帰省先での誤飲・怪我から子どもを守ろう!危険な8個のポイント&対処法

年末年始、実家への帰省を考えているパパも多いはず。しかし、普段赤ちゃんの生活が想定されていない環境下には思わぬ危険が潜んでいることもあります。

そこで今回は、帰省時の子どもの事故を防ぐためにチェックしておきたいポイントをご紹介します。

帰省先の部屋で要チェック!
8つの危険ポイント

ずりばい・はいはい 部屋の危険

特にずりばい・はいはいを始めた赤ちゃんが遭う事故の多くは、転落や衝突、誤飲です。以下の8つのポイントをしっかりとチェックして、事故を防ぎましょう。

① 開けっぱなしのドア

帰省先にはベビーゲートがなく、目を離した隙に廊下に出てしまい、階段から落ちる、玄関のたたき部分に落ちるといった事故が起こる可能性があります。

廊下に続くドアを開けっぱなしにしない、ドア付近に大人がいるようにするなどの対策をしましょう。

② 電化製品のコード

赤ちゃんが電化製品のコードに手を伸ばし、引っ張り落とすことがあります。電気ポッドにお湯が入っていた場合、ヤケドしてしまうことも。

電気ポットやアイロン、炊飯器などの家電は、置き場所に気を付けるのはもちろん、コードを必ずしまってもらうほうが良いでしょう。

③ 机のテーブルクロス

ずりばいの時期はまだ机の上に手が届かなくても、テーブルクロスの端を引っ張り、机の上のものを落としてしまうことがあります。

帰省先で使っている場合は、事前に片付けておいてもらうのが安心です。

④ 机の上の薬

赤ちゃんはなんでも口の中に入れてしまうので、薬を誤飲してしまう事故は珍しくありません。大人用に処方された薬を大量に飲んでしまうと、重い中毒症状を起こす危険があります(※1)。

祖父母のお薬などが出しっぱなしになっていないか、特に注意が必要です。

⑤ テレビ台の角

赤ちゃんは視界が狭かったり、距離感を適切に測れなかったりして、興味のあるものに向かっているときに家具などの角に衝突してしまうことがあります。

帰省先はカバーがついていないことが多いので、大人が近くにいてテレビ台に近づかないように注意して見ておきましょう。

⑥ コンセント

帰省先にコンセントカバーがないと、赤ちゃんが手を伸ばして感電してしまう危険があります。

コンセントのそばに大人がいるようにしたり、家具や置き物などで一時的に隠しておいたりなどの対策をしましょう。

可能であれば、コンセントカバーを持参したり、用意しておいてもらったりするのも手です。

⑦ リモコン

誤飲してしまうと危険なもののひとつが「ボタン電池」です。ボタン電池は食道や胃の粘膜を短時間で傷つけ、入院が必要になることもあります(※1)。

リモコンで遊んでいるうちに電池部分のフタが外れ、赤ちゃんが飲み込んでしまう事故は珍しくありません。

赤ちゃんの手が届く場所にリモコンを置かないよう気をつけましょう。

⑧ 引き出し

ずりばい・はいはいをする頃の赤ちゃんは手先も器用になり、取手をつまんで引っ張ってしまうことも。

引き出しの中に入れている割れ物や文房具などを出して、ケガをするリスクがあります。

取手がついている引き出しがあれば、赤ちゃんが近づかないよう大人が見ておいてください。

帰省先での誤飲を防ぐためには?

