妊婦さんが知っておきたい新型コロナウイルスの基本情報

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

現在、世界で感染が広がっている新型コロナウイルス。「家族に感染の疑いが出たら?」「お腹の赤ちゃんへの影響は?」など、不安に感じる妊婦さんも多いかもしれません。

しかし、現時点(2020年3月4日)で、新型コロナウイルスによる胎児障害の報告は出ていません(※1)。

基本的な予防策をしたうえで、過度に心配しすぎず、できるだけリラックスして過ごしていけるといいですよね。今回は、妊婦さんが知っておきたい新型コロナウイルスの基本情報について、厚生労働省から発表されている情報を元にお伝えします。

新型コロナウイルス感染症とは?

疑問 はてな ?

「新型コロナウイルス感染症」とは、ウイルス性の風邪の一種です(※2)。主な症状として、発熱や喉の痛み、長引く咳、強い倦怠感があげられます。

上記の症状だけでは一般的な風邪とそれほど変わりませんが、新型コロナウイルスにかかって重症化すると肺炎になるケースもあります。特に高齢者や基礎疾患のある人は重症化しやすいため、注意が必要です。

潜伏期間は1〜12.5日(多くは5〜6日)とされています(※1)。

妊婦さんができる感染予防対策は?

画像の取得に失敗しました。画像IDを確認してください。

妊娠中は体調の変化や生まれてくる赤ちゃんのことなど、何かと不安を感じやすいですよね。そんなときに、「新たな感染者が出た」「マスクが売り切れ・品薄になっている」といったニュースを聞くと、余計に不安を抱いてしまうかもしれません。

でも前述の通り、これまで新型コロナウイルスによる胎児障害の報告は出ていないため、必要以上に心配しすぎないことが大切です。

まずは、下記の基本的な感染症予防策を徹底して、健康的な妊娠生活を過ごしていきましょう

ウイルス感染を防ぐための予防対策手をよく洗う
人混みを避ける
十分な睡眠をとる
栄養バランスのよい食事をとる
適度な運動をする

どれも基本的なことですが、徹底して行うことで新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザや風邪といった感染症の予防にもつながります。ぜひ家族全員で実践してくださいね。

妊娠中に家族に新型コロナウイルス感染の疑いが出たときは?


女性 メモ カレンダー

妊娠中に家族に感染の疑いが出た場合、最も重要なのは、妊婦さんは感染が疑われる家族のお世話をしない(※1)ということです。

また、妊婦健診などで病院やクリニックへ行く予定がある場合は、事前にかかりつけの産婦人科に連絡をして家族に感染の疑いがあることを伝え、指示に従うようにしましょう。

もし妊婦さんに新型コロナウイルス感染の疑いが出たときは?



妊婦 お腹 手

万が一、妊婦さんに感染の疑いが出た場合でも、焦らず冷静に対処しましょう。

新型コロナウイルスの感染の疑いとして下記のような症状がある場合は、保健所などに設置されている「帰国者・接触者相談センター」
に問い合わせてください(※1)。

・風邪の症状や 37.5度以上の発熱が2日以上続く場合
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合

発熱に関して、一般的には「37.5℃以上の発熱が4日以上続いている」とされていますが、妊婦さんをはじめ、高齢者や基礎疾患などがある人は「2日以上」なので注意してください。

不安や疑問があるときは、まずかかりつけの産婦人科に確認!

女性 スマートフォン スマホ 調べる

新型コロナウイルスの影響により不要な外出は控えるようになどといわれているため、妊婦健診で病院やクリニックへ行くことに不安や疑問を感じている妊婦さんもいるかもしれません。

しかし、自己判断で妊婦健診の受診をやめないようにしてください。

不安や疑問があるときは、かかりつけの産婦人科に連絡をしましょう。病院やクリニックによっては、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための対策として、受診前の検温や付き添いの制限などを実施しているところもあります。

また前述の通り、家族に感染の疑いがあるときは、受診前に必ず連絡をして指示に従ってください。

信頼できる情報を得て不安になりすぎないことが大切!

ラベンダー 風景

日々、新型コロナウイルスに関する様々な情報が飛び交っているため、妊婦さんは不安に感じることも多いですよね。

でも、入ってくる情報を全て鵜呑みにするのではなく、厚生労働省や日本産婦人科感染症学会のサイトなど、信頼できる媒体から情報を得ることが大切です

さらに今回ご紹介したように、基本的な感染予防策を徹底すること、もし家族や妊婦さんに感染の疑いが出たときはどうしたらいいかを知っておくことで、不安な気持ちも和らぐはずですよ。

生まれてくる赤ちゃんのためにも、感染症予防対策をしっかり行って、残りのマタニティライフを健康的に送っていけるといいですね。

厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」

一般社団法人 日本産婦人科感染症学会「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について 妊娠中ならびに妊娠を希望される方へ 第6版」

厚生労働省「新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター」

こそだてハックに「いいね!」して情報を受け取ろう