子どもの進学のときに気になるのが費用面。小学校から大学まで、それぞれ公立(国立含む)と私立がありますが、それぞれの選択次第でトータルの費用は大きく変わります。
今回は、文部科学省の『平成30年度 子供の学習費調査』をもとに、小学校から大学までの費用を、私立・公立で比較しました。その結果、大学までの費用の差は最大で約3倍にもなることがわかりました!では、詳しくみていきましょう。
どんな費用がかかるの?
まず費用の内訳についてご説明します。小学校から大学まで、子どもの学習にかかる様々な費用を「総学習費」といいます。総学習費は「学校教育費」「学校給食費」「補助学習費」「その他」の4つに分けられます。
● 学校教育費:授業料、学校納付金、修学旅行費、遠足費、図書費、学用品費、学習材料費、通学費などが含まれます。
● 学校給食費:給食費として支払った経費です。中学〜高校から給食がなくなるため不要になります。
● 補助学習費:塾や家庭教師の費用、自宅学習に使う参考書や問題集費、学習に使用する本や椅子などの物品の費用が含まれます。
● その他:習い事や学習活動、スポーツや文化活動に要した費用。キャンプなどの野外活動・ボランティア活動の経費、美術館の入場料や交通費なども含まれます。
小学校でかかる学習費は?
ここからは具体的な費用についてご紹介します。まず小学校でかかる学習費です。
私立小学校に通うのは1.2%と少数ですが、私立小学校の1年間の総学習費は公立小学校の約5倍かかっていることがわかります(※1)。
公立小学校はほぼ横ばいで推移していますが、私立小学校は増加傾向にあります。
公立小学校の学習費の内訳は?
公立小学校は入学金や授業料もかからないため、私立小学校に比べて安価になります。
私立小学校の学習費の内訳は?
私立小学校は公立小学校に比べて、全てにおいて費用が多くかかります。特に学校教育費に含まれる「授業料」の負担が大きく、次に塾費や家庭教師費を含む「補助学習費」の負担が大きいです。
中学校でかかる学習費は?
私立中学校の総学習費は公立の約3倍かかっていることがわかります。
公立中学校の総学習費もほぼ横ばいで推移していますが、私立中学校の総学習費は増加傾向にあります。
なお、私立に通う中学生は全体の7.4%です。
公立中学校の学習費の内訳は?
公立中学校も授業料の負担が不要なため、私立中学校に比べて安価になります。
ただ、小学校と比べると、塾などの「補助学習費」が約3倍に増えているのが分かります。
私立中学校の学習費の内訳は?
私立中学校では、私立小学校より塾などの費用である「学校外学習費」や習い事の費用「その他」が少なくなっています。そのため年間の負担額は私立小学校より約20万ほど減っています。
高校でかかる費用は?
私立高校の総学習費は公立の約2倍かかっています。
公立高校の総学習費はほぼ横ばい、私立高校の総学習費は減少傾向にあります。高校生になると私立の割合がグッと増えて、約1/3が私立高校へ通っていますよ。
公立高校の費用の内訳は?
給食費が不要になったことや、習い事などの費用である「その他」の負担が減っていることから、公立中学校よりも費用の負担が小さくなっています。
私立高校の費用の内訳は?
私立高校では、私立中学校に比べて全ての項目で負担額が減少しています。ただ、「学校教育費」は公立に比べてまだまだ高く、年間100万円近い総学習費がかかります。
4年制の大学でかかる費用は?
それでは最後に大学の費用です。私立大学の授業料は国立の2倍弱かかっています。
ただ、私立大学の学費は「大学」と「学部」によってかなり差があります。国立よりも安い大学もあれば、年間5,000万円近くかかる医学部がある大学もあります。
文系では年間80万〜、理系では年間120万〜くらいと想定しておくといいでしょう。
ルート別の費用まとめ!
小学校から大学までにかかる学習費用をルート別でまとめました。
すべて公立/国立の場合で約700万円、すべて私立の場合で約2000万円と、その総額は3倍ほどの開きがあることがわかります。
ただし小学校が公立の場合に限ると、中学以降がすべて私立だったとしても約1300万円なので、総額の開きは約2倍におさまります。
将来の費用を見越して計画を!
ここまでご紹介してきた通り、大学までにはとてもたくさんの費用がかかること、またその総額は学校や学部の選択によって大きな差があることがわかりました。
「すべて子どもの希望通りに」というのは難しいかもしれませんが、できるだけ子ども自身が進みたい道を選べるよう、今から将来の費用を見越して計画してくださいね。