赤ちゃんがつかまり立ちをする頃になると、ママやパパの悩みの種として「たんこぶ」が出てきます。まだふらふらとしか立てないので、しょっちゅうどこかに頭やおでこをぶつけ、たんこぶを作ってくる我が子を見ると「痛くないのかな?」「自分の対処法で大丈夫なのかな?」と心配になることがあるかもしれません。今回はそんなママやパパのために、赤ちゃんにたんこぶができる原因や、たんこぶができてしまったときの処置方法などについてご紹介します。
赤ちゃんのたんこぶは、どうやってできるの?
たんこぶは、医学用語では「皮下血腫」といいます。頭を強く打つことにより、頭皮下の血管が破れてしまい、そこから流れ出た血液が溜まってできるものがいわゆる「たんこぶ」です。
赤ちゃんは他の体のパーツと比べて頭が大きく、転びやすくなっています。そのため頭をぶつけることも多く、たんこぶをよく作ってしまいます。
赤ちゃんのたんこぶができやすいのはどこ?
赤ちゃんがたんこぶを作ってしまいやすいのは、「立ち上がったとき」「よろめいたとき」「倒れたとき」です。前に倒れたときにおでこ、後ろに倒れたときに後頭部を打ちやすいので、まだ足元が不安定な時期は近くに危険なものがないかを確認し、大人がそばで見守ってあげてくださいね。
つかまり立ちをする頃になると、立つときやよろめいたときに頭をぶつけて、たんこぶができやすくなります。またお座りができる頃も、後ろに倒れてたんこぶができやすいので注意しましょう。転んでも頭やおでこを強打しないよう、柔らかいジョイントマットやラグの上で遊ばせてあげると安心です。
赤ちゃんにたんこぶができたときの対処法は?
頭やおでこに衝撃を受け、痛みを感じていることに対して、赤ちゃんは驚きつつ恐怖を感じて泣いてしまいます。
そんなときは、まずはすぐに抱っこして安心感をあたえてあげましょう。「大丈夫だよ」とやさしく声をかけてあげることも大切です。
そして、頭皮に外傷はないか、出血していないか、意識があるかどうかを確認してください。外傷もなく出血もしていない場合は、濡れタオルなどでたんこぶを冷やし、できるだけ早く腫れが治まるようにしてあげてください。
体を温めると血流が促進され、たんこぶが悪化してしまう可能性があるので、たんこぶができた日は入浴を避けるか、入浴するなら短時間にしておきましょう。
赤ちゃんにたんこぶができたら病院に行くべき?
頭をぶつけて、たんこぶができたからといって、すぐに病院に行かなければならないというわけではありません。しかし次に挙げるような症状が見られた場合には病院へ行きましょう。
皮膚からの出血が止まらない
ぶつけたことにより皮膚が切れると、頭から出血してしまうことがあります。
その場合は、ハンカチやタオルで圧迫しながら病院に向かってください。外傷部分が砂や土で汚れていたら、病院に行く前に水で洗い流してあげましょう。
赤ちゃんは体が小さく全体の血液量が少ないので、大人から見れば少なく感じる量の出血でも、赤ちゃんには大きな負担となってしまうことがあるので注意が必要です。
意識を失う
脳に強い衝撃が与えられたことが原因で意識を失ってしまった場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
そして、口や鼻に顔を近づけたり、胸の動きを見たりして呼吸しているかを確認してください。呼吸をしていないようなら、救急車が来るまでの間、心肺蘇生を行います。
泣き止まない・ぐったりとする・何度も嘔吐する
言葉を喋ることができず、意思疎通ができない赤ちゃんは、泣くことによって自分の身に起こっている非常事態を知らせようとします。頭を打った後いつまでも泣き止まない場合は、赤ちゃんの体に何らかの異変が起きている可能性があります。
また、ぐったりしていて反応が鈍かったり、目がうつろだったり、何度も嘔吐したりしている場合にも、頭を打ったことで脳内出血などを起こしている可能性もあります。見た目だけでは分からないこともあるので、病院を受診して検査してもらいましょう。
頭を打っても、たんこぶができず元気でいるようであれば、受けた衝撃がそれほど大きくなかったことが考えられます。しかし、たんこぶができなかったからといって安心はできません。
見た目には分からない異常が赤ちゃんの身に起こっている可能性もあります。赤ちゃんが頭を打ったときは、たんこぶができてもできていなくても同様に、赤ちゃんの様子をしばらく観察しておきましょう。
赤ちゃんのたんこぶは冷静に対処して
赤ちゃんがたっちからあんよを始めたばかりの頃は、頭をぶつけてたんこぶをつくるのはよくあることです。
たんこぶができて赤ちゃんが大声で泣きだすと、「自分のせいだ」「どうすればいいんだろう」と慌ててしまうこともあるかもしれませんが、冷静に赤ちゃんの様子を見ることが大切です。
たんこぶができること自体はさほど大変なことではないものの、いつまでも泣き止まなかったり、ぐったりしていたり、顔色が悪いなど、他にも変わった様子があったら、できるだけ早く病院を受診してくださいね。