乳歯の本数は何本?足りないときは何か問題があるの?

監修医師 歯科医師 茂山 久夫
茂山 久夫 九州歯科大学卒業後、同歯周病科にて4年間診療、その後開業医での勤務を経て、現在は福岡県中間市にて診療を行う。日本歯周病学会、J.A.C.D(The Japanese Academy of Compre... 監修記事一覧へ

生後6ヶ月を過ぎたあたりから可愛い乳歯が見えてくると、子供の成長を実感しますよね。でも、「何本生えたらいいのかな?」「いつ生え揃うのだろう?」と、気になることが出てきます。そこで今回は、乳歯のことについて、本数や生える時期、生え変わる時期から永久歯の本数まで、気になる子供の「歯」についてまとめました。

乳歯の本数は何本?

乳歯 歯 抜ける

乳歯は、生後6〜9ヶ月頃から生え始め、前歯から奥歯へと順番に生えていきます。1歳前後で離乳食に慣れ始めてきた時期には、乳歯の前歯がほぼ生えそろい、奥歯が顔を出し始めます。

2歳半~3歳頃には前歯が上下で12本、奥歯が上下左右合わせて8本の合計20本の歯が生えそろいます。個人差はありますが、永久歯が生え始めるのは5歳半~6歳くらいです。

乳歯の役割は?

本 ノート 時計

乳歯はいずれ抜けて永久歯に変わってしまうため、その役割を忘れられがちです。しかし乳歯には噛むこと以外にも多くの役割があります。

顔の形を整える

乳歯が生えることでものを噛めるようになり、顎が発達する。これにより赤ちゃんの顔の形が整う。

脳にいい刺激を与える

歯が揃ってくることで言葉の発音がしっかりしてくる。噛むことで脳への血流がよくなり、理解力などを高めやすくなる。

永久歯の生え変わりを補助する

乳歯から永久歯に生え変わるとき、乳歯の根は吸収されて、永久歯が生えてくるのを補助する。

乳歯の本数が少ないこともある?

歯 赤ちゃん 子供 歯並び 矯正

歯が生える時期には個人差があり、生後6ヶ月を過ぎても生えてこない子もいます。生える時期が遅くても、3歳半頃までに20本生え揃っていれば問題ありません。

ただ、生後1歳3ヶ月を過ぎても歯が生えてこないときには、歯科医に診てもらう必要があります。歯の芽ができない「先天性欠如歯」や、顎の骨が固すぎる、歯茎が厚すぎるといったことが原因になっている可能性もあります。

歯が生えてこない原因は、レントゲン撮影などで判明するので、1歳児検診のときなどに歯のトラブルを指摘されたときには、歯医者へ診察に行くようにしましょう。

乳歯の本数が少ない確率は?

グッズ グラフ そろばん 計算 確率 パーセント 比率

乳歯の本数が少なくないか、気になるママやパパも多いですが、日本小児歯科学会によると乳歯の先天性欠如があったのは、歯科を受診した7歳以上の子供の0.5%です(※1)。

また、永久歯の先天性欠如は10.1%。乳歯が生えそろっていたとしても、永久歯が生えずに歯の本数が少なくなることもあります。治療で対応可能なので、慌てずに歯科医に相談しましょう。

乳歯や永久歯の本数が足りないときの治療法は?

お風呂 歯

乳歯や永久歯の本数が足りないときには、年齢や状況に応じて治療を選択します。赤ちゃんのうちは、先天性欠如で乳歯の本数が少ないときでも、永久歯が足りないとは限らないため、経過をみていくことがほとんどです(※2)。

ただ、乳歯の本数が少ないときには同様に永久歯が少ないことも多く、まずは歯科医に相談するようにしましょう。レントゲン撮影を行い、今後の治療方針を次のように検討します。

乳歯をできるだけ残す

顎の成長が落ち着き、矯正治療が可能になる頃までは、今ある乳歯を残すように治療を行います。永久歯に比べて乳歯は虫歯になりやすいため、家庭での歯磨きに気をつけながら、定期的な歯科医でのケアが必要になります。

矯正治療を行う

矯正治療を行うかどうかは、顎のバランスや噛み合わせなど、歯の状況によって判断されます。個人差はありますが8〜10歳頃に初期治療を開始し、生えるべき永久歯が生えたら、残っている乳歯も利用しながら歯並びを矯正していきます。

インプラントや入れ歯で補う

乳歯を可能な限り保ち、矯正治療で歯並びを整える治療を行いますが、乳歯が抜けてしまったり、歯が多数足りないときには、インプラントや部分入れ歯での治療に切り替えます。切り替え時期はだいたい20歳前後で、骨の成長が止まることをまって歯を補う治療法を検討します(※3)。

乳歯の本数が多いこともある?

