3歳になるタイミングで、子供を幼稚園に通わせるという家庭も多いですよね。教育方針や育児方針は家庭によって様々ですが、有名私立や国立、大学付属の幼稚園になると、事前の準備がとても重要です。地域の幼稚園でも、簡易的なテストや面接があるところも。幼稚園入園にあたってどんな準備をすればいいのでしょうか?今回は、幼稚園受験について、倍率や出題される問題の内容、受験に必要な準備などをご説明します。
幼稚園受験とは?倍率はどれくらい?
幼稚園受験と一言でいっても、タイプはいくつかあります。
地域の幼稚園では、基本的な生活習慣を中心としたテストや親の面接で、応募者が多かった場合の選考基準のひとつとして受験を設けることがあります。
有名私立や国立の幼稚園、大学の付属幼稚園の場合は、小・中学校の受験や大学までの受験を見据え、基本的な生活習慣はもちろん、受験用に設けられた項目を満たす必要があります。親の面接も子供の受験に大きく影響してきます。
幼稚園によって倍率は大きく変わりますが、地域の幼稚園では少なくとも2倍。有名私立や国立、大学付属の幼稚園となると、少なくて10倍、人気のあるところでは30倍にもなるところがあります。
幼稚園受験の問題の内容は?面接もある?
幼稚園受験は、中学・高校の受験とは異なり、親の受験といわれるくらい、親が子供と一緒に取り組む必要があります。
受験の内容は、当たり前のことがどれだけできるかで変わってきます。「年齢に合った行動がどこまでできるのか」「母子分離ができるか」「1人で何をどこまでできるか」をはじめ、ママやパパの様子、子供との関係性を見るための面接も行われます。
ここでは、有名私立や国立の幼稚園と、地域の幼稚園の主な受験(考査)内容について、ご紹介します。
有名私立・国立幼稚園の主な受験内容
行動観察
行動観察は特に、幼稚園受験で重視される項目です。基本的な生活習慣(着替え・片付け)や、あいさつなど「当たり前のこと」ができるかどうかが見られます。
そのほか、「自由遊び」では、個人やグループでの遊び方や協調性が問われます。「親子遊び」では、親子の関係性を見る、「母子分離」ができるかどうかを見ることもあります。
知能
語彙力・話の理解・伝える能力・お話作りをするといった「言語」、物の形や数の理解・水などの量・色彩・子供の精神状態などを見る「図形」、話・絵・数・図形を記憶し、順番や分類、比較などを理解しているかを見る「記憶」などの項目があり、筆記テストで出題されることもあります。
巧緻性
手先の器用さを見るテストです。紙をちぎったり、破いたりできるかどうかを見ることが基本となります。ほかにも、ひも通し・はさみの使い方・塗り絵・お絵かき・積み木・ブロック遊び・パズルなどができるかを見ます。
指示行動
先生が指示した内容をしっかりと理解し、行動に移すことができるかを見ます。自発性や協調性、創造性などが問われます。
口頭試問
筆記テストをしない替わりに、口頭試験を行うというケースもあります。先生から聞かれたことに、適切な内容で答えられるかが問われ、指示行動にも関係します。
内容は筆記試験と同様のことが多く、会話が成立しているかどうか見ます。
運動
歩く・走るといった基本的な運動をはじめ、ジャンプ・ケンケン・跳び箱・四つん這いで歩く・平均台・動物の真似など、四肢の使い方やバランス感覚が見られます。ボール遊びやマット運動を行うケースも。
音楽・リズム
運動テストに含まれることもありますが、音楽に合わせてリズムがとれるかどうかを見ます。主にリトミックですが、集中力や理解力とともに、表現力や発表するときの創造力・表現力、発表力が問われます。
面接
面接は、子供と親に対して行われることがほとんどです。
子供にとっては、口頭試問にも関係してきます。自分の名前、年齢が言えるか、好きな遊びなどを聞かれることもあります。
親に対しては、家庭での教育方針や志望理由をはじめ、幼稚園の教育方針を理解しているかも試されます。
先生からみて、子供が幼稚園の方針に合っているか、親が常識的で、いわゆる「モンスターペアレンツ」ではないかなどを見られることもあります。
地域の幼稚園の主な受験内容
地域の幼稚園でも、有名私立や国立の幼稚園受験と基本的な内容や目的は変わりません。項数が細かく分かれていないことや、試験の合否というよりは現状を把握するために行う場合がほとんどです。
上記の有名私立や国立の幼稚園受験内容でいうと、「行動観察」と「親子面接」を行うケースが多いようです。
行動観察のなかで、知能、運動、巧緻性、母子分離の状況を見て、面接のときに言語を把握します。親の面接も同様、志望理由や教育方針といった基本的なことを含め、トイレトレーニングの状況などを確認することもあります。
幼稚園受験はいつから準備すればいい?
幼稚園受験をする場合、事前に親が調べることや準備することが多く、前もって受験までの流れを知っておくことが大切です。
ここでは、幼稚園受験までの主な流れと、準備しておくと良いことをご紹介します。
受験までの流れ
1. 幼稚園探し
2. 行事や入園説明会に参加
3. 志望園を確定
4. 受験準備
5. 願書の準備
6. 願書提出
園によって様々ですが、が6月~10月にかけて「入園説明会」が行われます。それよりも先に、5月後半から見学ができる日を設けている幼稚園もあれば、説明会と一緒に見学するところもあります。
願書の受け付けと入試の多くは、11月頃に設定されています。願書の締め切り日は限られているので、郵送する場合は余裕のある日程で送るようにしましょう。念のためコピーをとり、面接前に再確認するのがおすすめです。
子供と親の準備
幼稚園受験のための教室に通う家庭もありますが、普段の生活のなかでも、以下の基本的なものは習慣にしておくと良いですね。
ママやパパも、面接で混乱しないよう、志望園についてよく知っておきましょう。
子供の準備
・基本の挨拶がどんな状況でもできるようにしておく
・自分の名前、年齢、好きなものが言える
・質問に適切な内容で返せる
・食事、手洗い、トイレ、睡眠、服や靴の着脱が1人でできる
・約束やルールが守れる
・適度な運動で体力をつけ健康体を心がける
・積み木やブロック、お絵かき、アスレチック遊びなど、様々な体験する
・集団テストで驚かないよう、友達や大勢の同年代と接する機会を作る
親の準備
・親子の会話に数字や多くの語彙を含める
・子供が思っていることや意見を聞くようにする
・スキンシップやコミュニケーションを密にとり、母子分離をしても安心できる信頼関係を構築する
・志望園の環境、教育方針を認識しておく
・志望理由をスムーズに答えられるようにする
・子供の好きなものや得意なもの、長所・短所が言えるようにしておく
・家庭での教育方針を言葉にして伝えられる
幼稚園受験は親子での取り組みが大切
入試や面接の直前に受験対策をしても、なかなか思うように進まないことがほとんどです。受験する子供もまだ幼いので、1~2週間ですぐに習慣化できるものではありません。
幼稚園受験は、日常の中で対策に取り組むことが一番の方法ですよ。習いごとや教室に通ったり、参考書で対策を考えたりするのも良いですが、ママやパパとの信頼関係を特に優先して取り組みましょう。
しかし、「できるようになること」ばかりを求めると、子供や親のストレスにも繋がります。考査項目にとらわれ過ぎず、自由に遊ぶことも交え、リフレッシュすることも忘れないでくださいね。