジできます。
高野豆腐そぼろのビビンパ風混ぜごはん
材料
- 1高野豆腐をぬるま湯に浸して戻し、みじん切りにする。小鍋に水、しょうゆ、砂糖を煮立たせ、高野豆腐を入れて弱火で煮汁がなくなるまで煮る。
- 2薄切りにしたにんじんを水からゆで、やわらかくなったらほうれんそうを入れて、ほうれんそうがやわらかくなるまでゆでる。ザルにあげて軽く水洗いし、にんじんは短いせん切り、ほうれんそうはみじん切りにする。
- 31に2とごま油、塩、白すりごま、ごはんを混ぜる。
乾物には栄養価が高いものが多いので、ぜひ活用したいもの。高野豆腐は高タンパク、低脂肪でカルシウムや鉄分も豊富。刻めばスプーンでも食べやすく、薄味で煮ればお肉代わりに重宝します。
金時豆と野菜のトマト煮
材料
※湯にだし昆布2cm角程度を浸して冷ましたもの
- 1鍋にオリーブオイルを熱し、1cm角に切った玉ねぎ、ズッキーニ、黃パプリカを炒める。
- 2だし汁、トマト水煮、金時豆、塩、しょうゆ、砂糖を入れてやわらかくなるまで煮たら、水で溶いた薄力粉を入れ、とろみをつける。
- 乾燥豆のゆで方
豆は水に約4時間浸す。水をきり、鍋に豆とたっぷりの水を入れてふたをし、強火にかける。沸騰したら火を弱め、やわらかくなるまで約20分(圧力鍋の場合は約7分)ゆでる。
金時豆はまとめてゆでておくと、甘煮やおかずの具材に使い回せて便利。水溶き小麦粉でとろみをつけることで、スプーンで食べやすく仕上げています。薄めてスープしたり、ごはんやパスタにかけたりしても。
シーフード入りクリームシチュー
材料
※アサリ、エビなど
- 1耐熱容器にバターと薄力粉を入れ、電子レンジで約30秒加熱して溶かす。牛乳を少しずつ加え混ぜ、さらに約50秒加熱してとろみをつける。
- 2小鍋に分量の水と1cm角に切ったじゃがいもを入れて火にかけ、やわらかくなったら解凍して細かく刻んだシーフードミックス、ミックスベジタブルを加える。1と塩を加えて弱火で煮て、沸騰直前で火を止める。
簡単にできるホワイトソースでとろみづけすれば、スプーンですくいやすく、食べにくい具もおいしく食べられます。シーフードミックスは噛みにくいので細かく刻み、飲み込みやすいメニューに混ぜて使いましょう。
汚してもよい環境を用意してあげましょう
初めは上手にスプーンを使えず、食べこぼしが多くなります。汚れるのを気にし過ぎたり、子どものやり方をさえぎってしまうとストレスになることも。
スプーンの練習をするときは、床に新聞紙を敷いたり、こぼしても洗いやすい食事用エプロンを着けるなど、汚してもいい環境を整えてあげましょう。
● 食物アレルギーの診断を受けている、または疑いのある場合は必ず医師と相談のうえ進めてください。
● 具材が大きい場合は、食べやすいサイズに調整してください。
● レシピの食材は旬のものや自宅にあるものに置き換えてもかまいません。(ただし、この時期に食べられる食材かどうかチェックしましょう)。
レシピ・記事提供:「まいにちの手を動かす食事で、すくすく育つ 1〜3歳発達を促す子どもごはん」(日東書院本社)