桃の節句に欠かせない雛人形。引っ越しでサイズの異なる雛人形に買い替えたり、子供の成長によって処分しなければいけない状況になったりすることもありますよね。しかし、子供の成長を見守ってくれた雛人形を普通に処分してしまってもいいのでしょうか?そこで今回は、雛人形をどう処分するのか、供養は必要なのかについてご紹介します。
雛人形を処分してもいいの?

昔の人には、雛人形のような縁起ものは処分してはいけないという考えの人が多かったようです。
また、雛人形は職人による手作りのために高価なものが多く、一般的には女の子が生まれたときにママの実家から贈られるものであるため、処分することをためらう人も多いでしょう。
しかし、現代の住宅事情や環境を考えると、処分せざるを得ない人もたくさんいます。
最近の家庭では、子供の結婚を一つの区切りと考えて、そのときに嫁入り道具として持っていかないのであれば、処分する場合が多いようです。
雛人形の処分の方法は?

雛人形自体は布や木などで作られているため、燃えるごみとして処分することもできます。人形を飾っているガラスケースや土台などは、その素材を確認して各自治体のゴミの分け方にしたがってください。
ただ、雛人形のような人形を処分するのはどうしても抵抗があってできないという人もいると思います。そのような場合は、以下のような処分方法を参考にしてください。
欲しい人に譲る
雛人形は、一個人のものであり、持ち主の女の子の厄払いの身代わりといわれているので、他人に譲るなどということはあり得ないとされていました。しかし最近では、立派な雛人形を処分してしまうくらいなら譲ってほしいという人もいます。
雛人形の持ち主である人が、幸せな日々を送っていたり、立派な女性に成長したりしているのなら、なおのこと「福を分けてもらいたい」という人も増えています。
自治体によっては、祭りの一環として雛人形の里親探しを行っている地域などもあります。もし家の近くでそのような催しがあれば、参加してもいいでしょう。
売却する
雛人形の状態が、汚れもキズもなくきれいなものであれば、骨董品を扱うお店やリサイクルショップなどで買い取ってもらえることもあります。
また、最近ではネットオークションなどのサービスを使って、買ってくれる人を探す人も増えていますよ。
寄付する
自治体によっては、要らなくなった雛人形の寄付を募っていることもあります。また、児童養護施設や介護施設、老人ホームなどで雛人形を寄付してほしいというところもあるようなので、一度調べてみることをおすすめします。
寄付をしたい場合は、電話などで寄付を募っていることを確認してから持参するようにしてくださいね。
雛人形を処分するとき供養する方法は?

雛人形に限らず、人形やぬいぐるみには魂が宿るといわれています。そのため、人形やぬいぐるみを処分する際は、魂を抜くために供養を行う人が多いようです。
雛人形を供養してもらうときには、ある程度の費用がかかることがほとんど。その費用は、どのような方法で供養するかによって異なるので、事前に問い合わせましょう。
また、雛人形を飾ってあったケースや付属品などについては供養の対象ではないことが多いので、ゴミとして処分することになります。
雛人形の供養の方法には、下記のようなものがあります。
お寺や神社に持ち込む
雛人形などの供養の方法として一番知られているものに、お寺や神社で供養してもらうという方法があります。
もし、近所に供養してくれる神社やお寺がなくても、郵送で雛人形などの供養を受け付けている所もあるので、調べてみることをおすすめします。
葬儀業者・遺品整理業者に依頼する
近年、雛人形やぬいぐるみなどの供養を行う葬儀会社や遺品整理業者が増えてきています。
お経をあげて供養し、その後、お寺で焚き上げが行われるなどして処分されます。郵送で受け付けていることも多いですよ。
人形供養祭に参加する
お寺や自治体によっては、人形供養祭という、不要になった雛人形やぬいぐるみなどを処分するためのお祭りが催されることがあります。
例えば、明治神宮では毎年10月ごろに「人形感謝祭」の名前で行われ、当日持ち寄られた人形は供養されたのちに、処分されます。
人形供養を代行している団体に依頼する
日本人形協会では、「人形感謝(供養)代行サービス」を行っています(※1)。
申し込むと、人形を郵送するためのキット一式が届きます。それに処分したい雛人形などを入れて送付すれば、東京大神宮人形感謝祭で供養してもらえるというサービスです。
1年中いつでも受け付けていますよ。
人形店に依頼する
雛人形や五月人形などを扱う人形店のなかには、不要になった人形を引き取り、供養・処分するサービスを行っている店もあります。
その店舗で購入した雛人形ではなくても、受け付けてくれることが多いので、近所でこのようなサービスを行っている人形店がないか、調べてみてもいいでしょう。
雛人形を処分・供養するときは、感謝の気持ちを込めて

やむにやまれぬ理由だったとしても、長年子供の成長を見守っていてくれた雛人形を処分するかどうかは、悩ましいところ。
抵抗がなければ、大事にしてくれる人に譲ったり、施設などに寄付したりすると、処分されるよりは雛人形が喜んでくれるような気がしますよね。
しかし、魂が宿っている雛人形を他人に渡すことに抵抗がある人もいるはず。そんなときは、お寺や神社などで供養してもらうのが良いでしょう。
どんな処分方法を選択するにせよ、やはり一番大切なのは、雛人形への感謝の気持ちを忘れないようにすることではないでしょうか。雛人形を処分する際には、お雛様の気持ちを考え、一番納得のいく処分の方法を選んでくださいね。