子供部屋 収納 カーペット

8つのポイント以外にも、帰省先の実家での誤飲を防ぐために以下のポイントをおさえましょう。

危険なものは高さ1m以上の場所に

1歳の子どもの場合、手の届く範囲は「高さ+奥行き」が約90cmとされているので、危険なものは高さ1m以上の場所に置くと安心です(※1)。

トイレットペーパーの芯を通る大きさに注意

赤ちゃんは、トイレットペーパーの芯を通る大きさ(約4cm以下)のものなら、口の中に入れて飲み込んでしまう可能性があります(※1)。

誤飲すると入院が必要になることもあるので、特に以下のものは床に落ちていないか確認し、必ず赤ちゃんの手の届かない場所に置きましょう。

□ 医薬品
□ ボタン電池
□ たばこ
□ ゼリー状のトイレ洗浄剤
□ ボール型の洗濯用洗剤
□ お菓子の包み
□ ペットボトルのキャップ
□ 小銭
□ アクセサリー
□ 化粧品
□ シール
□ 磁石 など

転落や衝突が起きてしまったらどうする?

病院

もし事故が起きてしまった場合、多くの人は焦ってしまうと思います。救急車を呼ぶか迷ったら、こども医療でんわ相談「#8000」に電話で相談しましょう。

小児科医や看護師から、症状に応じた適切な対処の仕方などアドバイスを受けられます。

また、電話相談や病院を受診する際には、事故が起きた時の状況を詳しく伝えてください。子どもがどれくらいの衝撃を受けたのかが分かると、適切な対応がしやすくなります。

赤ちゃんが次のような様子なら、ためらわずに病院を受診してください。

● いつもと様子が違いぼーっとしている
● 元気がない
● 顔色が悪い

誤飲が起きてしまったらどうする?

突然声が出なくなったり、首を押さえて苦しそうにしていたり、唇が紫色になっていたりする様子がみられたら、窒息を疑いましょう。

赤ちゃん・子どもの年齢によって以下のような対応を行ってください(※1,2)。処置をしたあとに、もしすぐに呼吸が戻った場合でも、念のため受診をしてくださいね。

1歳未満の乳児の場合

1歳未満 窒息時の対応 ハイムリッヒ法 背部殴打法

背部殴打法(右図)

すぐに救護者が膝を曲げ(もしくは椅子に座り)、太ももの上に子どもをうつぶせにし、手のひらであごを支えて腕に体をのせます。もう一方の手のひらのつけ根で、背中の肩甲骨の間のあたりを5~6回強く叩いて詰まったものを吐き出させます。

胸部突き上げ法(左図)

背部叩打法でも窒息が解除できない場合や意識がない場合には、子どもをあお向けにし、手のひらで後頭部を持ちながら腕で体を支えます。両方の乳頭を結んだ線の中央やや足側を、もう一方の手の指2本をそろえて5〜6回強く圧迫します。

様子を見ながら、子どもの窒息が解除できるまで、数回ずつ交互に行いましょう。もし意識がない場合は、胸骨圧迫と人工呼吸を行いながら119番通報し、救急車を呼びます。

1歳以上の幼児の場合

1歳以上 窒息時の対応 ハイムリッヒ法

胸部突き上げ法(ハイムリッヒ法)

意識のある1歳以上の子どもに対しては、腹部突き上げ法(ハイムリッヒ法)を行ないます。子どもの背中側から救護者の両手を回し、片方の手を握りこぶしにして、子どものみぞおちの下に当てます。もう片方の手をこぶしの上に当てて、両手で腹部を上へ突き上げるように圧迫し、詰まっていたものを吐き出させます。

意識がない場合は、胸骨圧迫と人工呼吸を行いながら119番通報し、救急車を呼びます。

吐かせてはいけないもの

以下のものを吐き出させると、かえって症状が悪化する危険があるため、吐かせずに病院を受診してください(※3)。

● 石油製品(灯油、マニキュア、除光液、液体の殺虫剤など)
● 容器に「酸性」または「アルカリ性」と書かれている製品(漂白剤、トイレ用洗浄剤、換気扇用洗浄剤など)
● 防虫剤、なめくじ駆除剤

事前に情報をシェアして事故を予防しよう

年末年始は普段とは違う環境で過ごしたり、いつもと違うことをしたりして、思わぬ事故が起きてしまう可能性もあります。帰省先や親戚などにも情報をシェアして、みんなで赤ちゃんを事故から守ってくださいね。

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