小さい頃左利きだったパパやママのなかに、右利きに矯正したという人もいるのではないでしょうか。自分の子供が左利きだったら「矯正したほうがいいのかな?」と思うかもしれません。そこで今回は、子供の左利きを矯正してもよいのか、悪影響はあるのか、左利きのメリットはないのかなどをご説明します。
そもそも子供の利き手って?
利き手とは、左右にある2つの手のうち、優先的に使うほうの手をいいます。物をとろうとするときに無意識的に使うのが利き手ですね。
生後6ヶ月~1年を過ぎた頃から手を頻繁に動かし始めるようになるので、頻繁に使われる手に偏りが出て2~3歳頃までに利き手が固定するとされています。
利き手が左利きの人の割合は約10%で、家族に左利きの人がいる方が、子供が左利きになる確率は高いといわれています(※1)。
左利きかどうかを判断する方法は?
子供の利き手が右か左かを判断するには、日頃の動きを観察することが大切です。子供の利き手が決まってくる4歳頃になったら、子供が物をとろうとしたり絵をかいたりするときに、どちらの手を優先的に使っているのか見てみましょう。
なかには文字を書くときは左手、箸を持つときは右手と、両方を使う両利きの子供もいるので、次のような複数のシチュエーションで観察しながら、時間をかけて判断してくださいね。
● ボールを投げるとき
● スプーンやフォーク、お箸を使うとき
● 食べ物をとるとき
● おもちゃをとるとき
● 転びそうになって、とっさに手を出すとき
左利きを矯正してもいいの?デメリットは?
世の中の多くのものが右利き用に作られているので、左利きのままだと不便が多いことから、右利きに矯正する人もいます。
たとえば、電車の自動改札機は右側に切符口やICカードをかざす場所があり、左手では通過しづらくなっています。幼稚園や小学校でも使うハサミも、右利き用につくられたものがほとんどで、左手では切りにくくなります。
不便さを感じる前に、左利きを矯正してあげたいと思うママやパパも多いですよね。しかし、「左利きを矯正しないほうがいい」という意見もあります。
左利きの矯正で悪影響があるの?
左利きの矯正では、矯正方法によっては悪影響を及ぼすことを知っておく必要があります。左利きの子供の利き手を無理に矯正することが、子供に精神的なストレスを与えてしまう可能性があるからです。
子供が左手を使うときに怒鳴ったり、体罰を与えてしまったりするなど、親が強引に矯正することで、子供に精神的なストレスがかかり、親子の関係が悪化することもあるかもしれません。
左利きの矯正を行うかは親次第ですが、子供の気持ちを大切にしてあげられるといいですね。
左利きをうまく矯正する方法は?
左利きを矯正するときは注意が必要ですが、子供が将来不便を感じないように矯正してあげたいと考えるのも親心。左利きの矯正を行うときは、無理に矯正するのではなく、ストレスを感じさせないように、楽しみながら行えるといいですね。
右手で箸を上手に使えたら褒める、右手だけを使ったゲームで遊ばせるなど、右手を使うことにポジティブなイメージを持たせるようにすることが肝心です。たとえば、ボールを使った遊びや手遊びをしたり、カルタを取る手を右手にしたり、遊びの中で取り入れていきましょう。
うまくできないときも、叱ったり、イライラしたりしないように、おおらかな気持ちで気長に取り組んでください。
左利きのメリットは?
利き手が左利きだと不便ばかりのように感じるかもしれませんが、メリットもあります。たとえば、身近にある様々なものが右利き向けに作られているので、左利きの子供でも、右手を使うシーンが多くなり、右手が比較的器用になります。
野球やサッカー、ボクシングなどのスポーツや、楽器の演奏でも、左利きの方が有利に働くこともありますよ。
左利きの矯正が必要かは子供の気持ちも考えてあげよう
最近では左利き用の商品も増えて、以前より左利きが不便だと感じる機会は減ってきています。不便を感じる機会はあるかもしれませんが、右利きの人が多い中で左利きになったというのも、その子の個性の一つです。
子供の感情も考えてあげながら、利き手を矯正するかどうか判断してあげてくださいね。