肌で触れ合うお風呂は親子のリラックスタイム。でも実際には、泣かれて困ったり、バタバタと余裕がなかったりするママも多いかもしれませんね。今回は、小児科医の杉原加寿子先生にお風呂を楽しむコツと安全対策について伺いました。
杉原加寿子先生
杉原小児科内科医院院長。小児科学会専門医、こどもの心相談医。「子育て支援は親育て」をモットーに、母親支援を大切にした診療をしている。
お風呂は親子にとっていいことがいっぱい
お風呂は体の汚れを落とし清潔にするだけでなく、子どもにとってさまざまなメリットがあります。
湯船に入って温まることで、新陳代謝が活発になり、寝つきが良くなります。
また、裸で肌を触れ合うことで、子どもはもちろんパパやママのリラックスにもつながります。一日子どもと過ごして疲れていても、一緒にお風呂に入ってギュッと抱きしめると疲れが吹っ飛ぶというママも多いのでは?
そして、お風呂の前後に、一日一回裸の状態をチェックできるので、肌にブツブツはないか、どこかにけがや打ち身がないかなど、子どもの小さな変化にも気づくことができます。
親子で一緒に体を洗い、「耳の後ろまでしっかり洗おう」「おまたはこうやって洗うんだよ」と教えていくことで、子どもは自分の体に興味を持ちます。
自分の体を大切にしようという意識や、自分は親に大切にされているんだという認識も、お風呂で育てることができるのです。
お風呂は楽しい場所と思える演出を
お風呂を嫌がったり泣く子もいますが、時期が来たら楽しく入れるようになると気楽に構えましょう。
パパやママが怖い顔をしていると子どもは不安になります。服を脱ぐ時からゲーム感覚にしたり、お風呂でしか遊べないおもちゃを用意したりするのもいいですね。
「湯船にちゃんとつかると気持ちいいね」「きれいになってうれしいね」とメリットを言葉にして声をかけましょう。
お風呂の安全対策・事故防止対策
5歳以下の溺れる事故の多くは浴室で起きています。子どもは10cmの水の深さで溺れることがあります。これぐらい大丈夫と過信しないことが大切です。
お風呂に入るときや水遊びをするときは、わずかな時間も目を離さないこと。親がシャンプーをしている際は、湯船ではなく洗い場で遊ばせましょう。
また、お風呂の水を張ったままにしないこと。子どもが落ちて溺れる事故が多発しています。蓋をはずしてのぞき込んだり、上に乗って落ちることがあります。水を張っているなら、浴室にカギをするなど子どもが入れない環境づくりを。
掃除の洗剤などは触れない場所に片づけます。お風呂グッズは素材や形状など、安全性を見極めて選びましょう。
子どものお風呂Q&A
Q. 温泉にはいつから入っていいの?
A. 沐浴の時期が終われば基本的にはOKですが、赤ちゃんの負担にならない泉質を選ぶようにしましょう。おむつが外れていないとNGな温泉もあるので事前に確認を。浴槽内の転倒には十分に注意しましょう。
Q. 入浴剤は使ってもいいの?
A. できれば子ども用の刺激の少ない入浴剤を選び、シャワーで流して肌に残らないようにしましょう。
小さいうちはパパママ連携で
お風呂は親子の貴重な時間。パパがとママで協力して入れましょう。お風呂につかる担当は時に入れ替えるのがおすすめです。
ママ1人できょうだいを入れる場合は、赤ちゃんを目の届くところに。お風呂の近くに赤ちゃんを座らせたバウンサーなどを移動させ、まず上の子を洗うなど、子どもから目を離さないように工夫しましょう。
どちらかが泣いたりグズッたりしても、焦らず声をかけながら対応してくださいね。
出典:miku 49号 2017年夏号
※掲載されている情報は2017年7月25日当時のものです。一部加筆修正しています。
絵本ナビ編集部