小学生になると色々なことができるようになり、仕上げ磨きも「そろそろいいかな?」と、思うこともありますよね。しかしまだまだ磨き残しがあるのが現実です。
今回は、仕上げ磨きはいつまで必要なのかをはじめ、小学生に仕上げ磨きをするときのコツや、1人磨きへ移行するための促し方を歯科医師の和田先生に聞きました。
歯科医師和田 慎一郎
東京医科歯科大学 歯学部卒業。東京都の会員制自由診療専門のクリニックにて、10年間院長として勤務。2016年より和田デンタルクリニック亀戸を開設。並行して2018年Harvard大学interdisciplinary courseに参加。2019年には同大学にて共同研究も行う。2022年に代官山WADA歯科・矯正歯科を新たに開設。専門の歯科衛生士と連携を取り、生涯に渡って健康な口腔内で患者が過ごせるよう綿密な治療計画を提案している。
仕上げ磨きはいつまで必要?
仕上げ磨きを続ける時期に「何歳まで」と厳密な決まりはありませんが、一般的に小学校4年生くらいまでが目安とされています。
ただし、1人磨きがしっかりできている状態であることが大切です。磨き残しが多い場合は、継続して仕上げ磨きをしてあげた方が良いでしょう。
低学年ではまだ歯の隙間まで磨けなかったり、細かい部分まで気が回らなかったりすることもあるので、親がしっかり仕上げ磨きをしてあげてください。
仕上げ磨きをするときのコツは?
子どもの仕上げ磨きをするときは、以下の磨き方を意識してみてください。
● 横向きに磨くときは歯ブラシを横に、縦向きに磨くときは縦にして動かす
● 歯ブラシは小刻みに動かして汚れを落とす
● 磨く強さは、皮膚の柔らかい場所を擦っても痛くない程度
仕上げ磨きのコツは、子どもが1人で磨く際にも大切なポイントになります。ぜひアドバイスしてあげてくださいね。
また、仕上げ磨きをするときは、歯間に食べ物が挟まっていないか、生え変わったばかりの永久歯の周辺に磨き残しがないか確認しましょう。キーホルダータイプの小さなLEDライトなどで照らすと見やすいですよ。
和田先生
歯ブラシの向きが横なら横、 縦なら縦と向きに合わせて動かすと、毛先までよく当たります。磨くときは、力を入れすぎず1ヶ所を20回くらい擦るイメージで丁寧に磨くのがコツです。
小学生の仕上げ磨きにプラスした方が良いこと
仕上げ磨きだけでは十分に磨けていないこともあります。仕上げ磨きの際に以下をプラスして汚れを残さないようにしましょう。
● 染め出しで磨き残しをみつける
● 磨く箇所によって歯ブラシを使い分ける
染め出しは磨き残しがひと目で分かるため、最後の確認をしたいときに最適ですよ。 また、歯の大きさは奥歯と前歯で異なるため、歯の大きさに合わせて歯ブラシを使い分けるとより隅々まで磨くことができますよ。
和田先生
実は歯ブラシだけでは約40%程度しか磨けていないんです。フロスでしか磨けない場所もあるので使ってみてください。 子ども自身で使えるように一緒に練習してあげるのもおすすめです。 持ち手がついているものだと扱いやすいですよ。
1人でしっかり磨けるようになる促し方は?
小学校低学年で1人磨きを完璧にするのは難しいかもしれませんが、少しずつ1人でもしっかり磨けるように促してあげたいですよね。
仕上げ磨きのときに、市販のデンタルミラーなどで口の中を鏡でチェックしながら磨いてみるのもおすすめです。歯の裏側までよく見えて、子どもが歯の磨き方に興味を持つこともあります。
また、以下のような声掛けをしてあげると良いと和田先生はいいます。
和田先生
よく「歯磨きしないで虫歯になったら歯医者で痛い思いをするよ!」マイナス面を伝えることが多いですが、プラス面を伝えてみてはいかがでしょうか?
「歯を磨くことで健康寿命が伸びて長生きできるんだよ」「毎日体を洗うのと同じ感覚で、口の中も綺麗してあげよう」など、日常で当たり前にやっていることを歯磨きに置き換えて伝えるのも良いですね。
1人磨きをしっかりするためには、子ども自身の磨き方を見直すことも大切です。下記の記事も参考にしてみてくださいね。
しっかりと仕上げ磨きをしてあげよう
磨き方のコツを教えながら仕上げ磨きをしてあげると、少しずつ自分でも意識するようになるかもしれません。歯磨きへの今後の向き合い方を親子で見直してみてくださいね。