例年11〜12月頃から流行り始めるインフルエンザですが、今年はすでに感染者数の増加が続いているため注意が必要です(※1)。
今回は、インフルエンザの主な症状や病院へ行くタイミング、予防方法についてご紹介します。
インフルエンザの主な症状
インフルエンザは、主に以下のような全身症状が突然あらわれるのが特徴です(※2)。
主な症状
● 38度以上の高熱
● 頭痛
●関節痛、筋肉痛
●全身のだるさ
●咳・鼻水
一般的な風邪の場合、のどの痛み、鼻水、くしゃみや咳などの症状が中心で、インフルエンザのような全身症状はあまり見られません。
普通の風邪と見分けるのは難しいですが、赤ちゃんに以下のような様子が見られたら、インフルエンザにかかっている可能性があります。
● 急に不機嫌になる
● ミルクを飲む量がいつもより少ない
● 泣き声がいつもより弱い など
赤ちゃんの様子がいつもと違うと感じたら、病院に行くサインと考えましょう。
病院へ行くタイミングは?
インフルエンザの場合、発熱してすぐの段階では正確な検査結果が出ないことがあります。病院に行くのは発熱から12時間以降を目安にするといいでしょう(※3)。
ただし、以下のような症状があれば、重度の合併症である「インフルエンザ肺炎」「インフルエンザ脳炎」などを発症している可能性があります(※4)。夜間であってもすぐに救急病院を受診しましょう。
● けいれんを起こした
● ぐったりしている
● 水分が摂れていない
● 嘔吐を繰り返す
● 呼吸が早い
迷ったときは小児救急電話相談(#8000)へ電話をして、病院に行くべきかどうかを確認してください。
幼児は異常行動による転落事故に注意!
インフルエンザにかかった際に注意してほしいのが「異常行動」です。発熱から2日間以内に、以下のような異常行動を起こす可能性があります(※5)。
● 突然立ち上がって部屋から出ようとする
● 興奮して窓を開け、ベランダに出ようとする
● 話しかけても反応しない
● 変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る など
異常行動による転落事故の危険もあるため、発熱後は以下のような対策をし、少なくとも2日間は子どもが1人にならないよう看病してあげてください。
□ 玄関や窓の施錠を徹底する
□ ベランダに面していない部屋で寝かせる
□ 窓に格子がある部屋に寝かせる
□ できる限り1階で寝かせる など
なお、異常行動の原因に抗インフルエンザ薬を服用しているかどうかは関係ないとされています。
インフルエンザワクチンはいつから打てる?
インフルエンザワクチンは、生後6ヶ月から接種できます。生後6ヶ月〜13歳未満は2回接種が必要で、1回目と2回目は2〜4週間あける必要があります。
ワクチン接種によって感染を100%予防することはできませんが、発症の予防・重症化の予防に有効とされており、ピークを迎える前の予防接種が推奨されています(※2)。
ただし、なかには次のような副反応があらわれることもあります。
● 接種した部位の腫れ、痛み、赤み
● 発熱、頭痛、悪寒 など
これらの副反応は接種後2〜3日で治るのが一般的ですが、他の予防接種で副反応の経験があるなど、不安なことがある場合には事前にかかりつけ医に相談しておきましょう。
ごくまれにアナフィラキシーなどの重い副反応があらわれることもあるので、気になる症状があれば念のため接種した病院を受診してください(※2)。
点鼻タイプのワクチンは接種できる?
鼻に噴霧する点鼻タイプのインフルエンザワクチン「フルミスト(生ワクチン)」。
痛みがないうえに予防効果が高く、その効果も長く持続するというメリットがあります(副反応の可能性は、他の予防接種と同様にあります)。
ただし、適応年齢は2〜19歳未満です。2歳になるまでは接種ができないので、覚えておいてくださいね(※4)。
家族で感染症対策を徹底しましょう
インフルエンザをはじめとする感染症の予防には、以下のように日頃からできる対策があります(※2)。
● 人混みを避ける
● 室内の湿度の維持(50〜60%)と換気
● マスクの着用
● 外出後の手洗い
● 睡眠や休養・バランスの取れた食事
● 手拭きタオルの共用を避ける
引き続き、家族みんなで感染症対策を徹底していきましょう。