男の子3歳 笑顔  歯並び うれしい 楽しい

乳歯の本数が多い場合もあり、上顎の真ん中から小さい歯が生えて、過剰歯になることがあります。

過剰歯は基本的に抜歯によって対応します。抜歯を行うかどうかは、永久歯が生え変わる際に邪魔にならないかがポイントで、歯並びを悪くしたり、永久歯を溶かしてしまうようだと、早めに抜歯することを選択します。

乳歯から永久歯への生え変わりではなく、前歯あたりに歯がもう一本見え始めるようなことがあれば、小児への対応も行っている歯科を受診するようにしましょう。

乳歯の本数を保つのに大切な虫歯対策は?

注意

永久歯がいつか生えるからといって、乳歯の手入れを行わずに虫歯になって、本数を減らしてしまうことはあってはいけません。乳歯の状態は永久歯の生え方に影響するため、乳歯の段階でいい歯の状態にしてあげる必要があります。

最初から虫歯菌を入れない

赤ちゃんの虫歯の主な原因は遺伝ではなく、虫歯菌を持つ親から感染することだとされています。生まれたばかりの赤ちゃんの口内には、虫歯の原因になるミュータンス菌が存在していないからです。

ママやパパが口につけた食べ物を赤ちゃんが食べたり、愛情表現のつもりで赤ちゃんにキスをしたりすると唾液を介して虫歯菌が感染してしまいますので注意してくださいね。

ご飯を食べさせるときは赤ちゃん専用のスプーンを使い、赤ちゃんの分をあらかじめ取り分けたお皿からあげるようにしましょう。コップもパパ・ママとは別に用意しましょう。

虫歯の栄養を増やさない

ジュースやスポーツドリンクのような糖分が高い飲み物は、歯の表面の組織を溶かす「ミュータンス菌」という菌の活動を助けてしまい、虫歯になりやすくなるため、できるだけ避けましょう。水分は、お水やお茶を飲ませてあげてくださいね。

小さいうちから歯磨きに慣れさせる

下の前歯はいつも唾液にさらされていることもあって虫歯になりにくいのですが、上の前歯やだんだん生えてくる奥歯は唾液があたりにくく、歯の溝に垢がたまりやすいこともあって虫歯になりやすいといわれています。

虫歯になった乳歯を放置して重症化すると、永久歯が生えてきたときに、歯の変色や虫歯のリスクが高くなる可能性があります。

また、けがなどで乳歯を失ってしまうと、噛み合わせや歯並びにも影響が出てきます。赤ちゃんが健やかに成長するには乳歯のケアは欠かせません。この時期から歯磨きをしっかりして虫歯の予防をすることで、永久歯がしっかりと生えてきますよ。

乳歯の本数を保つ、歯のケアを嫌がるときはどうする?

赤ちゃん 歯ブラシ 歯磨き

1~2歳の赤ちゃんは好奇心が旺盛なので、落ち着きがなく、ゆっくり歯を磨くのは難しいですよね。まず、できるだけ短時間で磨くようにしてみましょう。

嫌がって泣いているのに無理をして磨き続けると歯磨きが嫌いになってしまい、ますます歯磨きを習慣づけることが難しくなります。

「こわい虫歯になるよー」などと怖がらせるのではなく、絵本やテレビを見る、歌を歌ってあげるなどして、赤ちゃんにとって楽しい雰囲気を作ってあげられるといいですね。

乳歯の本数が、永久歯に影響することも

子供 はみがき 歯ブラシ

赤ちゃんの成長にとって、歯がもっている役割はとても大きいものです。乳歯の本数が先天的に少ない、多いこともあると考えると、知らずに驚かないように、事前に対処法を知っておき、実践していきたいですね。

「乳歯はいずれ生え変わるから、虫歯になっていても大丈夫!」などと軽く考えず、きれいで丈夫な永久歯を育てるためにも、乳歯の本数が保たれるように、ケアをしっかりしてあげてくださいね。

こそだてハックに「いいね!」して情報を受け取ろう