子どもの頻繁な瞬き、急な大声…幼児から小学生にみられる気になるくせとは?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

子どもがまばたきを頻繁にしたり、顔をしかめることが多くなったりと、これまでと違う様子がつづく場合、幼児期から小学生に多くみられる「チック」かもしれません(※1)。

今回は、子どもの「チック」について、考えられる原因や親の対応方法をご説明します。

子どもにこんな様子がみられたら…?

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リラックスしているときや、集中力が切れたときなどに、子どもが次のような気になる動作をしていることはありませんか(※1,2)。

体を動かすまばたき、口を曲げる、鼻を動かす、顔をしかめる、首振り、飛び上がる、触る、地団駄を踏む、匂いをかぐなど
音を出す咳払い、鼻鳴らし、鼻歌のような声、状況のそぐわない言葉、言うのをはばかられるような汚い言葉をいってしまうなど

一過性のものや、何かの真似をしている場合は心配はいりませんが、上記のような動作が4週間以上続くようであれば「チック」のはじまりかもしれません(※2)。

チックって?ストレスが原因なの?

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チックにみられる代表的な症状は、突然素早い動作をしたり発声を繰り返したりすることです。通常の動作や発声とは違い違和感を感じるので、気づきやすいとされています(※3)。

主に幼児期〜小学生の年齢でなりやすく、子どもの5人に1人は18歳までの間に何らかのチックがみられます(※4)。生活や環境の変化によるストレスが原因と思われがちですが、ストレスや疲労はチックを引き起こす直接的な原因ではありません。

はっきりとした原因は分かっていませんが、遺伝的な要因が関与していると考えられています。多くは軽いもので、女の子よりも男の子の方が起こりやすいとされています(※3)。

親が知っておきたいチックの特徴とは?

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子どもにチックのような動作がみられたら、焦らないためにもチックがどのようなものか知っておきましょう。

自分で制御できないような強い衝動がある

チックが起こる前には、その動作をしたいという強い衝動がおきます。これは、くしゃみをするときの衝動に似ていて、自制することは難しいです。

ほとんどの場合が消失する

ごく稀に成人しても残ることがありますが、ほとんどのチックは時間の経過とともに見られなくなります。

必ずしも治療が必要ではない

生活にそれほどの支障を来たさないチックは、薬などの治療の対象にはなりません。症状が軽度であれば、「心配する必要はない」と安心させることが、最善の治療になる場合が多いです。

症状に変化が見られる

時間とともに種類、程度、頻度に変化がみられます。1時間に数回起きたかと思えば、数ヶ月ほとんど現れないこともあります。

心や体の状態で起きやすくなる

チックは、緊張が高まっていくときや、緊張がほぐれたとき、気分が盛り上がっているとき、退屈してぼんやりしているときなどに起こりやすいです。寝ている間や勉強に集中している間などには起こりにくいです。

チックがみられたら親はどう対応したらいい?

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子どもに対して親はどのように接したらいいのでしょうか。

本人が気づいていないときは指摘しない

子どもに「また出てるよ!」などと指摘することで、一時的にチックが減ることはあっても、軽くなることはありません。

指摘することでチックが続く期間が短くなるとも考えにくいので、指摘はしない方が良いとされています(※3)。

普段どおりに接する

普段どおりに接することが大切です。本当に良くないことをしたときなどは叱っても構いません。叱っている最中にストレスによってチックが起こるかもしれませんが、心配はいりませんよ。

子どもの特徴と考えて受け入れる

チックは、運動を調節する脳の機能や、なりやすい素質が基盤にあるのであって、親の育て方や本人の性格が原因ということはありません。

特徴の一つとして認めてあげることが、子どもにとって大きな支えになりますよ。

学校と情報を共有する

どんなときに起きやすく、どういう症状が出るのかを学校に伝えておくと、子どもが過ごしやすくなる手助けになりますよ。

チックは子どものくせと考えよう

軽度のチックであれば、自然になくなることがほとんどです。唐突に起こる言動に驚き、不安に思うかもしれませんが、子どもの一時的なくせと考えて受け入れてあげましょう。

気がかりであれば、かかりつけの小児科の先生に相談してくださいね。

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