童謡「こいのぼり」の歌詞は?「鯉のぼり」は別の歌?

こどもの日が近づくと、「屋根より高いこいのぼり~」という歌声を耳にすることが多いですよね。「こいのぼり」は、昔から親しまれている童謡ですが、3番の歌詞までは知らないというママやパパも多いのではないでしょうか。また、「屋根より高いこいのぼり~」とは違う「鯉のぼり」という歌があることも、意外と知られていません。そこで今回は、童謡「こいのぼり」の歌詞と意味や、もう一つの「鯉のぼり」という歌についてご紹介します。

「こいのぼり」とはどんな童謡?

子供 歌 先生 ピアノ 合唱

「屋根より高いこいのぼり〜」の歌い出しで有名な、童謡「こいのぼり」。作詞者は近藤宮子、作曲者は不明で、昭和初期に刊行された「エホンショウカ ハルノマキ」で初めて紹介されたそうです。近藤宮子さんは、童謡「チューリップ」の作詞者としても知られています。

「こいのぼり」は、イタリアの国際児童歌唱コンクールの出場曲に選ばれて日本人出場者によって歌われたことがあるほか、文化庁主催の「日本の歌百選」に選ばれるなど(※1)、日本を代表する童謡です。

「こいのぼり」の歌詞と意味は?

それでは、童謡「こいのぼり」の1番の歌詞について見ていきましょう。

「こいのぼり」の歌詞

やねより たかい こいのぼり
おおきい まごいは おとうさん
ちいさい ひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる

「こいのぼり」の歌詞は、黒の真鯉を父親、小さい緋鯉を子供と見立て、「男の子(と父親)が健康に過ごせるようにという願いを込められたこいのぼりが、空を楽しそうに泳いでいますよ」という風景をストレートに表現しています。

母親が歌詞に登場しないのは、端午の節句が男の子を祝う行事であり、発表された当時は、父親が一家の大黒柱という考えが強かったためだと考えられています。

「こいのぼり」の歌詞の2番と3番は?

はてな クエスチョン 疑問

近藤宮子さんによって作詞されたのは1番までで、それ以降の歌詞は時代とともに付け加えられたとされています。ただし、いずれも作詞者は不明のようです。

「こいのぼり」の2番の歌詞

2番の歌詞は、実はお母さんが登場するものと、登場しないものの2種類が存在しています。お母さんが登場する2番の歌詞は、昭和57年の教科書「しょうがくせいのおんがく1」に掲載されたとされています。

お母さんが登場する2番の歌詞

やねより たかい こいのぼり
おおきい ひごいは おかあさん
ちいさい まごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる

お母さんが登場しない2番の歌詞

みどりの 風に さそわれて
ひらひら はためく ふきながし
くるくる まわる かざぐるま
おもしろそうに およいでる

「こいのぼり」の3番の歌詞

3番の歌詞は、比較的最近に新たに付け加えられたとされています。

5がつの かぜに こいのぼり
めだまを ピカピカ ひからせて
おびれを くるくる おどらせて
あかるい そらを およいでる

「こいのぼり」と「鯉のぼり」は別の歌?

近藤宮子さん作詞の「こいのぼり」が誕生する前にも、こいのぼりをテーマにした童謡「鯉のぼり」がありました。

1913年(大正2年)の「尋常小学唱歌 五学年用」に初めて掲載された「鯉のぼり」は、文部省唱歌として歌われてきました(※2)。作詞者は不明、作曲者は弘田龍太郎だとされています。

歌詞は、鯉が滝を上って竜になる中国の伝説「登竜門」が元になっているといわれ、男の子が「こいのぼりのように雄大な姿に成長するように」という立身出世の願いが込められています。

「鯉のぼり」の歌詞

甍(いらか)の波と 雲の波
重なる波の 中空(なかぞら)を
橘(たちばな)かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり


開ける広き 其の口に
舟をも呑(の)まん 様見えて
ゆたかに振(ふる)う 尾鰭(おひれ)には
物に動ぜぬ姿あり


百瀬(ももせ)の滝を 登りなば
忽(たちま)ち竜に なりぬべき
わが身に似よや 男子(おのこご)と
空に躍るや 鯉のぼり

「屋根より高いこいのぼり~」のこいのぼりの歌が有名になってからは、こちらの「鯉のぼり」は、あまり歌われなくなったそうです。

こいのぼりの歌詞で子供の成長を願おう

こいのぼり

端午の節句に飾られるこいのぼりには、「男の子が立派に成長してくれるように」という願いが込められています。そんな、こいのぼりをテーマとした童謡の歌詞や意味を知ると、端午の節句やこどもの日を、より一層楽しめますね。

お馴染みの童謡「こいのぼり」だけでなく、もう一つの「鯉のぼり」を歌ってみても、子供は喜びます。親子でこいのぼりの歌を歌って、子供の健やかな成長をお祝いしたいですね。

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