小1の歩行中の事故は全年齢で一番多い!データで知る事故の事実とは

小学校に入学すると一人で登下校するようになりますが、歩行中の事故による死傷者数は7歳が最も多いという親にとっては衝撃的なデータがあります。

今回は、小学1年生が歩行中にどのくらい事故に遭っているのか、どんな場面で遭っているのかについて、警察庁の統計からご紹介します。

小学1年生の歩行中事故、5つの特徴

まず、小学1年生の歩行中の交通事故の実態について、5つの特徴をご紹介します。

2012年〜2015年までの警察庁の統計から、歩行中の事故による死者数や死傷者数をまとめました(※1)。

①歩行中の死傷者数は7歳が最も多い

歩行中の死傷者数を年齢別に分析すると、7歳(小学1・2年生)が突出して多くなっています。

年齢人口別歩行中の死傷者数

②小1の男児の歩行中死者数は女児の2倍

小学1年生の歩行中で亡くなった子どもは30人。そのうち男児は20人で、男児は女児より2倍多いという結果があります。

小学生全体で見ても、女児は26人、男児は65人です。

小1の歩行中死者数

③小1の歩行中の死傷者が多いのは、5~7月と9~11月

小1の歩行中の死傷者数を月別に見たのが下のグラフです。特に多いのが5月・6月・10月・11月で、7月・9月もその次に多くなっています。

小1の月別歩行中の死傷者数

④小1の歩行中の死傷者が最も多いのは15時台

下のグラフは、小1の歩行中の時間帯別の死傷者数です。最も多いのは15~17時台で、次いで朝7時台が多いことがわかります。

小1歩行中の死傷者数 時間別

通行目的別に見ると、最も多いのは「下校中」で、2番目に「私用の遊戯」、3番目に「登校中」となっています。

通行目的別歩行中の死傷者数

⑤小1の歩行中の死傷者が多いシーンは「飛び出し」

死傷者を事故が起きた類型別/法令違反別に分析したのが下の表です。これを見ると、類型別では「横断歩道」と「横断歩道がないところ(その他を横断中)」、法令違反別では「飛び出し」が突出して多いことがわかります。

小1事故類型別/法令違反別死傷者数

小1の親としてすべきことは?

小学生 親子 歩道

実態を見ると、小1の歩行中には特に以下のリスク要因があることがわかりました。

小1の歩行中事故でリスクが高くなる要因
● 男子>女子
● 9~11月と5~7月
● 学校が終わったあと、15~17時
● 飛び出し
● 横断歩道/横断歩道がないところを渡る際

これらを分析すると、以下のような要因が考えられます。

ふざけているときに事故が起きる

一概に言えるわけではありませんが、遊びがヒートアップして周りが見えなくなりがちなのは女子より男子の方が多いもの。それが女子より男子の方が歩行中の死傷者数が多いという結果に結びついていると考えられます。

またシーン別では「私用の遊戯」が「下校中」に次いで多かったことからも、友達と遊んでいるときに事故が起きやすくなっていると考えることができます。

油断しているときに事故が起きる

月別の歩行中の死傷者数を小学生全体で見ると、実は4月も多い月となっていますが、1年生に限ると4月はそれほど多いわけではありません。これは「1年生の4月は比較的緊張していることが多く、結果として事故も少ない」ことが要因として考えられます。

また時間帯別で見ても、集団で行動したり親の見守りがあることが多い登校時より、バラバラで動くことが多い下校時の方が死傷者数が多いことからも、「子どもに油断があるときに事故が起きやすい」と考えられます。

ルールを守れないときに事故が起きる

法令違反別で「飛び出し」が突出して多かったこと、類型別で「横断歩道や歩道橋がないところ(横断中 その他)」が多かったことから、交通のルールを守らない(守れない)ときに事故が起きていることがわかります。

歩行中の小1を交通事故から守るために

まずは「どんな状況で事故の被害が多いのか」を、親が知ることが大切ではないかと考え、今回は、歩行中の小学1年生がどれだけ交通事故で被害を受けているのか、データを中心にご紹介しました。

歩行中の小学生をどのように交通事故の被害から守るべきかは、以下の記事でご紹介しています。そちらもぜひ読んでみてくださいね。

※参考文献を表示する

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