小学校で定番の宿題である「音読」。しかし音読が宿題に出る目的がわからず、なんとなくチェックをしている人は多いかもしれません。
そこで今回は、音読の目的や意外な効果、宿題の際に最低限チェックしておきたいポイントをご紹介します。
なぜ音読の宿題が出るの?
小学校で音読を宿題として出す目的は、大きく3つあります。
1. 内容を理解するため
音読が宿題に出る1つ目の理由は、国語の授業で扱った文章の内容を理解できているか確認するためです。
小学校低学年にとって、視覚だけで情報を得る「黙読」は難易度が高く、読んでいる内容を理解するのに時間がかかります。
視覚と聴覚を使って情報を得られる音読の方が、子どもにとっては文章の内容を理解しやすいのです。
2. 読解力を身につけるため
音読をするには、文の流れや切れ目を考えながら読むことが必要です。読んでいるうちに文章構造を理解して情報を読み解く力、つまり「読解力」を自然と身につけられますよ。
3. 伝える力を身につけるため
学校では、自分の考えや気持ちを発表したり、友達に伝えたりする機会が多くあります。その時に必要なのが「相手にわかりやすく伝える力」。
言葉の響きやリズム、まとまりを意識しながら音読を行うことで、相手に伝わりやすい話し方を身につける目的もあります。
声の大きさや表現の仕方も含め、音読を重ねることで自信を持って声を出せるようにもなっていきますよ。
音読は「記憶力アップ」の効果も!?
音読の宿題には前述のような目的がありますが、せっかく出された音読の宿題をなんとなくやっているのはもったいない!
実は音読には、「脳を活発化させる効果がある」という研究結果があるんです(※1)。
文章を声に出して読み、自分の耳で聞いて理解する音読は、「読む・話す・聞く」という3つのことを同時に行うので、複雑な脳の処理が必要になります。
そのため音読をすると脳の働きが活性化し、記憶力が向上するといわれていますよ。
繰り返し音読をすることで読んでいる文章の内容や言葉が頭に入りやすくなり、自然と語彙力アップにもつながっていきます。
音読はここを見て!宿題チェックポイント
音読の宿題は、何を確認すればいいのか分かりにくく、とりあえずスラスラ読めていたらOKとしてしまうことはありませんか?
子どもの音読が身になっているかを確認するには、以下の3つのことをチェックしましょう。
□ 文字一つひとつを追って読んでいないか?
□ 単語や文の途中で区切っていないか?
□ 音読を聞いたあとに、質問をして説明ができるか?
文章の内容を理解しているかは、音読を聞いたあとに「そのお話のどこがおもしろいの?」「どんなところが好き?」と聞いて確認してみるとよいですよ。
チェックポイントができていない場合は?
上記のポイントができていない場合は、以下のようなサポートをしてみましょう。
文章のまとまりを分かりやすくする
音読が途切れ途切れになったり、内容を理解できていなかったりする場合は、文章をまとまりとしてとらえることが苦手な可能性があります。
文節でスラッシュを入れて文章を区切ったり、「『、』で息継ぎをして、『。』まで一気に読んでみようね」と具体的にまとまりを伝えたりすると、子どもも読みやすくなりますよ。
分からない単語をなくしていく
分からない単語が多いことも、音読でつまずく原因です。大人でも、分からない単語がある文章をスラスラ読むのは難しいですよね。
詰まる文があれば「この言葉の意味はわかる?」と聞いてみてください。言葉の意味を丁寧に教えたり、一緒に辞書を使って調べたりしながら、分からない単語を徐々になくしていきましょう。
前向きな言葉をかける
人前で音読をする時に緊張してしまう子もいます。スラスラ読めていなくても「なんで上手に読めないの!」と叱ったり、何度も読み直しをさせたりしていると、音読がさらに苦手になってしまうことも。
リラックスして読めるようにするためにも、「いい姿勢で読めたね」「元気な声で読めたね」など、いいところを見つけて前向きな言葉をかけてあげることが大切ですよ。
音読で学習の基礎を身につけよう
音読の効果を高めるには、毎日続けることが大切です。宿題のチェックは大変かもしれませんが、少しの間だけでも子どもと向き合い、チェックポイントを意識しながら音読を聞いてあげてくださいね。