人工授精のリスクは?胎児の障害や副作用の可能性は?

不妊治療中に医師から人工授精をすすめられたとき、人工的に妊娠させるのは「痛みがあるのでは?」「リスクは高くないの?」と心配する女性も多いようです。「激痛があった!」という先輩ママの声もあり、治療に不安を感じることもありますよね。そこで今回は、人工授精のリスクについて、本当に痛みなどの副作用があるのか、障害が起きる可能性についてもまとめました。

人工授精(AIH)とは?

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不妊治療を行う際には、まずタイミング法からスタートし、不妊検査によって次のステップとして人工授精(AIH=Artificial Insemination by Husband)が検討されます。人工授精は、男性の精子を採取し、人工的に女性の子宮内に精子を注入して妊娠を目指す方法です。主に男性不妊を原因とした治療に採用されます。

人工授精による治療は特別な方法だと思っている人もいるかもしれませんが、平成14年度の時点で年間66,000人が人工授精を行っており、現在では不妊治療の中でも一般的になってきた治療法です(※1)。

人工授精で痛みはある?出血は?

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人工授精では、基本的に体を切開するような治療ではなく、採取した男性の精子を女性の子宮に注入する不妊治療のため、多くの病院では痛みや出血はほとんどないとしています。しかし、中には激痛を感じる人もいるようで、次のような原因によって生じます。

子宮の収縮による痛み

人工授精で精子を子宮内に注入する際には、精液の原液のまま注入する方法と、精液を洗浄して動きの良い精子を選別した後で注入する方法があります。原液のまま注入するときには、精液に含まれるプロスタグランジンという成分が子宮の痙攣を引き起こし、強い痛みを感じることがあります(※2)。

洗浄後であればプロスタグランジンは除去されるため、子宮の収縮に伴う痛みを感じないことが多いようです。

カテーテル挿入による痛みや出血

精子を直接子宮内に注入するために、カテーテルを挿入する必要があります。その際に、痛みに敏感な人は、カテーテルが擦れることでの痛みや圧迫感を感じることがあります。

また、カテーテルと子宮頚管の擦れによる出血が、数日間起こることも。人工授精当日は、出血を受け止められるように、念のため生理用品を持参していくことをおすすめします。

人工授精後に副作用で痛みを感じることも?

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人工授精中に感じる痛みとは別に、人工授精が終わってしばらくしてから痛みを感じることもあります。人工授精では、排卵タイミングに合わせて精子を注入するため、排卵誘発剤を利用して排卵をコントロールします。

この排卵誘発剤には卵巣が腫れるという副作用があるため、人工授精を行なった後で、生理痛のような痛みが現れることがあります。

人工授精のリスクは?

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不妊治療の一つの治療法として、多くの人が取り組む人工授精ですが、まれに痛みや出血を伴うものの、大きなリスクはないとされています。ただし、軽度なものや妊娠後の注意点があるので、事前の知識として知っておきましょう。

排卵誘発剤の副作用

人工授精の一番のリスクは、排卵誘発剤を行うことによる副作用です。特に卵巣過剰刺激症候群という症状には要注意で、血圧の低下や肝機能低下、腎機能低下が引き起こされることがあります。人工授精の回数が増えるほど、排卵誘発剤の使用回数も増えるのでそれだけリスクが高まります。

感染症の可能性

人工授精を行うと、まれに器具に付着した菌が原因で感染症にかかることがあります。人工授精後に体調が悪いときや体に異変を感じた際には、不妊治療を受けている病院に連絡してくださいね。

妊娠高血圧症候群

人工授精では、妊娠高血圧症候群になるリスクが高くなるといわれています。人工授精のときは双子や三つ子といった多胎妊娠の確率が上がるため、それによる母体の負担増加で妊娠高血圧や妊娠高血圧腎症になる確率が高まるのです。

人工授精で障害を持った赤ちゃんが生まれるリスクは?

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2016年現在、人工授精と障害の関係性を医学的に証明した研究は見当たりません。ただし、2012年にオーストラリアの研究チームが「体外受精と顕微授精を合わせた不妊治療による妊娠の方が、自然妊娠よりも、障害を持つ赤ちゃんが生まれる確率が1.28倍高かった。その内訳は体外受精は1.07倍、顕微授精は1.58倍」という報告をしています(※3)。ただし、因果関係は明確にはなっていません。

人工授精は、精子を直接子宮内に注入する以外には、自然妊娠と同じように妊娠に至るため、人工授精であっても自然妊娠であっても、赤ちゃんへのリスクは変わらないのではないか、というのが一般的な考え方です。赤ちゃんへの障害のリスクは、年齢の上昇に影響されるため、不妊治療には早めに取り組むよう、医師と相談してください。

人工授精のリスクを気にしすぎないで

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人工授精は痛みや出血、リスクも多くありません。しかし、人工授精に関わらず、妊娠に伴うリスクは年齢の上昇に合わせて高まっていくため、もし「不妊かも?」と不安になったときは、まずは婦人科を受診しましょう。人工授精のリスクが気になる人は、医師にも相談して判断してください。

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