アフターピル服用後に妊娠が成立しなかった場合、「消退出血」という出血が見られます。しかし、はじめてアフターピルを飲む人は、自分の出血が正常なものなのか、どうすれば妊娠していないと判断できるのかなど、わからなくて不安ですよね。そこで今回は、アフターピル服用後に見られる出血について、時期や期間、量、妊娠の可能性などをご説明します。
アフターピル服用後の出血は異常ではない?
アフターピルを飲んだあとに性器から出血があると、「ピルのせいで体に異常が起きた?」「もしかして妊娠を防げなかったのかも…」など、心配になってしまう人もいると思います。
しかし、アフターピル服用後に出血(消退出血)があった場合、基本的には妊娠が成立しなかった証拠だと考えられます。
消退出血が起きる仕組みは、いつもの生理とほぼ同じです。
女性の子宮内膜は、女性ホルモンの分泌が増えると厚くなります。逆に分泌が減ると厚さを維持できなくなり、剥がれ落ちて血液と一緒に体外に排出されます。これが毎月の生理の出血です。
アフターピルを飲むと、女性ホルモンの量が急激に低下したり、子宮内膜の状態が変化したりすると考えられており、うまく作用が働くと子宮内膜が剥がれ落ちて消退出血が起こります(※1)。
子宮内膜は、受精卵が着床するために欠かせないベッドのようなものなので、それが剥がれ落ちて消退出血があったということは、「妊娠しなかった」と考えられるのです。
アフターピル服用後の出血はいつ?出血しないこともある?
アフターピル服用後の消退出血は、生理開始予定日の前後に見られることが多いですが、ホルモンバランスが一時的に乱れることにより、予定日からずれることもあります。
日本産科婦人科学会の指針によると、アフターピルの「ノルレボ」という薬を飲んだ場合、95%の女性は、生理開始予定日の1週間後以内に消退出血が見られます(※2)。
ただし、アフターピルを飲んだタイミングによっては、生理開始予定日よりだいぶ前に消退出血が起こることもあり、服用の翌日に出血したケースもあります(※1)。
「出血しない」ということは基本的にないため、なかなか出血がみられないときは、「消退出血が遅れているだけ」と考えられます。これまでの研究結果では、遅くともアフターピルを飲んで3週間以内には消退出血が起こります(※1)。
アフターピル服用後に出血が止まらない!続く期間は?
アフターピルを飲んだあと、出血がなかなか止まらないと焦ってしまうかもしれません。
しかし先述のとおり、アフターピル服用後の消退出血は、生理とほぼ同じです。通常の生理のように、3~7日間ほど出血が続いたあとに止まるのであれば、大きな心配はいりません。
もし、1週間以上出血が続く、出血量がなかなか少なくならないなど、いつもの生理と明らかに違う場合は、念のためアフターピルを処方された婦人科で医師に相談してみるといいでしょう。
アフターピル服用後の出血が少量のときは?
基本的に、アフターピル服用後の出血は「消退出血」であり、普段の生理よりも出血量が少ないことが多くあります。
アフターピル服用後に出血があっても、量が少ないなどで妊娠が心配なときは、生理開始予定日を1週間過ぎてから妊娠検査薬を使ってみましょう。検査薬が陰性を示せば、妊娠していないといえます。
なお、検査薬を使うタイミングが早すぎると、正確な判定結果が得られないので、あまり焦らず、適切な時期に検査してくださいね。
アフターピル服用後の出血に慌てないで
「避妊できなかった」というだけでも気持ちが落ち着かないのに、そのうえアフターピルを飲んで性器出血があったら、焦ってしまうのは当然ですよね。
しかし、アフターピル服用後の消退出血は、「妊娠が成立しなかった」証拠と考えられるので、思っていたタイミングと多少ずれても、心配しすぎないようにしましょう。
アフターピルは、吐き気などの副作用もある薬なので、頻繁に使うことはおすすめできません。今後は、普段から低用量ピルやコンドームで避妊することも検討してみてくださいね。