1歳頃を目安に、スプーンを持ちたがる様子がみられたり、ガラガラなど手に持つおもちゃを自分で持ち、手首でふることができるようになってきたら、スプーン&フォークを使いはじめてみましょう。
手の動きだけでなく唇や口の動きの練習にも
手づかみ食べで目・手・口の協調運動を十分経験しながら、最初の食具、スプーンも平行して練習します。最初は手全体で握りますが、指先に力が入るようになるにつれて持ち方が変わり、段階を経て、大人と同様の持ち方になります。
スプーンに慣れ、「すくう」動作ができるようになったら、フォークですくったり刺したりして食べる練習をしましょう。
スプーンの練習は、食べ物を上手にすくうだけでなく、ひと口分を口に入れ、唇で押さえながら食べ物を引き抜く練習でもあります。
いきなりフォークを使うと、ひと口分以上の量が口に入ったり、しっかり唇を使わずに食べてしまったりするので注意が必要です。
また、スプーンやフォークで上手に食べられるようになるのと同時に、片手で皿を押さえるなど両手を連動させて食べることもマスターしていきます。
スプーン&フォークと器の選び方
柄が太めで握りやすいもの
まだ手の動きがスムーズではない子どもの手でも握りやすい、太めのものを選んで。
ステンレス製でフチが薄いもの
スプーンの場合は薄いほうが食材をすくいやすく、フォークの場合は食材を刺しやすい。
子どもの口に入れやすいサイズ
スプーンはすくう部分が口もよの2/3くらいのサイズを。フォークは刺す部分が尖らず細めのものがよい。
立ち上がりがあり、安定する器
食べ物をスプーンでフチに押しやり、はね返ってスプーンにのせるという動作がしやすい。
スプーン&フォークの練習をしよう
最初はおうちのかたが誘導してあげましょう。下記の流れはスプーン・フォークとも同様ですが、スプーンですくう練習をした後にフォークを持たせましょう。
①しっかりと座る
● テーブルは子どもの胸の下くらいの高さ
● 台などを置いて足を床につける
テーブルとおなかを近づけ、イスと背中をぴったりつける。イスとテーブルが一体型のものや、イスにベルトがついている場合もタオルなどをはさんで調整する。
② 最初はおうちのかたが誘導する
最初はしっかりと握ることが大切。 おうちのかたがお子さんの手を持って口へ誘導する。フォークの場合は刺したり、すきまにひっかけて食べることも教えるとよい。
③ 上から握る(上手持ち)
手の平全体でスプーンを上から握り、ひじや腕全体を使って動かす。最初は食べ物を上手くスプーンにのせることができず、反対の手でのせることもあるが、この段階ではOK。
④ つまみ持ち
上手持ちができると、次第に人差し指と親指がスプーンの先に向いてくるので、指でつまむように持たせる。子どもが上手持ちを持ちにくく感じ、自然とつまみ持ちになることも。
⑤ 指3本でエンピツ持ち
つまみ持ちに慣れてきたら、人差し指・親指・中指でスプーンを下から、エンピツを持つように軽く握る持ち方を教える。この持ち方ができるようになると、箸への移行がスムーズに。
スプーン&フォークの練習ポイントと
食事マナーのポイント
スプーン&フォークの練習ポイント
● スプーンの練習を先に、フォークは 麺類などを食べるときに挑戦して
● 失敗してテーブルの下に落とすことが多いので、複数本準備しておくとよい
● 手づかみ食べと平行して進める
食事マナーのポイント
● 姿勢よく食べる
● 皿に手を添えて食べる
スプーン&フォークで食べやすい調理の工夫
スプーン&フォークにのるサイズ
スプーンに乗りやすいひと口大の、コロコロとした形状。フォー クの場合も同様に。
とろみですくいやすく
ヨーグルトやゼリーのように、汁物もとろみをつけるとすくいやすく、飲み込みやすい。
フォークにかかる長さ
短すぎず長すぎない、ひと口分を取りやすい4cm程度に切る。乾麺 は短く折ってからゆでても。
レシピ・記事提供:「まいにちの手を動かす食事で、すくすく育つ 1〜3歳発達を促す子どもごはん」(中村美穂著、日東書院本社)