子どもの上手な叱り方を教えて!やってはいけない4つのこととは?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

子どもが悪いことをしたときには叱ることも必要ですよね。でも、いざ叱るときに感情的になってしまったり、子どもに伝えたいことが伝わらなかったりして、悩むこともあるのではないでしょうか。

そこで今回は、子どもの上手な叱り方や叱るときにやってはいけないことをご紹介します。

子どもの叱り方って?どんなときに叱ったらいいの?

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最近は褒める子育てが注目されたり、核家族化の影響で親以外に子どもを叱る大人がまわりにいなかったりして、子どもが叱られる機会が減っているといわれています。

また、できるだけ叱らないで子育てをしたいと考えているママやパパも多いかもしれません。

しかし、子どもが悪いことをしたときには、しっかりと叱ることも大切です。

何が悪かったのか、同じことを繰り返さないためにどうしたらいいのか、といったことを伝えることで、子どもは反省をして成長していきます。

子どもの叱り方で大切なのは、愛情と信頼を忘れないことだといわれています。

愛するわが子だからこそ、悪いことをしたら叱り、将来の自立につなげるのが親の役目です。

また、子どもを信頼したうえで叱ることで、ママやパパに怒られたという印象ではなく、自分のために叱ってくれたんだと思うようになり、親をより一層信頼するようになりますよ。

子どもを叱り始めるのは何歳から?

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子どもを叱ることに、「何歳からがいい」といった決まりはありません。

しかし、言葉が通じない月齢・年齢の段階で言葉で詳しく説明をしても、子どもにはほとんど意味が伝わらず、親に怒られたという印象のほうが強くなってしまいます。

詳しく説明しながら叱るのは、大人が言っていることを理解できるようになり、子ども自身も自分の考えていることを伝えられるようになる3歳前後を目安とするのがいいでしょう。

この頃には子どものイヤイヤも少しずつおさまり、大人の言うことを聞こうとする姿勢がみられるようになります。

ただし、言葉の発達や成長には個人差があるため、子どもの様子を見ながら判断してください。

言葉がわからない赤ちゃんの時期でも、ママやパパの顔の表情や声のトーンで、叱られているというのは通じるものです。

「危ないからやってはいけないよ」「お友達のものは取らないようにしようね」など、真剣な表情でシンプルな言葉を使って伝えるようにしましょう。

言葉が通じないからといって、感情的に怒らないように気をつけてくださいね。

子どもの上手な叱り方は?

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子どもを叱った後に、ママやパパの気持ちがすっきりしなかったり、子どもがかえって不機嫌になって泣きわめいてしまったり、なかなか思うようにいかないことがあるかもしれません。

上手に叱るためのポイントを以下に まとめたので、参考にしてみてくださいね。

怒らない

「叱る=怒る」ではないため、怒鳴ったり、叩いたり、無視したりすることは絶対にやめましょう。

叱るときは、普段子どもと話しているときより真面目な口調で、なぜいけなかったのかをわかりやすく簡潔に説明したり、しっかり実例を示したりします。

目を見て叱る

子どもの目を見ながら叱るようにしましょう。ママやパパの真剣さが伝わると、子どもも自分が悪いことをしてしまったんだと理解します。

悪いことをした直後に叱る

叱るタイミングも大切です。悪いことをしたら、できるだけすぐに叱りましょう。

時間が経ってから、「あのときね…」と言っても子どもは忘れていることもあり、なぜ叱られているのかわからなくなってしまいます。

子どもの叱り方でやってはいけないことは?

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子どもを上手に叱るためのポイントをおさえたうえで、叱るときにやってはいけないことを確認しておきましょう。

誰かと比べる

兄弟姉妹や友達と比べながら「〇〇ちゃんはできるのに」と叱ってしまうと、子どもは「〇〇ちゃんのほうが良い子だと思ってるんだ」などと感じ、自分は愛されていないと思ったり、自信が持てなくなったりしてしまいます。

自己肯定感の低い子に育つきっかけとなることもあるので、子どもがしてしまった「こと」に対して叱り、誰かと比較することはやめましょう。

子どもの言い分を聞かない

頭ごなしに叱ってしまうと、子どもは何が悪かったのか腹落ちしません。

例えば友達とケンカしたときは、「どうしたの?」「なんでおもちゃを貸してあげなかったの?」といったように、まずは冷静に話を聞きましょう。

ママ友やパパ友と一緒にいるときに子ども同士がケンカをすると、気まずくなってわが子の言い分を聞かずに感情的に叱ってしまいやすいので、注意したいですね。

叱る理由に一貫性がない

叱るポイントが変わったり、昨日は叱らなかったことを今日は叱ったりと、ママやパパが一貫した言動・行動をとらないと、子どもは何が悪くて叱られているのかわからなくなってしまいます。

叱られた理由を、「自分のことを好きじゃないから」「機嫌が悪いから」と捉えてしまうことも。

常に一貫するのは難しいものですが、できるだけ意識していきましょう。できれば、パパとママで定期的に方針を決めておくとよいでしょう。

感情的になる

叱るときは、ついつい感情的になってしまうもの。

しかし、怒りが強くなってしまうと、子どもにとってはママやパパが怒っているだけにしか感じられず、何を叱られて、何が悪いのかわからなくなってしまいます。

「怒られるのは嫌だ、怖い」という思いだけが強くなり、親の顔色をうかがう原因にもなるので、気をつけましょう。

子どもの叱り方のポイントをつかんで親子の絆を深めよう

親子の信頼関係がしっかり築けていると、大好きなママやパパに叱られた=自分がやったことは悪かった、と自然と理解するようになっていきます。そのためにも、今回ご紹介した上手な叱り方や、叱るときにやってはいけないことを参考にしてみてくださいね。

上手な叱り方のポイントをつかんで、親子の絆を深めていけるといいですね。

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