妊娠中は安定期でも何が起こるかわからないので、基本的に妊婦さんの長距離移動はおすすめしません。
しかし、GWの大型連休を利用して、里帰り出産の準備や家庭の事情等で遠方の実家に帰省を検討している方もいるかもしれません。
そこで今回は、パパも知っておきたい妊娠中の長距離移動のリスクやすべきことをご紹介します。
長距離移動で起こりうるリスク

妊娠中に長距離移動を検討している場合、以下のようなリスクをしっかりと把握したうえで判断することがとても大切です。
急な体調不良に対応しにくい
飛行機、新幹線、フェリー、高速道路での車移動の場合は、体調が悪くなってもすぐに降りることができません。
移動手段によっては添乗員さんへ相談すれば横になれるスペース等を案内してもらえる可能性はあります。しかし、医療的な処置は受けられないことがほとんどです。
また、妊婦さんが1人で運転するのは、突然の体調不良の際に事故につながるリスクがあります。
移動先の病院で受け入れできないことも
万が一、移動中・移動後の滞在先で体調が悪くなったり、切迫早産や早産などが起きたりした場合は、現地で病院を探す必要があります。
状況によっては受け入れ先が見つかりにくい場合や、すぐには受診できない場合があるリスクも覚えておきましょう。
出発前に必ず行う4つのこと

やむを得ず、妊婦さんと長距離移動が必要な場合は、出発前に必ず以下を確認しましょう。
1. 出発前の妊婦健診で医師に確認
妊婦健診の際に、移動先の場所・移動時間・移動方法を含めて、遠出することを必ず医師に相談してください。出発前の妊婦健診から移動当日までに期間があく場合は、直前にもう一度健診をする必要があるか確認すると安心です。
2. 移動先の産婦人科を調べておく
移動先で体調が悪くなったときのために、連休中に救急対応してくれる近くの病院を事前に調べておきましょう。
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3. 時間に余裕をもったスケジュールを立てる
妊娠中は疲れやすいため、体調に合わせて適度に休憩を挟めるようにしておくと安心です。また、乗り継ぎ等がギリギリで走らせるようなことがないよう、余裕をもったスケジュールを組みましょう。
4. 重たい荷物は移動先に送っておく
重い荷物の持ち運びや、棚などへの上げ下ろしは体に負担がかかるため、パパが担当しましょう。移動中に必要な最低限の荷物以外は移動先に送っておき、妊婦さんが身軽になる状態で移動してください。
移動中に気をつけること

移動中は以下の点を意識しつつ、できるだけリラックスした気持ちで過ごさせてあげましょう。
エコノミークラス症候群の予防に努める
長時間同じ姿勢でいるとエコノミークラス症候群のリスクが高まります。下記の2つの対策をして予防に努めてください(※1)。
こまめに水分補給をする
水分を十分に取らない状態でいると、血液の流れが悪くなります。また、新幹線や飛行機などは乾燥もしやすいので、こまめに水分を摂るように気をかけてあげましょう。
できる範囲で体を動かす
足の指を開いたり閉じたりする、かかとの上げ下ろし運動をする、ふくらはぎを軽く揉むなど、できる範囲で体を動かしてください。持ち運び可能なフットレストを持参するのもおすすめですよ。
体温調節可能&動きやすい服装をする
外は寒くても、乗り物内は暖房が効いていて暑いと感じることが多いです。着脱しやすく温度調節が可能な服装が◎です。また、体を締め付けるような服は血行を妨げる原因になるので、ゆったりとした動きやすい服をすすめてあげてください。
休憩時間を設ける
車での移動の際は、パーキングエリアなどでこまめに休憩を挟んでください。公共交通機関を使う場合も、乗り継ぎの間に余裕を持たせるなどして、休憩時間を作るようにしましょう。
長距離移動で必ず持っていくもの

妊娠中の長距離移動の際は、以下の3つを必ず携帯してください。
● 母子手帳
● 健康保険証
● 緊急連絡先(かかりつけの病院や連絡してほしい人を書いたメモ)
必須ではありませんが、体温調節のための羽織物やエチケット袋をはじめ、連絡したいときにスマホの充電がない状態を避けられるようモバイルバッテリーなども準備しておくと良いでしょう。
何かあったときにすぐに妊婦だと分かってもらえるよう、マタニティマークをカバンにつけておくと安心です。
移動当日の体調も必ず考慮しよう
妊娠経過が順調な妊婦さんは、「自分に限っては…」と思ってしまいがちです。しかし、無理は禁物。既に飛行機や新幹線の予約をしている方も含め、移動する当日の妊婦さんの体調を鑑みて最終判断するようにしてくださいね。