小4の壁・10歳の壁とは?乗り越え方は?夏休みはどうするの?

監修専門家 臨床心理士 佐藤 文昭
佐藤 文昭 おやこ心理相談室 室長。カリフォルニア臨床心理大学院臨床心理学研究科 臨床心理学専攻修士課程修了。米国臨床心理学修士(M.A in Clinical Psychology)。精神科病院・心療内科クリニ... 監修記事一覧へ

子供も小学校4年生ぐらいになると生活面も少しずつ自立してきて、頼もしく感じるママも多いようです。ただそれだけ子供が大きくなると、働くママの場合、職場からは「もっと仕事を任せてもいいよね?」「もう子育てに気を遣わなくても大丈夫だよね?」と思われがちなタイミングでもあります。そんなときにぶつかるのが「小4の壁」「10歳の壁」。そこで今回は、小4の壁・10歳の壁とはどういうものか、どう乗り越えればいいのか、夏休みなど長期休暇の対処法をご紹介します。

小4の壁・10歳の壁とは?

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「小4の壁」「10歳の壁」という言葉が指すものには、2つの意味があります。

1つは、共働きの家庭が直面する「放課後の居場所の問題」で、もう1つは、小学生の子供が感じる「勉強面でのつまずき」です。

次の章からは、それぞれの内容と対策などについて紹介していきます。

小4の壁(10歳の壁)その1:放課後の居場所の問題

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共働きで働くママ・パパたちにとって、放課後の学童保育は心強い味方です。2015年4月より、学童保育の対象学年が小学6年生まで拡大されましたが、以前は小学3年生までの児童が学童保育の対象であり、小学4年生からは預かってもらえませんでした(※1)。

そのため、共働きの家庭では、子供の4年生からの放課後の預け先に困り、なかには働き方を変える必要に迫られた人もいたことから、「小4の壁」と呼ばれるようになりました。

上述の通り、今は小学6年生まで学童保育で預かってもらえるようになりました。しかし、現状を見てみると、学童保育では小学3年生まで子供たちの保育を優先することが多く、定員を超えた場合は利用できず、結局入れない、ということも多く起きています。

施設によって対応や入所基準が異なるので、事前に確認しておくようにしましょう。

小4の壁(10歳の壁)その2:勉強面でのつまずき

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小4の壁の2つ目は勉強面でのつまずきです。小学4年生になると、国語では論理的な思考力が求められる問題や、算数では文章問題などの応用問題が出されるようになり、これまで勉強してきた内容よりも難しくなります。

そのため、小4という学年は、勉強でつまずいてしまい、他の子との学力差が出始める頃でもあるのです。

小4の壁(10歳の壁)の乗り越え方は?対策はある?

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これまで紹介してきた2種類の「小4の壁」。それぞれの乗り越え方には、どのようなものがあるのでしょうか。

小4の壁:放課後の居場所の問題の対策

もし学童保育に入れないという小4の壁にぶつかった場合、どうすればよいのでしょうか。以前はほとんどの働くママたちがこの壁に悩み、そして、なんとかして乗り越えてきました。ここでは、その乗り越え方を紹介しますね。

図書館や児童館などを活用する

まず1つ目は、図書館や児童館などを利用するという方法です。小4にもなれば友達もできて、一緒に児童館に向かう、という子供たちも少なくないようです。
また、卓球やバレーボール、ボードゲームなどができる室内遊具施設がある自治体もあり、ママの心配をよそに、思いっきり楽しんでいる子供もたくさんいます。

子供の習い事を増やす

次に、小学4年生になったのを機会に新しい習い事を増やすのも一つの手です。図書館や児童館に比べて、しっかり指導してくれる先生がいるので、「より安心」という声もあります。中学受験を検討している場合は、このころから塾に行き始める場合が多いようです。

留守番に慣れさせる

毎日図書館や習い事に行くのは、子供にとって負担になることもあります。その場合は、しっかりルールを決めて、これまでよりも多い日数・長い時間の留守番にチャレンジしてもらうのも良いですね。

子供と「帰ったら必ずママかパパに電話すること」「鍵の管理やかけ忘れに注意すること」などを約束して、「子供を信じて任せる」というママもいるようです。

小4の壁:勉強面でのつまずきの対策

子供が勉強面での小4の壁に直面すると、学校の勉強についていけなくなり始めます。そんなときには、どのように対処すればいいのでしょうか。

勉強を習慣として身につけさせる

小4では、勉強で覚えることが一気に増え、内容も難しくなるため、勉強についていけなくなる子供たちが現れます。

しかし、家庭で予習・復習を行うように普段から習慣づけていれば、つまずきにくくなったり、家で復習することでつまずいたところを理解することができます。

時には、子供と一緒に勉強に取り組みながら、どこでつまずいているのかを探ってみましょう。つまずく問題の傾向や理由に気づかせてあげられれば、対策を考えることができますよ。

子供を塾に通わせる

もし、子供が家庭で勉強に集中できないのであれば、塾に通わせ始めるのもいいでしょう。予習・復習に集中できたり、つまずいた部分が理解できるまで再度教えてもらうことも可能です。また、競い合う友達ができたりするメリットもありますよ。

ただし、塾に任せっきりにするのではなく、塾でどんなことを学んでいるのか、子供に聞いてみてください。

もし塾でわからない問題があったり、勉強についていけないなどの悩みがあれば相談に乗ってあげましょう。

リビングで勉強させる

わからないところをすぐママやパパに聞けるように、リビングのテーブルで勉強させることも小4の壁対策には有効です。

ただしこのとき、リビングでテレビをつけていたり、問題が解けないことに対して小言を言うのは、集中の邪魔をしたり、子供のやる気を削ぐことがあるのでやめましょう。

小4の壁(10歳の壁)、夏休みなどの長期休暇の過ごし方は?

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学童保育に入れないという小4の壁に直面した場合、学校の長期休暇のときに、子供をどこに預けるかという心配も生まれるはずです。

小4ともなれば、子供によっては1人で留守番できる子供もいるかもしれません。しかし、1日だけならまだしも長期間任せるのは親としては心配ですよね。

そこで、夏休みなどの長期休暇の場合は、お弁当を持たせて図書館や児童館で1日過ごさせるという方法や、祖父母の家に数週間お泊まりに行かせる、という対策を取る人も多いようです。

また、長期休暇にキャンプやスキーなど、子供向けのイベントや合宿に行かせる家庭も。子供の成長にとっても良い機会なので、子供自身が興味を持つようなら検討してみてはどうでしょうか。

このような特別な活動から帰宅したときは、詳しく子供の話を聞いてあげるようにしましょう。

子供に興味を持つという「親の関心」が子供にとってのエネルギーになります。

時には、子供からスキンシップを求めてくることもあるかもしれませんが、そんなときは、思いきり答えてあげてくださいね。

小4の壁・10歳の壁は家族と周囲をフル活用しよう

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子供が小4になって頼もしくなったとはいえ、子育ての心配は尽きないもの。ママ・パパを心配させる放課後を過ごす場所の問題に加え、このくらいの年齢からは、勉強についての悩みも出てきます。

小4の壁は、考えなくてはいけないことや調整しなくてはいけないことが多く、ママ1人で解決するにはとても骨の折れる問題です。

小4の壁に突き当たった際には、パパや両親、先輩ママなどに相談し、助けを求めることも大切です。子供にも、そしてママとパパにも無理のないような形で小4の壁を乗り越えていきましょう。

※参考文献を表示する

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