七五三は子供の成長を祝う大切なイベント。素敵な着物や服を着て神社でお参りをすると、家族の良い記念になりますよね。でも、意外と見落としがちなのが神社でのお参りの仕方です。いざ参拝のときに困らないためにも、きちんとルールをおさえておきましょう。今回は、七五三の神社でのお参りについて、方法や手順、注意点をまとめました。
七五三とは?
七五三とは、子供の成長の節目となる歳に、それまでの成長を祝い、これからの健康を願う行事です。昔は、男の子は数え年で3歳(満2歳)と5歳(満4歳)、女の子は数え年で3歳(満2歳)と7歳(満6歳)にお祝いをしましたが、最近は、満年齢でお祝いをする家庭が増えています。
地域によって、男の子は3歳のお祝いはせず、5歳のみお祝いをするところもあります。また、兄弟姉妹で一緒にお祝いをするために、本来の年齢よりも前や後に行うことも。
七五三は、本来11月15日に行われる行事ですが、11月15日は祝日でないことから、10月中旬~11月下旬で縁起の良い(大安、先勝)の土日祝日にお祝いをする家庭が増えています。
七五三の当日は、近所の神社や家族の思い入れのある神社に出向いてお参りをします。その後、記念写真を撮ったり、食事会を開いたりするのが一般的です。
七五三で神社にお参りする方法は?
七五三で神社にお参りする方法には2種類あります。通常の参拝のように神前でお賽銭を入れて礼拝する方法と、お祓いを受けて祝詞(のりと)を奏上してもらう方法です。
お祓いや祝詞の奏上を申し込む場合は、事前に神社に連絡をしておきましょう。当日は謝礼として初穂料を渡します。
七五三で神社で参拝をするときの手順は?
七五三に限らず、神社で参拝をするときは、どのような手順で行ったらいいのか迷ってしまう人も多いですよね。ここでは、神社での参拝の手順について詳しくまとめたので、七五三で神社に出向くときの参考にしてください。
1. 参拝は神社の入り口からスタート
神社の入り口には必ず鳥居があり、拝殿に着くまでの間にもいくつかの鳥居があります。神社の一番外にある鳥居から順番にくぐって参道に入り、鳥居をくぐる際にはそれぞれ一礼をします。
参道の真ん中は神様のエネルギーの通り道になっているので、進むときは道の端を歩くようにしましょう。
2. 手水舎で体を清める
参道を進むと、神様に参拝する前に体を清めるための手水舎(てみずや)があります。手水舎には、水が溜められていて、柄杓(ひしゃく)が用意されています。以下の順番で手や口をきれいにしてから、参拝をしましょう。
1. 右手で柄杓をとって水を汲み、左手を清める
2. 左手に柄杓を持ちかえて、右手を清める
3. 柄杓を右手に持ちかえ、左の手のひらに水を受け、その水を口に入れてすすぐ
4. すすぎ終わったら、水をもう一度左手にかけて清める
5. 使った柄杓を立てて、柄の部分に水を伝わせるように清め、柄杓を元の位置に戻す
一連の作業は最初の一すくいで全て済ませます。
3. 参拝
神前で礼拝する場合は、賽銭箱の前に着いたら軽く一礼し、鈴があれば強く鳴らします。これは神様に自分が来たことを知らせるという意味があります。そしてお賽銭を準備し、投げずに静かに置くように賽銭箱に入れるようにしましょう。
次に、「二礼二拍手一礼」を行います。二礼は神前に向かって、背中を平らにして、腰を90度折って2回深いおじぎをします。二拍手は手のひらを合わせてから、右手を少し下にずらして拍手し、再び手のひらを合わせ、祈念をしてから手をおろします。拍手には神様に自分が素手であること、下心がないことを表しています。最後に一礼で深くおじぎをします。
神社によっては、二礼二拍手一礼ではなく、二礼四拍手一礼のように参拝方法が違うところもあります。参拝前に確認しておくといいでしょう。
祝詞奏上やお祓いを申し込んでいるときは、手水舎で体を清めた後に社務所へ行き、拝殿や本殿に案内をしてもらいます。
七五三で神社に行くときの注意点は?
七五三で神社に出向いてお参りをするときは、下記のポイントに注意しましょう。
初穂料を準備しておく
祝詞への謝礼として「初穂料」を包みます。金額の相場は、相場は5,000円~1万円ですが、神社によっては指定している場合もあるので、事前に連絡して確認しておきましょう。
初穂料を包む水引は紅白で蝶結び、のし袋の表書きの上段には、「御初穂料」「御礼」「御神饌料」「御玉串料」、下段には赤ちゃんの名前を書きます。読みにくい名前の場合はふりがなをふっておきましょう。地域によっては親の名前も書くところもあるので、慣習も事前にチェックしておいてくださいね。
子供のトイレは着物を着せる前に
着物を着た状態でトイレをするのは難しく、神社にはトイレが少なく混みあうので、着付けをする前に済ませておきましょう。
草履を慣れさせておく
小さい子供にとって草履を履いて神社を歩くのは大変なこと。靴擦れを起こして子供が不機嫌になってしまっては、せっかくのハレの日も台無しになってしまいます。
念のため、履きなれた靴を持っていくようにしましょう。手持ちの草履がある場合は、事前に履かせて慣れさせておくといいですよ。
ストローつきの水筒を持参する
七五三の時期の神社は、予想以上に混雑しています。人ごみの中で喉が渇いたときのために、ストローつきの水筒を持参しておきましょう。ストローなら、子供の口から飲み物がこぼれず、着物を汚す心配がないので安心ですね。
着替えを持っていく
お参りの後に食事に行くときは、子供にきれいな着物を着せたまま食事を楽しみたいところですが、食べこぼしが心配な場合は、普段着を持参して食事の前に着替えさせてあげましょう。
七五三で神社でのマナーを覚えよう
七五三では、着付けや写真撮影、食事会といったイベントにばかり目が向いてしまい、神社でのお参りの方法やマナーについてはついつい見落としがちです。子供の健やかな成長を願うために、神社に行く前に参拝の手順やルールをしっかり覚えておきましょう。
七五三でお参りをした神社は、家族にとって思い出の場所となるはずです。神社でのマナーを守って、素敵な七五三を迎えられるといいですね。