2020年11月11日、日本小児科学会から、子供のコロナウイルス感染症2019 (COVID-19)に関する最新の情報が発表されました(※1)。
ここではその内容の一部をご紹介します。
子供の感染者数は少ないが、増加傾向にある
5月3日時点での日本の新型コロナウイルス患者の割合は、10歳未満が1.6%、10〜19歳が2.3%でした。
しかし次第に子供の割合が増えて来ていて、10月7日時点での10歳未満の患者総数は2.4%(2,112人)、10〜19 歳では5.1%(4,399人)と報告されています。
子供の感染の多くが家庭内で起こる

家族の中で子供が最初の感染者になることは少なく、中国における家族内感染の調査では8%しかありませんでした。
日本小児科学会のデータでも、子供の患者の77%は、家族(特に親)から感染したことがわかっています。
小さな子供は大人より感染しにくい可能性がある
感染者数が増えてきているとはいえ、子供は大人よりも感染しにくいという報告も多々あります。
例えば、世帯の大人が感染し、その後家族内で感染が広がったかどうかを調べた研究結果では、223人の大人に対し、7世帯 (5.2%)の13人(6.1%)に感染が及びましたが、年齢層別にみると、5歳未満では1.3%、5〜9歳では8.1%、10〜16歳では9.8%で、低年齢の感染率が低いことがわかっています。
子供が感染しても多くが無症状か軽症ですむ
10月7日時点で、国内の10歳未満の患者は2,112人、10〜19歳の患者は4,399人いますが、死亡例はありません。
また、5月28日までに感染症発生動向調査に届出があった0〜14歳の患者290人と15〜19歳の患者208人のうち、重篤な肺炎が起こったのは15〜19歳の患者の2人 (1.0%) でした。
シンガポール、アメリカなどの他国でも、子供の入院数や重症数は少ないという報告があります。
教育・保育・療育施設などの閉鎖が子供の心身に影響を及ぼしている
学校などの施設の閉鎖は、子供の屋外活動や交流を減少させ、子どもを抑うつ傾向に陥らせていることがわかっています。
また、リモートワークや外出制限の影響で親子で自宅にこもることが多くなり、ストレスがたまることで、家庭内暴力や虐待のリスクが増えることも危惧されてます。
子供はもちろん、ママ・パパも、ストレスをためこまない環境を作ることが大切です。
あらためて、基本の対策を
感染者数が増え、第三波とも言われているいま。
心配が尽きないとは思いますが、焦りすぎず、家族みんなで基本の対策をしっかり行いましょう。