新型コロナウイルスの感染拡大によって、あらためて感染症予防に対する意識が高まっています。妊娠中に感染症が流行すると心配になることも多いかもしれませんが、日々の生活の中で基本的な予防対策をして、感染症にかかるリスクを軽減していきましょう。
今回は、妊婦さんが知っておきたい感染症予防対策についてお伝えします。
妊娠中に感染症が流行したらどうする?
妊娠中は体調の変化や生まれてくる赤ちゃんのことなど、何かと不安を感じやすいですよね。特に最近は毎日のように新型コロナウイルスに関する様々な情報が入ってくるため、余計に不安になってしまうかもしれません。
しかし現時点(2020年3月3日)で、新型コロナウイルスによる胎児障害の報告は出ていません(※1)。
過度に心配しすぎてストレスを感じてしまうと、体調を崩したり免疫力が低下したりすることもあります。まずは、日常生活の中でできる基本的な感染症予防策を徹底して、健康的な妊娠生活を過ごしていきましょう。
感染症を防ぐには基本の予防対策が大切!
妊娠中のウイルス感染を防ぐためには、下記の5つの予防対策をすることが大切です。
②人混みを避ける
③十分な睡眠をとる
④栄養バランスのよい食事をとる
⑤適度な運動をする
どれも基本的なことですが、基本的なことが一番大切です。普段から意識的に行うことで、新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザや風邪といった感染症の予防にもつながります。
旦那さんや一緒に住む家族にも上記の予防対策を徹底してもらいましょう。いくら妊婦さんが対策をしていても、家族がウイルスに感染してしまったら、そこからうつる可能性もあるからです。
次からは、それぞれの予防策について詳しくご説明していきます。
1:手洗いをしっかり行う
感染症予防で特に重要なのは、手洗いです。
手にウイルスがついた状態で、口や目、鼻を触ると感染のリスクが高まります(※2)。特に食事の前や外出先から帰ってきたときは、下記のステップを参考にしっかり洗いましょう(※3,4)。
手の洗い方
- 指輪や時計をはずす
- 流水で手をぬらして石けんやハンドソープをつける
- 手のひらをあわせてよく洗う
- 手の甲を伸ばすようにしてこする
- 指先や爪の間を念入りにこする
- それぞれの指と指の間を十分に洗う
- 指先と手のひらをねじり洗いする
- 最後に手首を洗う
洗い終わったら水でしっかりすすぎ、清潔なタオルやペーパータオルで水を拭き取りましょう。
外出先でどうしても手が洗えないときなどは、アルコール消毒液を使うのもいいでしょう。新型コロナウイルスは、アルコール度数70%のアルコールで消毒すると感染力を失うといわれています(※1)。
市販の手指消毒用アルコールは、ほとんどがアルコール度数70%前後で作られています。
とはいえ、最も大切なのは手洗いです。アルコール消毒液が入手できなくても、心配しすぎる必要はありません。そのぶん手洗いをしっかり行いましょう。
2:人混みを避ける
新型コロナウイルスやインフルエンザなどは飛沫感染するため、屋内で人と人との距離が確保できない状況で一定時間を過ごすと、感染のリスクが高まるといわれています(※1)。
ウイルス感染症が流行しているときは、人混みを避けましょう(※1)。
ちなみに、新型コロナウウイルス感染予防のためのマスク着用については、屋内の混み合った場所では予防策の一つになると考えられていますが、屋外の混み合っていない場所では、予防効果あまりないといわれています(※1)。
現在、マスクが入手困難で困っている妊婦さんも多いかもしれません。でも前述のように、マスクは感染予防策としてそれほど有効とはいえないため、まずはできるだけ人混みを避けることを重視してくださいね。
3:十分な睡眠をとる
ウイルスへの抵抗力を高めるために、睡眠をしっかりとることも大切です(※1)。夜は早めに寝るように心がけましょう。
とはいえ妊娠中は、体調の変化によって寝つきが悪くなったり夜中に目が覚めてしまったりすることもありますよね。日中に時間が取れるときは短時間でも横になって、体を休めてくださいね。
4:栄養バランスのよい食事をとる
十分な栄養をとることも、感染症予防として有効です(※5)。主食・副菜・主菜・乳製品・果物を、1日の食事のなかでバランスよく食べるようにしましょう(※6)。
火を十分に通していない肉や生ハム、サラミ、加熱していないチーズなどにはトキソプラズマ症やリステリア症などの原因となる微生物が含まれていることがあるため、妊娠中は食べないように注意してください。
5:適度な運動をする
安定期に入って医師の許可が出たら、適度な運動をするのもいいですね。妊娠中の運動は、健康維持や増進に効果的だともいわれています(※7)。
マタニティヨガやマタニティピラティスなら、自宅で気軽に行うことができますよ。
ただし、運動の途中で体調が悪くなったり、お腹が張ったりしたときはすぐに中止してください。
感染症の予防対策をして健康的なマタニティライフを!
妊娠中に感染症が流行すると、「もしかかってしまったらどうしよう」と心配になってしまいますよね。しかし、心配だからと焦りすぎる必要はありません。日常生活のなかで、基本的な予防対策をしっかり行うことが何より大切ですよ。
不安や疑問があるときは、かかりつけの産婦人科の医師や助産師に相談してくださいね。