縄跳びの前跳びがなかなかできなくて、苦手だという子も多いのではないでしょうか。大人もいざ教えるとなると、うまく伝えられなくて悩みますよね。
今回は日本なわとびアカデミー代表を努める縄跳びのエキスパート、「縄のまっちゃん」こと粕尾将一さんに聞いた、前跳びのコツや子どもに教えるときのポイントを【前編】【後編】にわけて紹介します!
粕尾将一さん
意外に知らない?!縄跳びの基本をチェック!
縄跳び上達のためには、正しい準備が必要です。まずは以下の3つをチェックしてみましょう。
縄跳びは「質量・硬さ・太さ」で選ぶ
◎:ビーズロープ
◯:ビニール製
✕:布製
縄選びは、軽すぎたり、柔らかすぎたり、太すぎたりすると、子どもにとっては回しにくく、なかなか跳べるようになりません。幼稚園などで使う布製の縄は「軽くて、柔らかくて、太い」ので、避けたほうがいいでしょう。
一般的なビニール製の縄は、おおむね跳びやすいのですが、子どもによっては軽すぎる場合も。本格的に苦手を克服したい場合は、日本なわとびアカデミーが販売している「ビーズロープ」がおすすめ。跳びやすい縄の条件を考えて作られていますよ。
握り方のコツは「リモコン持ち」
◎ 正しい持ち方
◎ 親指をリモコンのボタンを押すように少し立てる
正しい握り方は、「リモコン持ち」と子どもに伝えてみましょう。適度に力が抜けて縄を回しやすくなります。
✕ 誤った持ち方
✕ ギュッとグーにして持つ
✕ 持ち手の端っこを持つ
上記のような持ち方は縄に力が伝わりにくく、回しにくくなったり、縄を落としやすくなったりしてしまうのでやめましょう。
跳びやすい長さは肘90度
縄の長さは、以下のように調整しましょう。
① 両足で縄を踏んで手を横に広げる
② 肘を90度に曲げた長さに調整する
余った縄はハサミで切り、必ず付属の白いストッパーで留めることが大切。持ち手の中に無理に押し込んでしまうと、縄の回転が悪くなって上達を妨げるだけでなく、縄が切れやすくなってしまいます。
専門家に聞いた!
前跳びができるようになる5ステップ!
縄跳びで特に重要な要素は、「ジャンプ」と「バランス」。ジャンプしたときに体が空中に投げ出されるので、バランス感覚も必要なんです。
また、縄跳びが苦手な子はそもそも体を動かすこと自体が苦手なことも。以下を参考に、ひとつひとつの動作や感覚を身につけることからはじめてみましょう!
①両足でジャンプ・着地をする練習
● 縄跳びを大人と一緒に2人跳び
● 大縄跳び
● 縄を地面に2本置いて走り跳び越える
● 縄跳びを地面に円のように置いてその中で連続ジャンプ
上記のような遊びを一緒にしながら、基本となるジャンプを練習します。「両足が揃って空中にあるか」「両足揃って着地できるか」を見ましょう。
②手と足を別々に動かそう!
● ジャンプをしながらリズムよく手を叩く
● 腰に手を当ててジャンプ
● 縄跳びを持ったままジャンプ
「跳ぶこと」と「縄を回すこと」をリズムよく交互に行えることが重要。
よく、ジャンプと縄を回す動作が同時になったり、手を上げたりして、引っかかってしまうことはないでしょうか。
そんなときは、手だけは別のことをする練習や、跳ねながら手の位置を固定する練習が有効です。
③マントの姿勢で回してみよう!
縄跳びを持った手を肩の位置で構える「マントの姿勢」ではじめます。「マントで準備!」と声掛けしましょう。
子どもが上手く縄を回せない原因は、手首を回転できていないことにあるそう。マントの姿勢ではじめると、自然と手首が回転するといいます。
マントで構えられたら、縄を大きく足元まで回します。回すことだけに集中しましょう。
④腕を動かさずにジャンプ!
「マント→回す」ができたら、いよいよジャンプして縄を跳び超えましょう!両足でジャンプを意識してください。ジャンプするときに手が上がらないように注意しましょう。
⑤マント→回す→ジャンプをリズムよく!
「マント→回す→ジャンプ」を一緒に声に出しながら、リズムよく跳んでみましょう。
まずはゆっくり繰り返すことが大事。徐々にそれぞれの動作がスムーズになっていきますよ。焦ると「ジャンプ」と「回す」が一緒になってしまうので注意!
正しい練習方法で楽しく跳ぼう!
前跳びは最初からきれいに跳ぼうとせず、今回ご紹介した「マント→回す→ジャンプ」のリズムをしっかり守るところから始めましょう。段々とフォームも改善されていきますよ。
続く【後編】もお見逃しなく!
後編では、SNSで話題の練習方法と、子どもの縄跳びへのモチベーションを上げるコツを紹介します。【前編】に続き必見ですよ。
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