この記事では、管理栄養士である中村美穂さん著『まいにちの手を動かす食事で、すくすく育つ 1〜3歳 発達を促す子どもごはん』より、子どもの食の悩みのひとつである、「よく噛まない」について紹介します。
記事提供:「まいにちの手を動かす食事で、すくすく育つ 1〜3歳発達を促す子どもごはん」(中村美穂著、日東書院本社)
食の悩み「よく噛まない」について
しっかり噛むことは、子どもの成長にとって大切なこと。そしゃくを促すような調理の工夫で、しっかり噛んで食べる習慣を身につけましょう。
ただし、かた過ぎたり大き過ぎたりすると食べにくさの原因になりますから様子を見て加減して。
おうちのかたが見本をみせ、
噛む習慣を身につけて
好き嫌いなどに比べると、比較的優先順位が低くなりがちな悩みですが、乳臼歯が生えそろう1〜3歳の時期こそ、「噛む」習慣を身につけることが大切。歯やあごの発育を促し、肥満予防のためにも重要です。
ただ、まだ噛むことや飲み込むことは大人のように上手にできなくて当然。「カミカミしよう」など大人が声かけしながら見本も見せて、促してあげることが大切です。
【CASE1】
口の中に溜め込んで、べーっと出す
なぜ?
食材の噛みにくさも原因に
少しは噛んだものの、飲み込めずにいつまでも口の中に残っていたり、吐き出したりするのは、食材のサイズが大きかったり、繊維がかたいなど食材の形状が子どもの歯の生え方や噛む力に合っていないことが考えられます。また、ひと口量が多過ぎる、味や食感が苦手というケースも。
これで解決!
切り方や加熱方法の工夫で、
食べやすく調理する
肉や野菜は、繊維を断つように切るとやわらかくなります。少し長めに加熱したり、噛みやすい大きさに切るなどして調整を。さらに、「カミカミ、ごっくんね」と声をかけ、大人がお手本を見せてあげて。
【CASE2】噛まずに丸のみする
なぜ?
噛む力が育っていないか、
料理がやわらかいのかも
よく噛まなくても食べられる料理が多いため噛む力が育っていないこと、奥歯が生えそろっていないためにまだ噛めないという理由も考えられます。噛まずにどんどん食べる早食いの場合は食べ過ぎる可能性も。
これで解決!
食材を丸のみできないよう
大きめ・かために調理
食材を丸のみできない大きさに切ったり、ややかために調理してそしゃくを促します。また、誤飲しないよう見守りながら、昆布やするめ、干しいもなど、噛むほどに味が出るものをおやつにあげて練習を。声をかけて噛むことを意識させましょう。