中学受験を具体的に検討していなくても、「中学受験させる可能性はゼロではないのかも」と考えるママ・パパは案外多いかもしれません。しかしその際気になるのが費用面ですよね。
そこで今回は、私立と公立の中学校では学習費が一体どれくらい変わるのか、また受けられる補助金制度についてご紹介します。
中学校でかかる費用は?
平成30年度の調査によると、子ども一人当たりの1年間の学習費の総額は上記のとおりです(※1)。
月額に平均すると、公立では40,700円、私立では117,203円かかっています。前回の平成28年度の調査と比べると、公立中学校は同程度ですが私立中学校は6%増加しています。
学習費は「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」の3つから構成されます。どのような費用がかかっているのか、以下から詳しく見ていきましょう。
学校教育費
学校教育のために支出した全経費である「学校教育費」は、私立中学校が公立の約7.7倍という結果に。
この主な理由としては、以下が考えられます。
● 授業料がかかる
● 学校納付金がかかる
● 寄付金がかかる
● 遠方から通うため通学費が高くなりがち
他にも、制服代や修学旅行費、PTA会費など全ての費用が公立中学校よりも少しずつ高くなっています。
学校給食費
私立では給食がない中学校が多いため、学校給食費は公立より少ない結果となっています。
学校外活動費
学校外活動費は、公立と私立でそこまで大きな差はありません。
ただ、私立では学習塾費よりも、以下のような習い事などの費用の割合が高くなっています。
● 体験活動・地域活動(キャンプ費など)
● 芸術文化活動(音楽系の習い事代など)
● 教養・その他(本代・習字の習い事代など)
公立では、受験のために塾に通う人が増えて「学習塾費」が大きな割合を占める高い結果になっています。
補助金はどんな人が使えるの?
私立中学校の学習費が公立よりかなり高額であることに驚いた方が多いかもしれません。しかし一方で公立中学校に通わせても月に4万円ほどの学習費が必要であることに、不安を感じた人もいるのではないでしょうか。
そこでご紹介したいのが補助金制度です。条件を満たせば市町村から補助金が受けられるので、以下を確認してみてくださいね。
なおこの制度は小学校でも使えるので、該当するかを確認の上、もし該当しているけれど補助金を受けていない場合は、至急申請を行ってください。
どんな人が補助金の対象になるの?
補助金の対象者は以下のとおりです。
② 市町村教育委員会が①に準ずる程度に困窮していると認める者
令和2年度では、①は約10万人、②は約123万人が対象となっています(※2)。①と②を合算すると、約14%の子どもが就学援助を受けています(※3)。
②は教育委員会によってある程度の基準が決められていますが、各市町村によって認定基準が違います。①の世帯収入×1.3倍以下に設定しているところが多いです(※3)。
では、②の詳しい条件をみていきましょう。まずは教育委員会が定めた世帯収入(総所得)があります。
・特別な事情があり教育委員会が特に認定する必要があると認める世帯
世帯の条件を満たした上で、以下のいずれかの条件も満たす必要があります。
・生活保護法の停止又は廃止
・市民税の非課税もしくは減免
・個人の事業税の減免
・固定資産税の減免
・国民年金の掛金の減免
・児童扶養手当の支給
・社会福祉資金貸付制度による貸付
【生活状態や職業が以下である】
・職業が不安定で生活状態が悪いと認められる
・生活状態が極めて悪いと認められる
・経済的な理由による欠席日数が多い
・失業対策事業適格者手帳を有する日雇労働者
・職業安定所登録日雇労働者
各市町村によっては、世帯収入の条件が緩和されていることもあるので、確認してみてくださいね。
どんなものに補助金がでるの?
補助金がでるのは以下のような費用です。
・体育実技用具費
・新入学児童生徒学用品費等
・通学用品費
・通学費
・修学旅行費
・校外活動費
・医療費
・学校給食費
・クラブ活動費
・生徒会費
・PTA会費
・卒業アルバム代等
・オンライン学習通信費
ただし、修学旅行費などは事前に補助金が受け取れるわけではなく、旅行が実施されたあとに振り込まれる形になるので、ある程度の現金は必要となります。
どこで申請したらいいの?
81.1%の学校が入学時もしくは進級時に、補助金の申し込み書類を配布しています(※3)。
書類の提出まで対応してくれる学校もありますが、基本的にはお住まいの市町村に自身で申請することになります。
もし、申し込みの書類を学校からもらわなかった場合、もらったかわからない場合は、お住まいの市町村の担当先へ問い合わせましょう。
お問い合わせ先は以下から確認してください。
文部科学省 就学援助のお問合せ先
将来かかる費用と今から使える補助金制度を知っておこう
中学生でも子どもには様々な費用がかかります。今のうちにどれくらいかかるか知っておきましょう。
費用面に不安を感じたときは、学校やお住まいの市区町村に遠慮なく相談してみてくださいね。