「鬼は外、福は内」でおなじみの節分。せっかくなら家族みんなで楽しみたいものですが、赤ちゃんや小さい子供は豆まきをしたり、恵方巻や大豆を食べたりすることができませんよね。しかし、ちょっとした工夫をするだけで、子供も一緒に節分を楽しむことができますよ。今回は、節分の由来や子供と楽しむ方法、豆まきの注意点などをご紹介します。
節分の由来は?どうして豆まきをするの?
「節分」とは季節のわかれ目のことで、もともとは「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日を意味していました。立春の前日は、今でいう大晦日にあたる1年の節目だったため、特に大事に考えられるようになりました。現在では、立春の前日だけを「節分」と呼びます。
昔は、季節の節目は邪気が入りやすく、特に新年は鬼がやってきやすいと考えられていました。鬼は、災害や事故、病気といった悪い出来事をもたらすものとされていたので、1年の無病息災を願い、福を呼びこむために節分に豆をまいて鬼退治をするようになったそうです。
子供と一緒に豆まきをする方法は?
本来の豆まきは、煎った大豆を神棚に供え、年男・年女、厄年の人、一家の長が「鬼は外、福は内」といいながら豆をまき、その後、自分の歳の数、または歳より1つ多くの豆を食べます。
現在では、鬼役の人に向かって豆をぶつけて無病息災を願い、家族や友達と賑やかに楽しむことが多いですよね。しかし子供が小さい場合、家の中で豆をまくと、落ちた豆を子供が食べてしまうので危険です。
そこで、おすすめなのが豆まきならぬ「お菓子まき」です。
お菓子まきのやり方
● 用意するもの
・子供が食べられる小さなお菓子(たまごボーロ、クッキーなど)
・小さいビニール袋
お菓子まきは、お菓子をビニール袋に入れテープなどで封をして投げて行います。これなら子供が豆を食べてしまう心配がなく、拾った後にお菓子を食べる楽しみもあるので、おすすめですよ。
子供と節分を楽しむときの注意点は?
子供はまだ節分の意味がわからず、鬼を怖がってしまうこともあります。子供の様子をみながら、楽しい雰囲気できるといいですね。
また、小さな子供は煎った大豆やピーナッツといった豆類を上手に噛んで食べることができません。豆が気管や気管支に詰まりやすく、気管支に入ってしまうと呼吸困難や肺炎を引き起こし、最悪、命に関わることもあるので注意が必要です。
平成26年から令和元年までに行った厚生労働省の調査によると、食品の誤嚥・窒息事故が起きた子どものうち、9割が5歳以下という報告があります(※1)。
異物を取り除くには気管支鏡を使った手術が必要となります。悲しい事故につながらないよう、5歳以下の子供は豆を与えるのはやめて、お菓子まきのような安全な方法をとるようにしましょう。
離乳食の節分メニューは?
赤ちゃんには、節分ならではの離乳食を作ってあげて、節分の雰囲気を一緒に楽しむのはいかがでしょうか。
おかゆで作る鬼
離乳食の時期にあった固さのおかゆに、ほうれん草、にんじん、さつまいもといった色のはっきりした野菜を混ぜたら、鬼の形に成形していきます。おかゆではうまく形が固まらない場合は、じゃがいもに色のついた野菜と牛乳を混ぜ合わせて、デコレーションするのもおすすめです。
さつまいもで鬼の角、のりで鬼の顔を作るなど、いつも使う食材をアレンジして作れば、ママも簡単にできてうれしいですよね。
離乳食後期に入っていれば、恵方巻きや柊鰯(ひいらぎいわし)を赤ちゃん用にアレンジして食べさせることもできますよ。
恵方巻き
恵方巻きの起源は、江戸時代末期に大阪の舟場で商売繁盛の祈願をする風習として始まったといわれていますが、詳細ははっきりしていません。
「恵方」とはその年の最も良いとされる方角のこと。恵方を向いて願い事をしながら最後までしゃべらずに恵方巻きを1本食べきると縁起がいいとされています。
恵方巻きには、七福神にあやかって「かんぴょう」「きゅうり」「伊達巻き」「うなぎ」といった7種類の具を使うのが一般的ですが、特に決まったものはないので、赤ちゃんや子供が食べられる具を使って手作りするのもいいですね。
柊鰯
「柊鰯」とは、鬼が家に入ってこないように鰯の頭をつけた柊を戸口や門にかける風習のことです。節分の日に「鰯のめざし」を焼いて食べることもありますが、子供向けにするなら、鰯ハンバーグを作って、家族みんなで食べるのがおすすめです。
子供と一緒に節分を楽しもう
日本には年中行事がたくさんあります。子供のうちから家族で行事を祝い、食事を楽しんだり雰囲気を味わったりすることで、自然と伝統や風習に触れることができますよ。
赤ちゃんのうちは、豆の代わりにお菓子をまいたり、節分メニューの離乳食を作ったりして、一緒に楽しみましょう。
子供が保育園や幼稚園に入ると、園でも節分のイベントが行われます。子供に節分の由来や豆まきの意味を話してあげるのもいいですね。