赤ちゃんの言葉はいつから?月齢別のおしゃべりの内容は?早い・遅いはある?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

赤ちゃんが育つにつれて、楽しみに思うことも増えてきますよね。一方で、同じ月齢の赤ちゃんが話し始めていると「うちの子はいつからかな」と思っている人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、赤ちゃんの言葉はいつからなのか、どう発達するのか、早い・遅いといった時期の違いをご紹介します。

赤ちゃんの言葉はいつから?どう発達するの?

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赤ちゃんの言葉の発達スピードは個人差が大きいですが、同じようなステップをたどって発達します。ここでは、赤ちゃんがどんな段階を踏んで言葉を発していくのかを月齢別にご紹介します(※1,2)。

生後0ヶ月頃

無意識のうちに生理反射として、泣いたり笑ったりして声を発します。

生後1~2ヶ月頃

舌を使わずに「あー」や「うー」といった母音を発する「クーイング」をし始めます。

クーイングは、赤ちゃんの口や喉の形が変わってきたことによって出る声だと言われていて、何かを伝えたいのではなく、音を出すことを楽しんでいるだけなので、発する言葉自体に意味はありません。

生後3~6ヶ月頃

この頃になると、あやすと声を出して笑う、音や声の方向に振り向く、表情筋を使って笑うなどの変化があります。

また、2文字以上の連続した言葉である「喃語(なんご)」を話し始める赤ちゃんも。これは意味のある言葉を話すための練習で、最初ははっきりとした母音の「アーアー」「アーウー」といった喃語から話し始めます。

生後7~11ヶ月頃

「パ」「ダ」「マ」など子音を含む喃語を発し始め、その後「ダーダー」「マーマーマー」など、連続した子音の喃語を発するようになります。

1歳~1歳半頃

「マンマ」など、異なる二つ以上の子音+母音を発し、何となく意味が通じる言葉(有意味語)になってきます。発達の早い赤ちゃんの場合は1歳になる前から「ママ」「パパ」「ワンワン」と、1語のバリエーションを増やしていきます。

1歳半~2歳頃

1語が増えてくると、「ママ、どこ?」といった2語文を話し始めます。ここから3歳くらいまで、2語、3語と増えていき、言葉の表現がどんどん広がっていきますよ。

赤ちゃんの言葉の発達に早い・遅いはある?

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赤ちゃんの言葉の発達は、平均より早い子もいれば、目安となる時期を過ぎる子もいるなど、個人差が大きいものです。

平均よりも言葉を発する時期が遅いと、どうしても他の子と比べてしまい心配になるかもしれません。

1歳半健診での言葉の検査で、赤ちゃんが話す意味のある言葉が3語未満の場合は、発語に遅れがあると判定されます。

しかし、それ以外に身体的な成長や運動機能の発達に大きな遅れがなく、身の回りの音にも反応して大人の言うことを理解していれば、3歳くらいまでは基本的に心配しすぎる必要はありません(※2)。

健診の環境では上手く話せない子もいるため、経過観察となる場合や、もし病気の疑いがあるときはより詳しい検査のため、専門的な病院を紹介される場合もあります。

なかには3歳を過ぎて急に話しはじめる子もいるので、言葉の発達は赤ちゃんのペースに合わせて見守りつつ、言葉の引き出しを増やすためにたくさん話しかけてあげてくださいね。

赤ちゃんの言葉の遅れで注意することは?

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赤ちゃんの言葉の遅れで気にしておきたいのは、難聴のような聴力障害や精神的な発達の遅れが言葉の発達に影響している可能性があることです。

軽い難聴があると、発音そのものが不明瞭で、なかなか2語文に進まないケースが見られます。難聴の度合いが強いと、ママやパパが声がけしても気づかないので、反応に違和感があることもあります。

普段の生活で、赤ちゃんの音への反応が鈍いと感じたら、早めにかかりつけの小児科で相談してくださいね。

4か月健診、1歳半健診、3歳健診時にある聴力検査の際に難聴の可能性があるとされた場合には、詳しい聴力検査ができる病院を紹介されることもあります。

また赤ちゃんの言葉の遅れが見られる場合、まれに神経の発達に問題を抱えていたり、自閉スペクトラム症や脳性麻痺などが原因であったりする可能性もあります。

言葉の遅れや音への反応の鈍さ以外に、周囲への関心が薄い、目が合わないなどの特徴があれば、乳児健診時や、小児科・耳鼻科の専門医に相談してみましょう。

赤ちゃんの言葉はママやパパが促すことも大切

赤ちゃんの言葉が少ない、遅いと感じたときは、ママやパパが言葉を促してあげることも大切です。言葉の発し方や表現方法がわからないだけで、コツをつかんだ瞬間にたくさん話し出す赤ちゃんもいますよ。

そのためには、赤ちゃんが興味を持ったものや感じたことを代弁してあげましょう。「これはリンゴだよ」「お腹いっぱいになったね」「マンマたべる?」など、赤ちゃん言葉でも構わないので、目を見てたくさん話しかけたり絵本を読んだりして言葉をインプットしてあげるといいですね。

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