子どもの口が開きっぱなしになってしまう「お口ぽかん」。かわいらしい見た目とは裏腹に、たくさんのデメリットがあることをご存知でしょうか。
そこで今回は、子どもの「お口ぽかん」について詳しく紹介します。
うちの子は大丈夫?「お口ぽかん」をチェック!
子どもの約30%にみられる「お口ぽかん」。くせになると自然にやめるのが難しくなりやすいので、早めの対策が大切です。
以下の項目にあてはまる数が多い場合は、「お口ぽかん」になりやすい状態です(※1)。チェックしてみましょう。
□ 口を開けて寝る
□ 口がよく乾く
□ 上唇と下唇の間から歯が見える
□ 1分以上口を閉じていられない
□ くちゃくちゃ音を立てて食べる
□ 睡眠中鼻詰まりがある
□ 口を閉じて食べられない
□ 前歯が出ている
□ 日中鼻詰まりがある
□ 口臭がある
もしずっと「お口ぽかん」の状態が続いている場合は、「口唇閉鎖不全症」の可能性があります。早めに歯医者さんに相談しましょう。
「お口ぽかん」になる原因は?
「お口ぽかん」は子どもの不注意と思われがちですが、以下のような原因で口を閉じることが難しい場合もあります。
口の周りの筋肉が弱い
口をしっかりと閉じるには、口周りの筋肉が大切。筋肉が足りずに口を閉じるのが難しいこともあります。
歯並びが悪い
歯が前に出ていたり、下あごが前に出たりしているため、口を閉じるのが難しいことも。
舌の位置が正しくない
上あごの前歯の裏側あたりに舌全体がついているのが正しいポジションです。舌が下あごに落ちている状態はお口ぽかんになりやすいですよ。
鼻がつまっている
子どもに多い鼻風邪や鼻炎により鼻呼吸がしにくい状態かもしれません。口で呼吸するために開けている場合もあります。
肥満
肥満になると、あごの周りや首、喉の中、舌にも脂肪がつくため、気道が圧迫されて口を開けて呼吸しがちです。
「お口ぽかん」はなぜ治した方がいいの?
子どものお口ぽかんにはたくさんのデメリットがあります。
風邪や感染症にかかりやすい
呼吸のときに鼻というフィルターを通さないことで、ウイルスなどがダイレクトに進入し、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
虫歯や歯周病、口臭のリスクがあがる
口をずっと開けていることで口の中が乾燥して臭いが出たり、唾液の分泌が減ることで虫歯や歯周病になりやすくなったりします。
姿勢が悪くなる
お口ぽかんは舌の位置が下がってしまうため、呼吸をしやすいように猫背になってしまいがちです。
歯並びが悪くなる
唇を閉じる筋力が弱くなると、⻭を取り囲んでいる唇・頬と⾆のバランスが崩れ、上の前⻭が前に突き出たり、上の奥⻭の幅が狭くなったりします。
顔がゆがむ
口周りの筋肉やあごの骨の発達が不十分になって、顔の歪みにつながることも。筋肉が緩んで唇が分厚くなったり、目や頬も垂れ下がりやすくなったりします。
家で簡単にできるトレーニング方法は?
口周りや舌の筋肉を鍛えてお口ぽかんを改善しましょう。
あいうべ体操をする
②「いー」と口を横に広げる
③「うー」と口を前に突き出す
④「べー」と舌を下に伸ばす
①〜④の1セットをできるだけ大げさに4秒くらいで行います。毎日3分間すると◎。
舌回し体操をする
舌を回すのも口周りの筋肉を鍛えられます。口を閉じたままで歯茎をなぞるように行ってもOK!時計回り・反時計回りに各10回から始めてみましょう。
歯ごたえがある食事で噛む習慣を作る
口周りの筋肉を鍛えるためには日々の食事も大切。歯ごたえを残したものも食べさせるようにしましょう。喉につまらないように、しっかりとよく噛むように伝えてあげてくださいね。
風船ガムで口周りを動かす練習をする
風船ガムは舌を複雑に動かしてふくらませる必要があります。噛む動作も繰り返すので、口周りと舌のトレーニングにぴったり。
ブクブクうがいをする
唇をしっかりと閉じて、周りに音が聞こえるくらいしっかりとブクブクうがいをするのも口周りや舌の筋肉が鍛えられて◯。
吹いて遊ぶおもちゃを使う
風車や風船、ピロピロ笛などは、口周りの筋肉を使って息を吐く必要があります。肺活量も同時に鍛えられるのでおすすめですよ。
お口ぽかんは早めに対策しよう
「お口ぽかん」が進むと、姿勢や体調など日常生活にも影響しやすくなります。子どもの健やかな成長のためにも早めに対策しておくと良いでしょう。なかなか改善しないようであれば、専門の治療をしてくれる歯医者さんに相談してみてくださいね。