何かと出費がかさむ小学校生活。所得制限がありますが、行政からの補助が受けられるケースがあることをご存知でしょうか。
今回は、2022年6月時点で小学生の子どもを持つ家庭が受けられる支援について紹介します。
児童手当
子どもが生まれてからすぐに申請している「児童手当」は、引き続き受給できます。
児童手当の減額される・支給されない世帯は?
2024年10月から所得制限が撤廃されたため、減額や支給がない世帯はなくなりました。
今まで児童手当をもらっていなかった世帯は、新しく申請が必要な場合があるので、お住いの自治体に確認してみてくださいね。
児童扶養手当(ひとり親対象)
18歳までの子どもがいて、所得が基準を下回る場合に対象となります。
児童扶養手当の所得制限って?
所得制限は以下のとおりです(※9)。家庭の事情がある場合などは条件が異なることがあるので、自治体に確認してみてくださいね。
子どもの人数 | 母、父または養育者 | |
---|---|---|
全額支給の所得制限限度額 | 一部支給の所得制限限度額 | |
0人 | 69万円未満 | 208万円未満 |
1人 | 107万円未満 | 246万円未満 |
2人 | 145万円未満 | 284万円未満 |
3人 | 183万円未満 | 322万円未満 |
児童扶養手当の支給額は?
支給額は子どもの人数によって異なり、物価によって改定があります(※10)。
全額支給 | 一部支給 | |
---|---|---|
児童1人 | 45,500円 | 10,740円から45,490円まで |
児童2人目以降の 1人あたりの加算額 |
10,750円 | 5,380円から10,740円まで |
ひとり親家庭等医療費助成制度
親もしくは子どもが医療機関を受診した場合、医療費の一部負担金を県と市町村で助成する制度です。
対象になる治療は?
通常の治療費だけでなく、薬剤費やコルセットなどの治療用装具も対象となります。
ただし入院時の食事療養標準負担額は、自治体によっては負担しないところもあるので注意が必要です。
ひとり親過程等医療費助成制度の所得制限は?
児童扶養手当の所得制限と同様になります。
給食費補助制度
給食費援助制度は自治体によっては行っていないところもあります。
2018年の調査では、給食費の無償化をしている自治体は4.7%、一部無償化や一部補助をしているのは24.4%でした(※7)。お住いの自治体が実施しているか確認してみてくださいね。
東京都足立区の例
足立区では、以下の条件を満たす世帯に給食費が援助されます(※8)。
子ども全員が区立小学校・中学校に在籍している場合、2人目の子どもの給食費は半額、3人目からは全額を援助してもらえます。
就学援助制度
教育の経済的負担を軽減するために、学校教育法に基づいて自治体が実施している支援制度で、全国で約14%の子どもが就学援助を受けています(※2, 3)。
自治体によって支給金額が異なりますが、年間6〜8万円程度を補助してもらえます。
自治体が定めた準要保護世帯って?
準要保護世帯とは、世帯全員の去年の総所得額が自治体の基準額を下回っている世帯のことです。
教育委員会がある程度の基準を設けていますが、ほとんどの自治体が条件を緩和しています(※3, 4, 5)。
源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を世帯で合計してくださいね。
持ち家かどうかや親の年齢などでも条件が変わってくることもあるので、自治体へ確認してみましょう。
東京都練馬区の実例
東京都練馬区では、「給食費」「学用品・通学用品費」「学校行事費」などをあわせて子ども一人あたり年間で6万5千円程度が支給されます(※6)。
4〜5月に申請をした場合は7月上旬、6月以降の場合は60日以内に審査結果が郵送されてきますよ。
小学校入学準備支援金
「就学援助制度」の一部ですが、小学校に入学する前の12月〜3月あたりに支給される支援金制度もあります。ただし、審査する所得の年度が小学校入学後に申請する就学援助制度とは異なるので、どちらか一方のみが対象となる家庭もあります。
就学援助制度の入学支援金と併用できる?
小学校入学準備支援金を入学前に受給した場合は、入学後に「就学援助制度」の申請をして受給が決まっても「小学校入学準備費」は支給されません。
小学校入学準備支援金の所得制限は?
基準となる所得は、就学援助制度の準保護世帯と同様です。
助成制度があることを知っておこう
助成制度の所得制限は、年収の額面ではなく「給与所得控除後の金額」が対象となるので覚えておきましょう。子どもと家庭を支援してくれる制度を知っておくと、何かあったときでも安心ですよ。