夫婦で妊活をしよう!と思ったときに、男性が勃起しないとなると、どうしてよいものかわからなくなってしまいますよね。女性としても悲しく感じますが、男性にとっては相当大きな衝撃で、自信を喪失してしまう人も多くいます。男性が勃起しない「インポテンツ」は、何が原因でなってしまうのでしょうか?治療法や、自分でできる対処法はあるのでしょうか?
インポテンツとは?
インポテンツとは、性交に必要な、十分な勃起が得られない、あるいは維持できないといった勃起不全の状態を指します。男性不妊の原因のひとつで、最近では、ED(Erectile Dysfunction)とも呼ばれています。
そもそも勃起とは、男性の陰茎の中にあるスポンジのような海綿体に、血液が一気に流れ込むことによって起こります。きっかけとなるのは性的刺激ですが、勃起を起こすためには、血管を拡張させる「サイクリックGMP」という物質も必要になります。
しかしこれとは逆に、海綿体のなかには勃起を抑える「PDE5」という酵素も存在します。この二つの物質のバランスが崩れると、勃起が保てなくなり、インポテンツになるといわれています。
インポテンツは、40代が20%、50代が40%、60代が60%と年齢を重ねるとともに発症率が高まり、国内では、推計1130万人もの男性が悩んでいるともいわれています(※1,2)。
インポテンツになる原因は?
インポテンツになる原因には、下記のようなものがあります。
心因性
精神的な理由で勃起が妨げられている状態を指します。一度性交に失敗したことなどに対する不安が原因となることもあれば、性交や夫婦の問題とは全く関係なく、仕事や対人関係などのストレスが原因となることもあります。
器質性
糖尿病・うつ病・高血圧・慢性腎臓病などの疾患が原因となり、勃起できなくなっている状態です。病気以外にも、喫煙習慣や肥満、運動不足なども原因となります。
また最近の研究では、特定の薬物が原因になったり、心因性と器質性が同時に現れたりすることもわかっています。
インポテンツの症状は?
インポテンツの症状は、勃起ができないこと、あるいは勃起が十分に持続しないことです。症状の重さによって、軽度、中等度、完全と、3段階にわけられます(※3)。
軽度のうちは勃起できないのも時々で、性交ができることも多いのですが、放っておくと症状がひどくなり、まったく勃起ができない状態になることもあります。
また、マスターベーションでは勃起や射精ができても、性交時にうまくいかない場合はインポテンツの可能性が疑われます。
インポテンツの治療法は?
インポテンツの治療には、以下のような方法が採用されています。
心因性の場合
行動療法や心理療法で、心理的な要因を取り除くことを試みます。効果が十分に得られなければ、バイアグラ、レビトラ、シアリスなどの薬物療法に切り替えることもあります。
器質性の場合
原因となっている疾患がはっきりしていれば、まずはその治療を行います。原因となっている疾患の治療が終わったら、バイアグラ、レビトラ、シアリスなど、勃起不全に効果のある薬を服用します。
また、降圧剤や抗うつ剤、抗アンドロゲンなどの薬にはインポテンツを引き起こす作用があるため、医師と相談しながら、薬の服用を中止するなどして様子を見ることがあります。
自分でできるインポテンツの対処法は?
インポテンツは、生活習慣によって生じることもあります。自分でできる対処法として、生活習慣の改善に取り組むのもおすすめです。
禁煙する
喫煙は血液の流れを阻害することでインポテンツの原因となりますし、精子にも悪影響を及ぼすことがあります。喫煙の習慣がある人は、できるだけ禁煙するようにしましょう。
ストレスを溜めすぎない
仕事などのストレスはもちろんですが、「性交をきちんと行わなければ」「早く赤ちゃんを授からなければ」など、性交に対するプレッシャーも、インポテンツの原因となりえます。
性交を義務と捉えず、リラックスした、自然な夫婦生活を心がけましょう。妊活中にインポテンツになってしまった場合は、少しだけ妊活をお休みしてもいいかしれません。
インポテンツは焦らず対処しよう
インポテンツは、精神的な原因でも起こってしまうデリケートな症状です。インポテンツになると焦ったり、不安に感じたりすることもあるかもしれませんが、きちんと治療を行えば回復も早いものです。
症状が続くようであれば一度、泌尿器科などを受診することをおすすめします。原因となる疾患が見つかればその治療にあたれますし、特に病気がないとわかれば安心ですよね。
妊娠を希望している場合、プレッシャーもあるかもしれませんが、時間をおくことも大切かもしれません。インポテンツは男性だけの問題ではないので、一度夫婦で話し合い、協力して改善に取り組めるといいですね。