合成黄体ホルモン剤の「デュファストン」は、一定期間、適切な量を飲み続けることで効果を発揮します。しかし、うっかり飲み忘れてしまったときには、どうすればいいのでしょうか?今回は、デュファストンを飲み忘れたときの影響や、飲み方の注意点についてご説明します。
デュファストンの飲み方は目的によるの?
デュファストンは、女性ホルモンのひとつである「黄体ホルモン(プロゲステロン)」を補う作用がある合成黄体ホルモン剤です。
いくつかあるホルモン剤のなかでも、「排卵の抑制」や「お腹の赤ちゃんの男性化」といった作用がないため、不妊治療中の女性から妊婦さんまで幅広く処方されています(※1)。
デュファストンには、主に次のような効果が認められています(※1)。
● 生理不順や無月経の改善
● 黄体機能不全による不妊の改善
● 子宮内膜症の症状の改善
● 切迫早産・流産の予防
デュファストンを飲む量や期間は、目的によって異なるため、医師の指示に従って正しい飲み方を守ることが大切です。
デュファストンの飲み方の注意点は?
デュファストンの成分を体に取りこむときに肝臓に負担がかかるため、もともと重い肝障害・肝疾患のある人がデュファストンを服用すると症状がさらに悪化するリスクがあります。肝臓の持病がある人は、服用前に必ず医師に伝えましょう(※1)。
また、頻度はまれですが、デュファストンを飲んだあとに吐き気や食欲不振、嘔吐など、消化器系の副作用が現れることもあります(※1)。
少しでも体調不良を感じたら、デュファストンを処方してもらった医師に相談し、飲み方を変えるなど検討してみてくださいね。
デュファストンを飲み忘れたらどうする?
もしデュファストンを飲み忘れてしまったら、「気づいたタイミングですぐに服用する」のが基本ですが、すでに次の服用時間が迫っている場合、2回分の量を一度に飲むと副作用が強くなる恐れもあるので、「飲み忘れた分は飛ばし、次の服用タイミングから再開する」方がいいこともあります。
デュファストンの飲み忘れに気づいたときに、どちらの対処法を取るべきか迷うことがあったら、自分で決めずにかかりつけの医師に確認してみましょう。
デュファストンの飲み忘れによる影響は?
デュファストンを1回分飲み忘れたからといって、その周期における効果が全てなくなってしまうとは言い切れません。
デュファストンを飲み忘れると「効果がなくなるのでは?」と心配になるかもしれませんが、そこまで焦る必要はありませんよ。
ただし、当初作られるはずだったホルモンバランスが少し変わり、生理のタイミングがずれるといった可能性はあります。また、飲み忘れが続いてしまうと、効果がきちんと発揮されない場合もあります。
連続で飲み忘れてしまったり、時間がばらばらになってしまったりと、正しい飲み方で飲めないことが続いたときは、医師に相談してください。
デュファストンの飲み忘れを防ぐ工夫を
デュファストンを服用しているときに、うっかり旅行先に持っていくのを忘れてしまったり、ランチのあとに飲み忘れたまま夕方を迎えてしまったり…という可能性は誰にでもあります。もし飲み忘れてしまっても、焦って自己判断で飲み方を変えるのではなく、まずは担当医に対処法を相談してください。
デュファストンの飲み忘れを防ぐために、「携帯電話のアラームで服用時間を設定しておく」「毎日見る場所にメモを貼っておく」など、リマインドをする工夫をしましょう。また、パートナーと不妊治療に取り組んでいる場合には、「もし私が飲み忘れていたら、教えてね」と協力をお願いするのも良いかもしれませんね。