入学前に見直しておきたいことの1つ、箸の正しい持ち方。【前編】では、箸の持ち方の基本やポイントを中心に紹介しました。
【後編】では、引き続き箸の専門家である「箸匠せいわ」の木越さんに、子どもに合った箸の選び方をはじめ、使い方が上達する練習方法やおすすめの箸について教えていただきます。
↓【前編】はこちら
練習前に確認!子どもが持ちやすい箸の選び方
子どもが箸を正しく持ち、上手に使えるようになるには、子どもに合う箸を選ぶことが重要です。
練習前にまず、今使っている箸が子どもの手に適しているかを見直してみましょう。
● 六角形
● 重過ぎないやや軽めの重量感
● 滑り止めが付いている
箸が長すぎたり、短すぎたりすると上手く持てないので、子どもの成長に合わせて適した長さを選んでくださいね。
木越さん
昔から親指と人差し指をLにした長さの1.5倍が、手に合った箸の長さだと言われています。中指の先からプラス2〜5cmの長さ。6歳前後だと全長16〜17cmくらいの箸が理想ですね。
箸の形は、手にフィットして持ちやすい六角形がおすすめです。
「箸ゲーム」で遊びながら練習しよう!
子どもに合う箸を準備したら、次は練習をしてみましょう。
箸を使う練習というと、昔からあずきや豆を箸でつまんで移動させる代表的な練習方法がありますが、つまみにくく大人でも難しいもの。
「子ども向けにつまみやすい素材に入れ替えて練習するのがおすすめ」と木越さんは言います。次から紹介するので、実際にやってみましょう!
箸ゲームのやり方
使うもの
- 箸(子どもの手の大きさに合うもの)
- 手芸用ポンポン
- 皿(2枚or1枚で仕切りのあるもの)
やり方
- お皿の片側に手芸用ポンポンを入れる
- 箸でポンポンをつまんで空いている皿へ移動する
- 上記を繰り返す
木越さん
大きくて軽い素材を選びましょう。手芸用ポンポン以外でも、大きめにカットした消しゴムなど、つまみやすいものならOKです。
割り箸は滑りにくく、つまみやすいため、手に合ったサイズであれば練習用におすすめですよ。
箸の持ち方の練習で意識したいこと
● 手に合った持ちやすい箸を使う
● はじめは握り方が違ってもOK
● 簡単なゲームから始めて成功体験を増やす
● 箸を使うことが楽しいと感じさせる
● 少しずつ正しい持ち方で持てるように促す
● はじめは握り方が違ってもOK
● 簡単なゲームから始めて成功体験を増やす
● 箸を使うことが楽しいと感じさせる
● 少しずつ正しい持ち方で持てるように促す
練習をするときに意識したいことについて、木越さんからアドバイスをいただきました。
木越さん
多少握り方が間違っていても練習していけば大丈夫。簡単なゲームで成功体験を重ねて、まずは箸を持つ楽しさを知ってもらうことが大切です。
1番良くないのは子どもが箸の練習自体を嫌がってしまうこと。「正しく持てるようにとにかく練習させないと…」と気負い過ぎない方が上手くいきますよ。
はじめから「正しい持ち方」を持続するのは難しいかもしれません。ゲームに慣れてきたら、少しずつ「こうやって持ったら、できるかな?」とゲーム感覚で正しい持ち方を促してみると良いですね。
子どもが持ちやすい、おすすめの箸は?
最後に、「子どもが持ちやすい箸」のおすすめを教えてもらいました。
六角知能箸
出典: www.e-hashiseiwa.com- 税込価格
- 660円
木越さんが手の専門家とともに開発した「六角知能箸」。これまでの経験をもとに「持ちやすさ」に徹底的にこだわったそう。
長さはもちろん重さや太さまで子どもが持ちやすいサイズに計算されています。なかなか理想の箸に出合えない方は、一度試してみてはいかがでしょうか。
木越さん
箸の重心が中心に近い場所にあるのが大きなポイントです。重心が中心に近いほど安定して持つことができ、食べものをつまみやすくなるんです。材料の竹から塗料まで、全て国産にこだわりました。
手にぴったり合う箸で楽しく練習しよう
今回の記事を参考に、ぜひ子どもと一緒に正しく箸を持てるようになるための練習をしてみてくださいね。焦らず少しずつ挑戦することで、必ず上達への一歩に繋がりますよ。
木越 祥和
きごし よしかず
日本一の箸の産地、福井県小浜市で創業50年を迎える若狭塗箸専門店「箸匠せいわ」代表取締役。年間10万人来店の日本最大規模の箸専門売店を通じ、箸の魅力を伝えている。子どもが正しく箸が持てるようにと昭和64年に「六角知能箸」を開発。子どもに正しい箸の持ち方を広めるため全国の幼稚園、保育園へのパンフレット配布や、動画配信を通じた普及活動も積極的に行なっている。