争いのない世界や平和の素晴らしさを伝えるためにも、子どもに教えておきたい「戦争」。しかし、低学年ではまだ理解が難しいことや、衝撃が強く動揺してしまうのではないかと、伝え方に悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、子どもにわかりやすく伝えることができる、「戦争」がテーマの絵本を紹介します。
戦争はどうやって教えたらいいの?
戦後70年を超えて、今では実際の戦争の体験談を聞く機会はほとんどありません。ただ、戦争の痛みや恐ろしさを忘れないためにも、大人は子どもたちに伝えていく必要があります。
ただ、小学校低学年の子どもへの伝え方は難しいですよね。そこでおすすめなのが、絵本の読み聞かせです。絵本は子どもにわかりやすい表現やイラストを使っていることや、考えるきっかけを与えてくれる内容が多いため、はじめて「戦争」を知るのにおすすめです。
今回は、怖くて読むことを拒否されるような絵本ではなく、思わず聞き入ってしまうようなものを編集部が5冊厳選しました。絵本の読み聞かせをして、親子で感想を言いあえるといいですね。
低学年におすすめの「戦争」がテーマの絵本
1. へいわとせんそう
詩人の谷川俊太郎さんの端的な言葉と、Noritakeさんのシンプルなモノクロの絵をあわせた作品です。
子どもの立場から見た「平和なとき」と「戦争のとき」が左右それぞれのページに載っていて、比較できるようになっています。
戦争になってしまったら、大好きなパパやママはどうなる?勉強は?生活は…?子どもからみた日常がどのように変わるかがわかりやすく描かれています。
最後のページがとても印象的で、敵も味方も同じ人間で、尊い命であることは変わりがないことを教えてくれますよ。
平和な日常の素晴らしさと、戦争の恐ろしさが伝わる1冊です。
- 税込価格
- 1,320円
2. かわいそうなぞう
1970年に出版されて以来、版を重ねているロングセラーの絵本です。
上野動物園での実話をもとに作られた物語で、戦争で殺処分をされることが決まった象と飼育員の苦悩が綴られています。
罪のない象の姿は心を揺さぶり、理不尽さに思わず涙が出てしまいます。戦争について深く考えるきっかけになる1冊です。
- 税込価格
- 1,210円
3. 字のないはがき
直木賞作家の向田邦子さんの実話をもとに作られた絵本です。
戦争中、ちいさな妹が疎開するとき、お父さんは「元気なときは大きな○を書くように」と、たくさんのはがきを渡します。大きな○がついたはがきは、次第に小さな○になり、やがて×になり…。
絵本を読みながら、妹の無事を祈らずにはいられません。家族愛や、戦争の時代を生きている人の暮らしや思いが伝わってきます。読むと胸がきゅっと締め付けられるような気持ちになる1冊です。
- 税込価格
- 1,650円
へいわってどんなこと?
日本・中国・韓国の絵本作家による、3カ国12人の協力で実現した、平和を訴える絵本です。日本からの視点だけではなく、他の国の視点から見られるところが、他の絵本との大きな違いです。
「きっとね、へいわってこんなこと。せんそうをしない。ばくだんなんかおとさない。いえやまちをはかいしない…」
日常を過ごしているときにはなかなか気づけない、「平和」のありがたみが伝わる1冊です。
- 税込価格
- 1,650円
わたしの「やめて」
京都大学の学生と教員が中心となって、世界が平和で自由な社会であるためにはどうすればいいのかを考えながら作られた絵本です。
戦争とはなにか、なぜ起こるのか、起きたらどうしたらいいのか。わかりやすくしっかりと書かれています。
学校では、誰かを傷つけるためではなく、誰かを守り、お互いを尊重するためであることを教えてくれます。
この本は、一人ひとりが他人事として傍観するのではなく、行動を起こす必要があることを啓発し、「どうして戦争はしてはいけないの?」という問いの答えを教えてくれる1冊です。
- 税込価格
- 1,430円
子どもと一緒に「戦争」について話してみよう
戦争がテーマの絵本は、子どもが進んで読みたいと思えるような内容ではないかもしれません。平和を祈る心を育むためにも、親子で読んで話す機会を作ることは大切なことかもしれません。平和の大切さを子どもと分かち合えるといいですね。
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