尿に含まれる成分から、妊娠の可能性の有無を調べることができる妊娠検査薬。少しでも早く妊娠の可能性を知りたくて「フライング検査」をしたいという人もいますよね。
今回は、フライング検査をする方法をはじめ、検査をするときの注意点なども含めてご紹介します。
フライング検査とは?
フライング検査とは、妊娠検査薬を通常よりも早い時期に使って行う検査のことです。
妊娠検査薬は、妊娠が成立すると分泌される「ヒト絨毛ゴナドトロピン(hCG)」というホルモンを尿中から検出することで反応します。
hCGは着床すると分泌を開始し、妊娠週数が進むごとに徐々に分泌量が増え、妊娠10週ごろにピークを迎えてからは次第に減っていきます(※1)。
妊娠検査薬は、検査時にhCGが反応できる量まで分泌されていないと判定ができません。
通常の妊娠検査薬は、生理予定日1週間後程度が検査ができる目安としていることが多いです。
妊娠検査薬でフライング検査はできる?
妊娠検査薬には、フライング検査専用の「早期妊娠検査薬」というものがあります。
早期妊娠検査薬は、通常の妊娠検査薬と比べてhCGを検出する感度が高く、通常の妊娠検査薬のhCG値の半分程度でも陽性反応を示します。
通常の妊娠検査薬は、生理予定日の1週間後から使えるものがほとんどですが、国産の早期妊娠検査薬は生理予定日当日から検査することが可能です。
フライング検査に使う妊娠検査薬の種類は?
早期妊娠検査薬は限られたドラッグストアでしか購入できないため、海外製のものを使うケースが多いようです。
海外製のものは限られた通販サイトや個人輸入でしか購入できないものもあります。
ここでは、日本製・海外製含めた、早期妊娠検査薬の種類をご紹介します。
チェックワンファスト
通常の妊娠検査薬でも広く知られている、株式会社アクラスが販売している早期妊娠検査薬です(※2)。
hCGの検出感度は25IU/Lで、生理予定日当日から検査が可能です。尿吸収体に尿をかけると1分間ほどで判定結果が出ます。
一般用検査薬ではなく医療用体外診断用医薬品(第1類医薬品)であるため、薬剤師のいるドラッグストアで購入する必要があります。取り扱っていない場合もあるので、事前に電話などで確認しておきましょう。
クリアブルーデジタル超早期
アメリカやヨーロッパで販売されている早期妊娠検査薬です(※3)。
hCGの検出感度は10mIU/mLで、生理予定日5日前から検査が可能です。尿吸収体に尿をかけるか、清潔な容器に尿を入れて使います。
生理5日前の感度は約78%と低いですが、4日前になると93%以上の高い検出率となります。
一部の通販サイトや個人輸入での購入が必要となるので注意しましょう。
ラッキーテスト
アメリカ医薬品局(FDA)認可済み、EU認証も取得しているもので、排卵検査薬と早期妊娠検査薬がセットで販売されていることが多いようです(※4)。
hCGの検出感度は25mIU/mLで、生理予定日2日前から検査が可能です。こちらも、一部の通販サイトでの購入が可能です。
妊娠検査薬でフライング検査するときの注意点
フライング検査で注意しておきたいのは、妊娠の可能性の有無を判定するものであり、妊娠が確定するものではないということです。
フライング検査を行うことで、本来であれば知ることがなかった「化学流産」に気づいてしまうこともあります。
化学流産とは、正確には「生化学的妊娠(生化学的流産)」といい、尿で反応は出ても、改めて超音波検査などを行う時期になったときに、すでに流産していることをいいます(※5)。
通常は妊娠には気づかず、生理として過ごすことが多いなか、化学流産を確認することで精神的な負担を感じてしまうおそれもあります。
早期妊娠検査薬を使用する際は、懸念点なども把握したうえで使うようにしたいですね。
フライング検査のあとは産婦人科を受診しよう
フライング検査の判定結果は正しくない可能性があるため、あくまでも参考程度に留めましょう。陽性反応が出たら、生理予定日に改めて検査を行って、胎嚢が確認できる生理予定日1週間後あたりで産婦人科を受診してくださいね。