夏の代表的な感染症のひとつ「手足口病」。例年は7月頃に流行しますが、今年は春先から早くも感染者数が増加。現在は一部の地域で警報級に拡大しつつあり、全国的にみても、過去5年間の同時期と比較してかなり多い数が報告されています(※1)。
そこで今回は、手足口病の症状と受診の目安をお伝えします。
手足口病の症状と受診の目安は?

手足口病は、手や足、口の中に水ぶくれのような発疹が出るウイルス感染症です。子どもがかかりやすく、感染者の半分は2歳以下の乳幼児です(※2)。
特に保育園や幼稚園で流行することが多く、夏に感染が拡大することが多いです。一度かかったことがあっても再びかかることもあります。
症状
● 口の中、手の平、足の裏、足の甲などに、水疱を伴った赤い発疹ができる
発疹の大きさは米粒ほどで、それほど大きくはありません。基本的に1週間ほどすれば症状は自然に治まっていきます。
熱が出ても38度以下がほとんどですが、水分不足には十分に注意するようにしてください。
受診の目安
手足口病は、感染するウイルスの種類によっては髄膜炎や脳炎を引き起こすこともあります(※2)。
上記の症状に加えて、元気がない、頭痛、嘔吐、高熱、2日以上発熱しているなどの異変があればすぐに病院を受診しましょう。
二次感染に注意して、予防を徹底しましょう

手足口病は、残念ながら予防接種も特効薬もないため、日常生活での感染予防が大切です。
感染経路は、主に咳やくしゃみなどによる飛沫感染と接触感染です。
すでに気をつけているご家庭も多いと思いますが、感染予防のために、手洗いや手指の消毒、マスクの適切な使用を家族で改めて徹底しましょう。
また手足口病は家族に二次感染することがあります。
手を洗ってもタオルにウイルスや細菌が残ることもあるので、できればタオルは家族で共用せず、個人用タオルを使うと安心です。また便を介した感染を防ぐために、おむつ替え後はすぐ手洗いと消毒をしてくださいね。
引き続き、夏の感染症に注意
現在、咽頭結膜炎や溶連菌の感染報告も増加傾向にあります。感染予防の基本は手足口病と同じく手洗いです。親子で予防に取り組んでくださいね。