妊婦は静脈瘤になりやすい?妊娠中の血栓を予防する方法はある?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

ふくらはぎや太ももの静脈がボコボコと盛り上がっていたら「静脈瘤」かもしれません。静脈瘤は妊娠中に現れやすいトラブルですが、いったいどんなものなのでしょうか?こんなにボコボコした状態が出産後まで残ってしまったらどうしよう…と不安になりますよね。そこで今回は、妊娠中に静脈瘤ができやすい原因や症状、治療法、産後への影響、予防する方法などをご説明します。

静脈瘤(じょうみゃくりゅう)とは?

足

静脈瘤とは、血管が瘤(こぶ)のようにボコボコと膨らんだ状態をいいます。静脈は心臓へ血液を送る役割を果たしており、血液が逆流しないように弁がついています。ここの弁が正しく閉じなくなり、血液が逆流することで血管が瘤状に盛り上がるのです。

静脈瘤は血管であればどこにでも起こりうるものですが、妊娠中は特に下半身に起こりやすく、足にできるものを「下肢静脈瘤」、肛門付近にできるものを「陰部静脈瘤」と呼びます。

妊婦が静脈瘤になりやすい原因は?

妊婦 体 足

妊娠中に静脈瘤ができやすくなるのは以下2つの原因が挙げられます。

血液量の増加

妊娠中はお腹の赤ちゃんに酸素や栄養を供給するために血液量が増加します。同時に血液が通りやすいように血管が拡張しています。

一方で、妊娠によって分泌量が増える「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の影響で血管が固くなるため、弁の働きが鈍くなり、静脈の血流を妨げています。

子宮による圧迫

子宮が大きくなってくると、その重みで周辺の血管が圧迫されます。その結果、下半身の静脈が滞って血液が心臓に戻りにくくなり、静脈瘤を発症しやすくなるのです。

静脈瘤は体の変化が激しい妊娠初期から現れることもありますが、多くの人はお腹が大きくなり始める妊娠中期以降で起こりやすいので注意が必要です。

妊娠中の静脈瘤で現れる症状は?血栓ができることもある?

めがね 本 治療法

妊娠中は下半身の血管であればどこにでも現れる可能性があります。人によっては足や肛門付近だけではなく、会陰や膣の中にできることもあります。

静脈瘤はただ瘤のようなものができるだけではなく、以下のような症状も現れます。

● 足がつりやすい
● 足がむくみやすい
● 足が疲れやすい、だるい
● 足がかゆくなる

これらの症状は静脈瘤ができる兆候として現れることもあるので、足に違和感があるときは要注意。静脈瘤を疑って対処することが大切です。

また、静脈瘤自体は危険なものではありませんが、体の奥にある静脈の血流が悪くなっていると血栓ができることがあります。極まれにですが、血管が詰まって足が腫れる「深部静脈血栓症」や、肺の動脈を塞いで呼吸困難などを引き起こす「肺塞栓症」を発症する場合があります。

気になる症状があれば、妊婦健診時に相談しておきましょう。

妊娠中の静脈瘤は治療が必要?産後には治まるの?

妊婦 医師 診察

妊娠中にできた静脈瘤は、出産後には改善するケースが多いようです。自然に治まることもあるので、症状によっては、妊娠中に積極的な治療を行わない場合もあります。

しかし、静脈瘤が悪化すると体に悪影響をもたらす恐れはあり、様子を見ながら治療が必要になることもあります。基本的には日常生活の中で静脈瘤を悪化させないように気をつけながら、包帯などで圧迫して血液の流れをサポートする治療法や薬を使って瘤を抑える方法がとられます。

瘤の隆起がひどいときには手術をするケースもありますが、妊娠中は対症療法で様子を見ながら、出産後に手術するのが一般的です。

産後は元に戻ることが多いといいましたが、人によっては症状が改善しないケースもあります。その場合は様子を見ながら治療法を検討することになります。

妊婦が静脈瘤を予防するためには?

妊婦 寝る 

妊娠中の静脈瘤を予防するには、下半身の血行をよくすることです。そのためには、体を冷やさないようにして、血流をよくしましょう。

衣服に気を配る

● 体を締め付ける服を避け、ゆったりしたものを選ぶ
● 下半身の血行改善のために弾性ストッキングをはく
● 靴下は暖かい5本指ソックスにする
● レッグウォーマーを着用する

体を動かす

● 散歩やウォーキングなどの軽めの運動をする
● マタニティヨガやマタニティスイミングで体を動かす
● 空いた時間にストレッチをする

体をあたためる

● 生姜などを食べて体を温める
● アイスや冷たい飲み物は控える
● 毎日湯船に使って体を温める

妊娠中はマッサージで静脈瘤をケアしよう

足 マッサージ

日々の服装に注意して、運動もするなどで血行改善をすることは静脈瘤の改善だけではなく、妊娠生活を健康的に過ごすためにも大切なことです。静脈瘤は誰にでも起こる可能性があるので、妊娠中の生活には注意してくださいね。

また、下半身のマッサージをすることもおすすめです。マッサージをすると血の流れが良くなって静脈瘤の改善につながるだけでなく、疲労回復や冷え防止、むくみ・肩こりの解消、血流の活性化、ストレス解消など、たくさんのメリットがあります。

旦那さんにマッサージをお願いすれば、夫婦のスキンシップにもなるのでいいですよ。

セルフマッサージを日課にすると、産後の体のケアや健康促進にもつながります。産後に静脈瘤が消える頃には、産前よりも美しい体を手に入れられるかもしれませんよ。自分でマッサージする以外にもマタニティエステなどを受けるのも効果があるのでぜひ試してみてください。

こそだてハックに「いいね!」して情報を受け取ろう