現在インフルエンザや新型コロナが流行していますが、同時にアデノウイルスによる感染症「咽頭結膜熱(プール熱)」が例年よりも多くみられます(※1)。
今回は、アデノウイルスに感染した場合の主な症状や、高熱による熱性けいれんが起きた場合の対応方法、保育園を休む期間についてご説明します。
アデノウイルスによる咽頭結膜熱の症状は?

「咽頭結膜熱」に感染すると、主に以下のような症状があらわれます(※2,3)。
症状
● 38〜39度の高熱
● 頭痛
● 食欲不振
● 全身のだるさ
● 喉の痛み
● 結膜炎による目の痛み、かゆみ、目やに
症状は3〜5日程度で落ち着きますが、高熱が出る期間が比較的長く5日前後続くことも。吐き気や咳が激しい場合は、早めに病院を受診しましょう。
5歳以下の感染が約6割とされており、新生児が感染するケースもあります。新生児が感染すると重症化のリスクがあるため注意が必要です。
高熱で熱性けいれんが起こったら?

生後6ヶ月~5歳までの乳幼児は、38度以上の発熱時に「熱性けいれん」を起こすことがあります。
ほとんどは5分以内に治まります。落ち着いて対応できるよう、以下を確認しておきましょう(※4)。
熱性けいれんの症状と対応方法
● 手足をガクガク震わせ、顔色が悪くなる
● 突然意識がなくなり、白目を向く
● 体をそらせるように硬くする
● 体の力が抜けてボーッと意識がなくなる
□ 息がつまらないように、頭をすこし後ろに反らせて気道を確保する
□ 衣服がきつそうならゆるめてあげる
<もし可能であれば>
□ 「けいれんが続いた時間」と「けいれんが治まってから意識が戻る時間」を計る
□ 熱性けいれんの様子を動画で撮影する
けいれんが続いた時間や詳しい症状の記録は、受診時に重要な情報となります。
もし、5分以上けいれんが続いたり、治まっても意識がなかなか戻らない場合には、すぐに救急病院を受診してください。
初めて熱性けいれんを起こした場合は、念のため小児科を受診しましょう。
対応するときの注意点
症状を悪化させる可能性があるため、以下の2点に注意しましょう。
● 大声で呼びかけたり激しく揺さぶったり、頬を叩いたりするなどの刺激は与えない
● 誤飲や怪我の原因になるので、口にものを入れない
咽頭結膜熱になったら保育園は何日休む?

アデノウイルスによる咽頭結膜熱は、インフルエンザやおたふく風邪などと同様に、学校や保育園で流行が広がりやすいとされる「第二種感染症」に指定されています(※5)。
感染した場合は、発熱、咽頭炎、結膜炎などの主要症状が消失した後2日を経過するまで保育園をお休みする必要があります。保育園によって登園許可証が必要な場合と不要な場合があるため、確認してくださいね。
家族みんなで感染予防を徹底しましょう
アデノウイルスの主な感染経路は、主に咳やくしゃみなどによる飛沫感染と接触感染です。プールの水を介して感染することもあります(※2,3)。
手洗いや手指の消毒、マスクの適切な使用を家族で改めて徹底しましょう。できればタオルは家族で共用せず個人用タオルを使うと家庭内感染対策になりますよ。