離乳食から幼児食期に多い、子どもの「食の悩み」。子どもが少食だったり、食欲がなかったりすると、「心身の成長に影響するのでは?」と不安に感じることもありますよね。
そこで今回は、「少食」「食欲がない」原因や解決策に加え、おすすめレシピをご紹介します。
子どもの食欲は一定していなもの
子どもの食欲は大人のように一定していないものです。普段から食べないことが多いと、心配になることも多いと思いますが、無理に食べさせようとしたり、せかしてしたりすると、食事が楽しくなくなり、食べる意欲がなくなってしまう原因になります。
そんなときは、楽しい雰囲気で食欲がアップする場合もあるので、神経質になり過ぎないよう心がけましょう。
「少食」「食欲がない」原因は?
「少食」「食欲がない」ことの原因には、以下のことが考えられます。ケース別に解決策をみてみましょう。
【ケース①】基本的に食が細い
もともと体が小さい場合があるうえ、消化力なども子どもそれぞれに異なるため、食べる量には個人差があります。元気に成長していればあまり心配ありませんが、あまりに食べない場合は、おなかがすいていないことも考えられます。
【解決策】
栄養価の高い食材を与えよう
「睡眠」「食事とおやつ」「遊び」の時間を 見直し、生活リズムをととのえます。さら に外でたくさん遊ぶと食事量もアップ。一度に食べられる量も少ないので、栄養価の高い食品(チーズ、かぼちゃなど)をあげるのもコツ。おやつで不足する栄養を補います。おやきなど一品で栄養がとれるものが◎。
【ケース②】食べる意欲がない
食べたいという欲求が少ないことに加え、大人に「食べなさい」と言われて、逆に食べることに自信がなくなっているのかもしれません。また、食べ物を見たり触れたり、食に興味を持つきっかけになる体験が少ないことも考えられます。
【解決策】
見た目の演出で、食への興味を引き出す
最初は少なめに盛りつけ、おかわりできるようにしましょう。また、「食べてみたい!」という気持ちを引き出す、魅力的な見た目と食べやすさに工夫しましょう。周りの人がおいしそうに食べる姿を見せることも大切です。リング型のドーナツなど見た目にひと工夫を。
「少食・食欲がない」を解消する
ごはん・おかずレシピ
大豆入りドライカレー
材料
- 1大豆、玉ねぎ、にんじんはみじん切りにする。
- 2フライパンににんにくのみじん切りとサラダ油を入れて熱し、1を炒める。しんなりとしてつやがでたら合いびき肉を入れ、色が変わったら薄力粉をふるい入れて混ぜる。
- 3水、ケチャップ、しょうゆ、カレー粉を入れて煮汁が少なくなるまで炒め、味を見て塩を加える。ごはんにかける。
※乾燥豆のゆで方
豆は水に約4時間浸す。水をきり、鍋に豆とたっぷりの水を入れてふたをし、強火にかける。沸騰したら火を弱め、やわらかくなるまで約20分(圧力鍋の場合は約7分)ゆでる。
【解消ポイント】
カレーに豆や野菜を混ぜて栄養価をアップ。スパイスやにんにく、しょうがなども香りづけ程度に入れることで食欲が増します。
カルシウムたっぷりお好み焼き
材料
- 1キャベツはさっとゆでて冷まし、短いせん切りに、ニラはみじん切りにする。
- 2ボウルに溶き卵、長いも、牛乳、塩を入れて混ぜ、薄力粉とベーキングパウダーをザルでふるいながら加え、混ぜる。1と、5mm角に切ったチーズ、シラスを混ぜる。
- 3サラダ油を熱したフライパンに2を入れて丸く伸ばす。ふたをして両面がこんがり色づくまで焼く。食べやすく切って皿に盛り、ソースとケチャップを混ぜて少量ぬり、青のりをふる。
【解消ポイント】
カルシウム豊富なチーズやシラスを入れて一品で栄養がしっかりとれるメニューに。ソースや青のりの風味が食欲を高めます。
野菜たっぷりみそラーメン
材料
- 1豚薄切り肉、にんじん、白菜は短いせん切りにする。もやしは1cm長さに切り、コーンは食べにくい場合は刻む。
- 2鍋にごま油とみじん切りのにんにく、しょうがを入れて火にかけ、豚肉、にんじんを炒める。だし汁を入れ、沸騰したら白菜、もやしを入れて煮る。野菜がやわらかくなったらみそ、しょうゆを加え混ぜる。
- 3麺を5cm長さに切り、沸騰した湯に入れてやわらかめにゆでる。水気をきって器に盛り、2をかけ、コーンをのせる。
【解消ポイント】
うまみのあるラーメン風スープで、肉や野菜がおいしく食べられます。麺はやわらかくゆでて短く切りましょう。
かぼちゃドーナツ
材料(3個分)
- 1かぼちゃはゆでて皮をむき、ラップに包んで手でもみつぶす。
- 21をボウルに入れ、Aを入れてよく混ぜる。Bをザルに入れてふるいながら加え混ぜる。ひとつにまとめ、3等分にして棒状に伸ばし、端をつなげてリング状にする。※手に薄く粉をつけるとくっつきにくく、作業がしやすい。
- 3小さめのフライパンに高さ2〜3cmの油を入れて熱し、箸を入れると泡が出るくらい(中温)で2を入れる。上下を返しながら、きつね色になるまで揚げる。
【解消ポイント】
子どもに人気のドーナツにかぼちゃを混ぜて栄養をプラス。 おいしさはもちろん、体にもやさしい手作りの味です。
にんじんと豆のポタージュ
材料(6食分程度)
※湯にだし昆布2cm角程度を浸して冷ましたもの
- 1にんじん、玉ねぎ、エリンギは薄切りにし、サラダ油を熱した鍋に入れ、しんなりとするまで炒める。ひよこ豆とだし汁を加え、ふたをしてやわらかくなるまで煮る。
- 2豆乳、塩を加えてミキサーで撹拌し、なめらかにする。
※乾燥豆のゆで方
豆は水に約4時間浸す。水をきり、鍋に豆とたっぷりの水を入れてふたをし、強火にかける。沸騰したら火を弱め、やわらかくなるまで約20分(圧力鍋の場合は約7分)ゆでる。
【解消ポイント】
なめらかで甘みがあるので、食が細い子でも飲みやすいポタージュ。他の野菜を混ぜたり、ひよこ豆の代わりに白いんげん豆を使用したりアレンジできます。
一皿で栄養バランスがとれるメニューを
食べられる量が少なかったり、食欲がなかったりするときは、少量でも効率よく栄養がとれるレシピや、目にも楽しい盛り付けなどを試してみてください。食べられるものや量が少しずつ増えていくと、子どもの自信にもつながります。今回紹介したレシピを参考に、子どもの成長をサポートしてあげてくださいね。
また、急に食欲がなくなった場合は、身体的な要因から食べない場合も考えられるので、「体の具合が悪くないか」もチェックしてみてくださいね。
● 食物アレルギーの診断を受けている、または疑いのある場合は必ず医師と相談のうえ進めてください。
● 具材が大きい場合は、食べやすいサイズに調整してください。
● レシピの食材は旬のものや自宅にあるものに置き換えてもかまいません。(ただし、この時期に食べられる食材かどうかチェックしましょう)。
レシピ・記事提供:「まいにちの手を動かす食事で、すくすく育つ 1〜3歳発達を促す子どもごはん」(中村美穂著、日東書院本社)