今まで花粉症ではなかった子どもが、小学生以降に花粉症を発症するケースが増えているのを知っていますか?花粉は1月頃から少しずつ飛散しはじめるので、早いうちに予防方法や症状を軽くする方法を知っておくと安心ですよ。
今回は、子どもの花粉症について詳しくご説明します。
小学生が花粉症になる割合は?なぜ増えるの?
花粉症は、くしゃみ・鼻水・鼻詰まりが3大症状で、近年は低年齢化が指摘されています。
上の図は、2019年に行われた鼻アレルギーの全国疫学調査の結果です(※1)。5歳以上から急増し、なかでも日本人に一番多いと言われているスギ花粉症は、小学生で約30%と決して少なくない割合で見られます。
しかし、小学生の時期に増える原因や花粉症が発症するメカニズムは全て解明されているわけではありません。主に以下の因子が複雑に絡み合って発症すると考えられています(※2)。
● 花粉を吸い込んだ期間
● 花粉が飛散している量などの「環境」
● 両親からのアレルギー体質の「遺伝」
子どもではどんな症状がでるの?日常生活への影響は?
花粉症になってしまうと、子どもでも大人と変わらない以下のような症状がでます。
● 鼻詰まり
● 水っぽい鼻水
● 目のかゆみと充血
● 体のだるさ
● イライラ
● 集中力の低下 など
程度に差はありますが、日常生活の妨げになるものばかりですよね。花粉症は、早くに治療を開始することで重症化を防げます(※3)。症状が出たら早めにかかりつけの医師に相談しましょう。
花粉症を予防&症状を軽くするコツは?
花粉症の発症を予防、もしくは症状を軽くするためには、花粉が飛散・付着しやすい状況を知り、できるだけ花粉に接しないことが大切になります(※3)。
以下の7つを意識しておきましょう。
花粉の飛散時期を知っておく
上の図は関東の花粉の飛散状況になります(※4)。お住まいの地域によって花粉量や飛散する時期が異なるので、アレルギーポータルで確認し、早めに対策を考えておきましょう。
花粉が飛散しやすいタイミングを知っておく
雨上がりは雨で地面に落ちた花粉が舞いやすく、朝と夕方は花粉がちょうど子どもの顔の高さに浮遊しやすいタイミングです。
学校がある日はタイミングをずらすのは難しいですが、お休みの日はなるべくこのタイミングの外出を避けられるといいですね。
花粉がつきにくい服装にする
花粉がつきにくい、表面がツルツルしたナイロンやポリエステル、綿素材などの服やアウターを着るようにしましょう。ウールは花粉がつきやすいのでおすすめしません。
花粉は髪の毛に付着しやすいので、帽子をかぶらせるのも効果的ですよ。
帰宅したら花粉を落とすように教える
家の中まで花粉を持ち込まないように、必ず玄関前で服や髪を払うように教えましょう。帰宅後はすぐに着替えて、鼻をかんでから顔や手を洗い、うがいをして花粉を身体から落としましょう。
目や鼻の洗い方を知っておく
目や鼻に入った花粉は洗い流しておくと効果的です。ただし、水道水で洗うと粘膜を傷つける可能性も(※4)。
目は涙と同じ成分の「人工涙液」、鼻は体液に近い組成の「生理食塩水」で洗うようにしましょう。どちらもドラッグストアなどで売っていますよ。
こまめに掃除する
忘れがちですが、エアコンのフィルターはこまめに水洗いしましょう。カーテンはなるべく薄いものを選んで、シーズン毎に洗うようにするといいですね。
飛散量が多いときは掃除機をかけると花粉が舞いやすいので、拭き掃除がおすすめですよ。
マスクやメガネをつけてもらう
普通のマスクをつけると鼻に入る花粉を約70%、メガネ(伊達メガネでもOK)をつけると目に入る花粉を約40%カットできます(※6)。
花粉症専用のマスクでは約85%、メガネでは約65%カットできますよ。花粉症シーズンにはつけてもらうのもいいかもしれませんね。
花粉の時期が近づいたら早めの対策を!
花粉症は早期治療をすることで、重症化を防ぐことができます。気になる症状がある場合は、早めにかかりつけの医師へ相談しましょう。スギ花粉症であれば、根本的に治す可能性がある舌下免疫療法と呼ばれる治療法があるので、相談してみてもいいですね。
治療の飲み薬には体質によって眠くなりやすいものもあるので、小学校の先生に予め伝えておくと安心ですよ。