子供にスマホ・携帯をいつから持たせる?どんなルールにしたらいい?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

子供にいつからスマートフォンや携帯電話を持たせるのか、多くのママやパパが子育てをする中で悩むことだと思います。ネット依存になったり、人間関係のトラブルに巻き込まれたりしないか心配になる人がいる一方で、緊急時の連絡手段として持たせておきたいという人もいます。そこで今回は、子供にスマホや携帯をいつから持たせたらいいのか、持たせるときはどんなルールを子供と約束したらいいのかを説明します。

子供にスマホや携帯をいつから持たせるのが一般的なの?

子供 男の子 スマホ

内閣府の調査によると、平成28年時点で小学生の約30%、中学生の50%以上がスマートフォンを利用しているとされます。携帯電話も含めるとその割合はさらに増え、小学生の50%以上、中学生では60%以上が利用しています(※1)。

この調査から、世間的には小学生のおよそ2人に1人が、中学生では5人中3人以上がスマホか携帯のどちらかを使っているということになります。

子供にスマホや携帯をいつから持たせる?メリットとデメリットは?

メリット デメリット 良い 悪い

子供にいつからスマホや携帯を持たせるべきなのかについて、もちろん正解はありません。

ここでは、子供にいつからスマホや携帯を持たせるのか決める判断材料として、小学生、あるいは中学生にスマホや携帯を持たせたときのメリットとデメリットの一例を紹介します。なかには小学生、中学生のどちらにも当てはまると思われるメリット、デメリットもあります。

小学生にスマホ・携帯を持たせるメリット

● 災害時や帰宅時間が遅いときに連絡が取りやすくなる
● 知育アプリなどが教育や勉強に役立つ

小学生にスマホ・携帯を持たせるデメリット

● 教育上、よくない動画を見る
● 夢中になるあまり、親子のコミュニケーションが減る(※2)
● 通信費などのお金がかかる
● 近眼が進む
● 自分から語彙を学ぼうとしなくなる

中学生にスマホ・携帯を持たせるメリット

● ITリテラシーが高まる
● SNSなどを通じて友達とより一層仲良くなれる
● 家族や先生には相談できないことを相談できる相手や場が見つかる
● 音声や動画を使って勉強できる

中学生にスマホ・携帯を持たせるデメリット

● 手元ばかり見るようになるため視力が落ちる(※3)
● SNSなどを通じて友達とトラブルになる(※2)
● 睡眠不足になる(※3)
● ネット依存になって学校の成績が落ちる(※3)

平日にスマホや携帯を1時間以上利用していると、小学6年生で約15%、中学3年生で約48%の子供が国語や算数の成績が悪い傾向があったという調査報告もあります(※3)。

子供のスマホや携帯はいつから制限すればいい?

子供にスマホや携帯は与えるときに忘れてはいけないのが、使わせたくない機能を制限(フィルタリング)することです。

フィルタリングとは、有害情報が含まれるウェブサイトへのアクセスやアプリの利用を制限したり、ウイルスや詐欺、悪意の仕掛けがあるウェブサイトへうっかりアクセスしてしまうことを防ぐスマホや携帯に備わっている機能や設定のことです(※4)。

これまでは子供にスマホや携帯を持たせても、フィルタリングで利用可能な範囲を制限をするかしないかはママやパパの自由でした。

しかし、平成29年6月に「青少年インターネット環境整備法」が改正され、子供用にスマホや携帯を新規契約、あるいは機種変更する場合、フィルタリングが義務づけられました。子供用のスマホや携帯を購入するときは、店頭で以下の3点を店員に伝えなければいけません(※5)。

● 使用者が子供であること
● フィルタリングの説明をしてほしいということ
● フィルタリングの設定をしてほしいということ

また、すでにママやパパが使っているスマホや携帯を子供に与える場合は、フィルタリングの設定をしてから持たせましょう。docomo、au、SoftBankの場合、「あんしんフィルター」という名称でサービスを提供しています。詳しくは各社に問い合わせてみてください(※5)。

子供にスマホや携帯をいつから持たせるか決めた後はルールを決めよう

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スマホや携帯を安全に、そして適切に利用するためには、子供の年齢や力量に合わせた使い方を設定することです。以下のルール案を参考に、子供と一緒にスマホや携帯を使うときのルールを決めましょう。また、そのルールが守れなかったときにはどう対処するのかも決めておくとよいでしょう(※6)。

利用時間についてのルール案

● 使っていいのは1日何分までかを決める
● ママやパパにことわってからスマホを使う
● 夜何時以降は使わず、リビングで充電する

家族内のコミュニケーションについてのルール案

● リビングでしか使わない
● 話しかけられたら手を止める
● 決まった人からのメール以外にはアクセス・返信しない
● 変わったことや困ったことが起きたらママかパパにすぐ相談する
● 公共の場で使うときはマナーやルールを守る

家族以外とのコミュニケーションのルール案

● 自分や友達の個人情報や写真をネットに公開しない
● 実際に会ったことがある人とだけメールやSNSをする
● 自分が言われて嫌なことはSNSやメールに書かない
● 目的を持ってスマホを利用し、目的を終えたらスマホを手から放す

犯罪に巻き込まれないためのルール案

● ネットやSNSで知り合った人とは直接会わない
● ネットで買いたいものがあるときはママやパパの許可を求める
● ネット上に公開する内容は送信前に必ず見直す
● 他人にIDやパスワードを絶対教えない
● 毎月の通信料をチェックして計画的に利用する

子供にスマホや携帯をいつから持たせるかは家族で話し合いましょう

家族 ファミリー

すでに説明したように、子供にスマホや携帯を持たせることの弊害はいくつもあります。一方で、子供にスマホや携帯を持たせていると、勉強に役立ったり、万が一何かあったときの連絡手段になるといったメリットもあります。

子供にいつからスマホや携帯を持たせるか。それは各家庭が置かれている状況や価値観次第です。家族で話し合って、一番いいタイミングで子供にスマホや携帯を持たせてあげたいですね。

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