新年を迎える大晦日〜正月にかけて、日本ならではの伝統的な風習がたくさんあります。大人にとっては当たり前かもしれませんが、子どもからすると「なぜ?」「なに?」がたくさんあるはず。
そこで、子どもに尋ねられたときに答えられるよう、大晦日〜お正月の風習についてまとめて説明します。
大晦日〜お正月の主な風習は?
日本では、お正月を迎えるための準備から、新年を迎えたあとまで、さまざまな風習があります。
大晦日〜お正月の身近な風習は以下の通りです。
2. 年越しそば
3. 除夜の鐘
4. お屠蘇(おとそ)・お雑煮・おせち料理
5. 初詣
次から、それぞれの風習について詳しく紹介します。
「お正月飾り」の意味や理由は?
お正月飾りには、主に以下の3つがあります。
● 門松
● しめ縄飾り
● 鏡餅
どれも12月26日以降に飾り始めるのが一般的です。縁起の良い12月28日や、キリが良い12月30日に飾るのがいいといわれています。
「二重苦」につながる12月29日や、葬儀と同じ「一夜飾り」になる大晦日の12月31日は避けたほうがいいでしょう。
門松
門松は、家、ビルなどの門前に立てられる、松や竹を使った飾りです。
元旦に、家に新年の幸せをもたらすために、高い山から降りてくる神様=年神さまを迎える目印として、門に左右一対を飾ります。
しめ縄飾り
お正月が近づくと、いろいろな売り場で見かけるしめ縄飾り。神聖な場所であることを伝えるもので、門松と同様、神様を迎える目印になります。玄関付近に飾ります。
門松やしめ縄飾りを飾るのは「松の内」の期間です。地域により期間が異なり、関東では1月7日まで、関西では1月15日までとされています。
鏡餅
大小のお餅2つを重ねた鏡餅。古来から神様は鏡に宿るとされていました。お餅を鏡に見立ててお供えし、家へ訪れた年神さまの依り代(居場所)となります。
基本的には神棚や床の間に置きますが、神棚や床の間がない場合は、リビングや玄関に飾りましょう。
鏡餅は縁起の良い12月28日にお供えし、1月11日に下ろすのが一般的です。
「年越しそば」の意味や理由は?
大晦日は年越しそばを食べる日と定着しています。その理由には諸説ありますが、主に以下に由来しています。
● 細く長く伸びること=長寿や開運を願う
● そばの切れやすさ=苦労や不運を断ち切る
食べる時間に決まりはありません。タイミングのいい時間帯や家族がそろう時間帯など、各家庭の都合で決めてくださいね。
「除夜の鐘」の意味や理由は?
除夜の鐘は、大晦日の夜から新年を迎える午前0時をはさんで、寺院の鐘を108回つく行事です。
「108」は人間の内側になる煩悩の数。
煩悩は「自分の欲によって自分自身を苦しめる心」で、煩悩を鐘の音で1つずつ消して新年を幸せな1年にするために、鐘を108回つくとされています。
「お屠蘇(おとそ)・お雑煮・おせち料理」の意味や理由は?
お屠蘇
お屠蘇(おとそ)はお正月に飲むお酒のこと。本来は数種類の薬草を日本酒やみりんなどに浸した薬膳酒を飲みますが、現代では薬膳酒のかわりに日本酒を飲むのが一般的です。
● 正月をお祝いする
● 邪気を祓う
などの意味が込められています。
元旦に、年少者から年長者の順で、飲み干した盃をまわしますが、子どもや妊婦さんなどお酒を飲めない人は、口をつけるだけの形式的なもので済ませます。
お雑煮
お屠蘇のあと、お雑煮をいただきます。お雑煮は、年神さまをお迎えするためにお供えし、心が宿ったお餅のお下がりをいただく料理。
● 新年を健やかに過ごすための力をいただく
という考え方で、お雑煮を食べます。具材に使う、お餅、にんじん、大根には、家庭円満、子孫繁栄、魔除けなどの願いが込められています。
一般的に1月1〜3日の三が日に食べます。
おせち料理
おせち料理を正月に食べるのは、以下の理由があります。
● 家に訪れた年神さまをもてなす
● 年神さまへのお供えを食べてご利益にあずかる
日々ごはんを作る人がゆっくり休息を取るためという理由もあります。
また、おせち料理に使う食材にもひとつひとつ意味が込められています。
黒豆=まめに働けるように
伊達巻=学業成就
栗きんとん=金運上昇
紅白かまぼこ=魔除け(紅)、清浄(白)
数の子=子孫繁栄
なます=家族の平和
煮物=家庭円満
ぶり=立身出世
えび=長寿祈願
煮物=家庭円満
おせち料理は「福が重なる」ように重箱に入れますが、現在では食べる量だけお皿に盛りつけることも多くなっています。
初詣
初詣は、新年を迎えて初めて神社やお寺などに参拝し、1年の健康や幸せを祈願します。
初詣に出かけるときは、古いお札、お守りや前年の破魔矢などを持参して、神社に納めます。
多くの人が三が日に済ませますが、この日までにといった決まりはないので、都合の良い日に出かけてくださいね。
日本の伝統的な風習を知ってお正月を楽しもう
昔から継承されている風習には、それぞれ大切にしたい意味や理由があります。子どもたちにも日本特有の伝統を伝えて、家族みんなでこの時季ならではの風習を楽しみましょう。