子どもの不慮の事故の原因になる窒息。少し手の離れてきた小学生くらいの年齢でも起きていることをご存知でしょうか。
今回は、5〜9歳の子どもに起こる窒息事故の現状や原因と対策、窒息が起きた場合の対処法についてご説明します。
窒息事故はどれくらい起きているの?
2015〜2019年の5年間で、5〜9歳の子どもの窒息による死亡事故は30件起きています(※)。
窒息事故は3歳未満の子どもに特に起きやすいですが、何歳になっても起きる可能性があることを知っておくことが大切です。
小学生で窒息が起きる原因は?
子どもの成長に伴い、窒息事故の原因も少し変わってきます。原因と対策を知っておきましょう。
永久歯への生え変わり
● 歯の生え変わりが窒息に繋がる理由は?
歯が抜けたり、上下の歯が噛み合わなかったりして上手に噛めず、そのまま飲み込もうとしてときに窒息しやすいです。
● 生え変わりの時期に気をつけておくことは?
・やわらかく煮るなど調理方法の工夫をする
・一口量を少なくするよう教える
・食事に時間がかかることを知っておく
食べ方が悪い
● 食べ方の悪さが窒息に繋がる理由は?
丸飲みをしたり、よく噛まなかったり、ふざけながら食べていたりするのも窒息の原因になります。
● 食べさせるときに注意することは?
・よく噛み砕いてから飲み込ませる
・お茶や水で喉を湿らせる
・口に入れたままの状態では話さない
窒息しやすいものを食べている
窒息と聞くと餅を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、子どもの場合は、以下のような食べ物も危険です。
● 食べさせるときに注意が必要な食べ物は?
● 食べさせるときに注意することは?
・ブドウやカップゼリーは凍らせて与えない
・水分で喉を潤す
・固くて噛み切れないようなグミは避ける
上記以外にも、プラムで種周りの果実を食べようと、種ごと口に入れて窒息した事例もあります。大きな種のある果実の食べ方も教えてあげましょう。
外的要因による窒息
● 外的要因ってどんなもの?
ドラム式洗濯洗濯機や大型の冷蔵庫などは、内側からドアを閉めてしまうと、窒息に繋がります。他にも、シャープペンシルのキャップを口にくわえていたらそのまま飲み込んで窒息してしまった事例もあります。
● 注意しておくことは?
・冷蔵庫は子どもが入れるようなスペースを作らない
・口にものをくわえて遊ばないことを伝える
窒息したらどうすればいいの?
窒息すると時間との勝負になります。窒息に気づいたら、すぐに救急車を呼び、救急車が来るまでの間、詰まったものを吐き出させるための応急処置をすることが大切です。
● 1歳以上の子どもに使える腹部突き上げ法
上記をしても異物がとれず呼吸が止まってしまった場合は、救急隊員の指示に従って処置を行いましょう。
もしすぐに異物がとれた場合でも、呼吸が止まっている時間があったら念の為に受診してくださいね。
窒息を防げるようになろう
大人が思っている以上に子どもの窒息の原因となるものは多いです。どんなもので起こりやすいのかを知って、子どもに教えてあげられるようにしましょう。
万が一起きてしまった場合も、適切な処置をできるようになるといいですね。